3章
1話 仕方ない
レイセ:主人公。
黒戸零維世であり、クリア・ノキシュでもある。
融合者。
契約者。
黒崎鏡華:プロミネンスと名乗っている。
ルビー・アグノス。
融合者。
契約者。
黒竜:真名、レムリアス。
白竜に並ぶ最古の神獣。
レイセと契約している。
黒沼直樹:ベル。
黒羽学園高等部の数学と物理の教師。
中等部生徒会顧問。
融合者。
守護者。
黄山十夜:春日高校一年生。
融合者。
契約者。
ファガス。
青井友介:七星学園高等部一年生。
融合者。
契約者。
コナル。
エウェル:クリア・ノキシュの妻。
故人。
リビア:元守護者。
レイセと北の大地に旅立った。
聖国クリアを創設した。
ボーデン・バレット:傭兵団ラーウム所属。
ソロのBランク冒険者だった。
閑話に登場。
ラトス・ミュラ:ルピアスの守護者長。
クルダム・ゼロス:ノスヘルの元代表。
文官長。
フレドリック・ユルロア:連合国クロトの守護者長纏め役。
ピナンナ・ラクトリ:ノスヘルの守護者長。
キーシ・キルツス:クベルトの守護者長。
オアミ、クベルト、ミクトシアは、兵士を仮面の男に皆殺しに された為、一回目の会合には不参加。
非常に忙しい。
突然名前だけ出てきます。
十年後。
神歴二千三百十年。
「フレドを呼び出してくれ」
「承知しました」
「少々お待ちください」
「クルダム、落ち着け」
「私は裏切られていました」
「仕方無いだろ」
「俺も黙っていた」
「…………」
「フレドを信頼してたんだな」
「そのようです」
「少し話がしたいのです」
「しかし、お前が契約者に成るとはな」
「知識はどの程度把握出来てる?」
「たぶん重要な知識は得ています」
「寿命が無い」
「生殖能力が無い」
「等です」
「選択に迷わなかったのか?」
「ええ、寿命を延ばしたかったのです」
「この国の行く末をもう少し見ていたかった」
「そうか」
「なら、しっかり働いてくれ」
「言われなくても」
「クロト様こそもう少し働いて下さい」
「なんだそれ?」
「俺はしっかりやってるぞ」
「そうです」
「王は手を抜いていません」
「リビア様、貴方は王に甘い」
「王の処理能力なら、もっと多くを
「それはそうかもしれませんが、ダンジョン攻略も必要なのです」
「何度も
「それは…………」
「フレドが来たら説明してやろう」
「良いのですか?」
「ああ、そろそろ頃合いだと思ってた」
「そうかもしれませんね」
「何の話かは知りませんが、良い予感はしませんね」
「ビビったか?」
「と、言うよりも、どうせ理不尽な話です」
「
「何を笑っているのです?」
「笑わないでください」
「青い所が面白い」
「笑わずにいられるか」
「ふふ、そうですね」
「リビア様まで」
「そうですね、私が一番年下です」
「百歳を超えると皆大体同じになるらしいぞ」
「プロミが言ってた」
「プロミ様はいつこちらにいらっしゃいますか?」
「もうすぐだ」
「今度は従者を連れて来ると言っていた」
「では、準備が必要です」
「そんな話は決まった時に言ってください」
「さっき魔道具で聞いたんだ」
「いちいち突っかかるな」
部屋をノックしている。
「入って良いぞ」
フレドが執務室に入って来た。
ボーデンもいる。
「で?」
「何の用だ?」
「これからクベルトに出張だ」
「キーシの予定が詰まっている」
「急がないといけない」
「クルダムに話があるそうだ」
「態々王に呼び出させたのか?」
「どんな用だ?」
「私も契約者に成りました」
「おめでとうと言えば良いのか?」
「別にめでたくも無いが」
「フレド、嘘を付いていましたね?」
「そんな話か!」
「当たり前だろ」
「何を青臭い事言ってる」
「むう、嘘の報告をしておいて弁明は無いのですか?」
「無いね」
「必要だった」
「話していたら、拷問されていた」
「私はそこまでしません」
「あんたの周りはどうかな?」
「…………」
「俺はあんたを買っている」
「失望させるなよ」
「…………」
「その位にしておいてくれ」
「俺からも話がある」
「たぶんボーデンは気付いてる」
「ボーデン、何の話か解るか?」
「貴方のもう半分が何処から来たか、と言う話でしょう?」
「そうだ、やはり察しが良いな」
俺は黒戸零維世について、もう一つの世界について、『ロストエンド』について話した。
全てだ。
「驚かざるを得ませんね」
「異世界とは」
「…………」
「…………」
フレドとクルダムは絶句している。
