第8話 自白

「首の絞めあい…包丁での刺し合い…風呂場で溺死させるのもありですが…」

絡めあった手から熱が伝わる。生を感じる。

「そんなの無理だ…」

「やるんです」

「やる意味がない…」


「だったら」

女は勝ち誇った目で見下ろす。


「何故私の首ばかり見ているのですか?」


「何故息が上がっているんですか?」


「何故痛いくらいに指を絡めてくるんですか?」


「さあ、素直になって…」


女は俺の手を自分の首に絡めた。

ドクンドクンと頸動脈の脈打ちを感じた。

その瞬間、強烈な喉の渇きのようなものを感じ勢いよく女を押し倒した。

貪りつくように女の首に手をあて思い切り絞め上げる。


するとどうだろう。

あんなにも気味の悪かった女の顔も、魅力的に見えた。

相変わらずニタニタと笑っているが、苦悶の表情も混じったその姿に胸が高鳴った。


ふいに女が口をパクパクとさせたので、締め上げる力を緩めた。

女は激しく咳き込みながら大きく息を吸った。


「ど…どうでし…たか…?」

大粒の涙を流しながら女は問いかけてきた。

俺は興奮を隠せず、息を荒げながら女に言った。


「俺にも…俺にもやってくれ…」


女はニヤつく。女は呼吸を整え答えた。


「やってくれ…?やってください…でしょ?」

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