「話は以上だ」
「フレド、ボーデン、行って良いぞ」
「…………」
「あんたはいずれ向こうに帰るのか?」
「リビアとプロミがいるこの世界を選ぶ」
「それを聞いて安心したぜ」
「…………」
「これからは、ダンジョン攻略に協力しましょう」
「ああ、話が通じて良かったよ」
「じゃあ、クベルトに行ってくる」
「ボーデン行くぞ」
「ちょっと待て、リビア様に会ったんだ、挨拶させろ」
「リビア様、今日もお美しい」
「ええ、ありがとうボーデン」
「気を付けて」
「人妻を夫の前で口説くなよ」
「これだけは言わずにはいられません」
「では行ってきます」
「ああ、気を付けてな」
二人は部屋を出て行った。
「ボーデン、あいつモテるだろうな」
「そうですね」
「レイセもあのくらいハッキリ言ってくれると嬉しいのですが」
「リビア、お前はいつも美しい」
「まあ」
「オッホン」
「私も退出しますので、その後にしてください」
二か月後、プロミネンスが来た。
俺は大陸を繋ぐ橋を建設していた。
それを渡って来た。
ちなみに馬車のタイヤにはゴムが、車輪等の軸受けにはベアリング、揺れ防止にサスペンションが使われている。
それでも揺れるが。
連絡が有ってから、わずか二か月でたどり着くとは。
俺はプロミネンスの顔が見たかった。
久しぶりだ。
自分で出迎えた。
馬車から従者が下りてくる。
プロミは最後だ。
降りてきた。
「長旅お疲れ様だな」
「そうね、二か月も掛ったわ」
「距離を考えると相当早いけどな」
「まあ、そうね」
「急いだわ」
「顔を見せてくれ」
「なに?」
「見えてるでしょう?」
「もっと近くでだ」
「ああ」
「良いけど」
「後でね」
「まずは中に入ってから」
「従者達の紹介もしたいし」
「お前の従者は殺気の消し方を知らないのか?」
「隠す気が無いのよ」
「はあ、先が思いやられるな」
「貴方の困った顔が久しぶりに見れていい気分よ」
「ちゃんと手綱を握っていてくれよ」
「それは大丈夫、狂信者ばかりだから」
「だからだろ」
「まともな奴もいるんだよな?」
「いる訳無いでしょう」
「いないのかよ」
「ええ、いないわ」
プロミネンスはいい笑顔で言い放った。
いい笑顔が見られて俺はうれしい?
広間で従者の紹介を受ける。
リビア、フレドリック、ボーデン、クルダムもいる。
「貴方たち、私の夫になる人なんだから、ちゃんと自己紹介してよね」
「…………」
「まずは私から」
「私は、ノイトル・ロベスト」
「従者長を務めています」
「私は、ヒルデ・ガントです」
「神官長です」
「ロウル・ヒスリー」
「従者兼料理人」
「クアクル・ロウナー」
「同じく従者兼料理人だ」
「私はカシアル・シュースです」
「従者兼裁縫士です」
「私はカシアルの弟子のスレガリン・ラウナルです」
「従者兼裁縫士です」
「リメア・ラメウスです」
「神官兼付き人です」
「ヒメア・ラメウスです」
「リメアとは姉妹です」
「神官兼付き人です」
「従者長と神官長ではどちらが上なんだ?」
「今回は従者長が上よ」
「ヒルデ」
「納得したのよね?」
「ええ、もちろんでございます」
「女神様」
ヒルデの殺気は一切弱まっていない。
たぶんこいつが一番ヤバい奴だ。
神官姉妹も殺気を俺に向けて来ている。
理性よりも気持ちが勝っているんだろう。
従者長は御しきれるのか?
ダンジョンにプロミネンスを連れて行くと言ったら、こいつらはどうするつもりか?
不安しか無い。
俺も殺気を出しておくか。
ヒルデに向かって殺気を出した。
最悪、飛び掛かってきたら、殺そう。
そう思った。
ヒルデが後ろにジャンプした。
やる気か?
俺の間合いからは出ていない。
もういい、やろう。
「ちょ、ちょっと待って!」
「ヒルデ!」
「解ったでしょ?」
「……はい、申し訳ないです、女神様」
「私に謝らないで、彼に謝って」
「申し訳ないです、クロト様」
「そうか、殺気が止んだな」
「ならいい」
「はは、どうなるかとヒヤヒヤしたぜ」
「怒っている王を初めて見ました」
「心臓に悪い」
「リビア様」
「ええ、彼は完全に殺る気に成っていました」
「リビア、解ってるわ」
「怒らせるとああ成るのね」
「私も初めて見た」
リビアは具現化した剣を消した。
プロミは具現化した盾を消した。
やれやれだ。
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