第15話 多忙な日々
美穂子の作ってくれた料理を一人で食べていると、風呂から出て来た理央が冷たいジュースを飲みにやってきた。
あれ以来理央から追い詰められるような雰囲気が消えた。ここを引っ越す話は、自分の結論が出てないのでしていない。
「バスケはどうだい。今日は練習だったんだろう」
「うん、練習はきついけど楽しいよ。でも人間関係は複雑かな」
――小学生も人間関係で悩むのか。
人の業の深さに唖然とする思いだ。
「理央はまだ三年生だろう。それでも悩んだりするのか」
「低学年もそれなりに大変なんだよ。うちの学校って伝統的に、ガードがドリブルで切り崩す個人技主体のチームなんだけど、顧問の先生は速いパスで相手を切り崩す、速攻主体のチームに変えようとしてるんだよね」
「それでコーチと選手が対立してるのか?」
「そんなことない。うちのコーチは他所みたいにそんなに強くはないから。でも四番と五番の先輩が対立してるんだよね」
「四番と五番ってキャプテンとエースか」
私は理央に教えられた知識を思い出した。
「そう、四番の先輩は個人技で運びたいんだけど、五番の先輩は中学生のお姉ちゃんの影響で、パスを重視するべきだって言うんだよね」
「でもそれは上の方の問題で、お前たちは関係ないだろう」
「そんなことないよ。五対五でゲームするときに、どちらの先輩のチームに入るかでやること変わるし、変にいいプレーしたら、相手側の先輩から理央ちゃんはそういうプレーの方が合ってんだねって、嫌味を言われるし大変だよ」
「それは大変だなぁ」
なんだか自分の会社の状況みたいで真剣に同情してしまった。
「でもね、最近少しずつ改善しつつあるんだ」
「ほう、どうしたんだ」
なんだか気に成って思わず身を乗り出した。
「五番のお姉ちゃんってうちのOBなんだけど、この前の日曜の試合の後で、四番の先輩と話してくれたらしいんだ」
「ほう、何て言ったんだ」
大方予想はつく。チームである以上、コーチの方針は絶対だから、従うように言ったんだろうと思った。
「四番の先輩にもっと自信を持ってドリブルをしろって」
「えっ、それはコーチの方針に反するだろう」
「それがね、四番の先輩の個人技が凄い武器だから、それをしないって選択肢はないって。ただ、必殺技もいつも使っていたら、相手が読んで対策してくるから、パ寸の選択肢は必用で、チーム全体の方針としてパス戦法を強化することは間違いない。普段はパスでゲームを作って、勝負がかかったここ一番の大事な時に、いけると思ったら自信をもってドリブルで切り込めば、相手は意表を突かれるって言ってた」
「なるほど、それは説得力あるな」
「うん、だから今日の練習では四番の先輩がパスが遅いって、みんなを走らせるんだよ。もう突然変わるから面食らっちゃった」
なんかいい話だなと思った。多様な選択肢は絶対必要だし、その意味ではコーチの方針は理解できる。ただ重要なのは四番の居場所を確保していると伝えることだ。それをうまく伝えられなかったために、チームに変な不協和音を生んだしまったのだ。
なんだか仕事のことを思い出した。高階社長も対外的にはうまく話すのに、社内では妙に攻撃的に思わすところがある。言われた方もなぜと聞くことはなく、感じたままに傷ついている。まさに日本人だよな。五番のお姉さんのような人が社内にもいたらうまくいくんだが。
その時私の脳裏にある人物が浮かんだ。
よし、やってみるか――おぼろげながら作戦が見えてきた。
「星野さんもおとなしそうに見えて無茶言って来る人だね」
言葉では避難しているが、奈保の顔は笑っている。
今日、私は秘策を相談するためにレッドマースを訪れていた。
既にスタンフォードの学生ベンチャー事業で、AIを駆使したゲームインタフェースを開発して一財産築いた奈保は、金銭的な契約条件では動かない。革新性とおもしろさのみ、彼女の心を動かすことができる。
「やっぱり無理ですか?」
「無理とは言ってない。無茶だと言ったんだ」
奈保はそこで堪えきれなくなって大笑いを始めた。それはそうだ。私が今日ここに来た目的は、完成度は高くなくてもいいから、録音された音声データを分類し、内容を要約するアプリケーションを三日間で作って欲しいというものだった。
当社(うち)の開発部に依頼したら、鼻で笑われるか、真っ赤に成って怒られるかして、まともに取り合ってはもらえないだろう。
だが奈保は違った。
このアプリケーションを使う最大のねらいが、最大の反対者である有永の承諾を得ることにあり、しかもうまくいけば有永が積極的な賛同者になると聞いて、好奇心で身を乗り出してきた。
「一つだけ聞かせて、なぜ最初に有永さんに決裁を仰いだときに、今話した方法を使おうと思わなかったの?」
奈保が笑いを止めて、凄味のある目で聞いて来た。
「思いつかなかったこともあるけど、今考えてみるとあのときはまだ勝負を賭ける時ではなかった。予想していた通り、専務は吉木の書いた提案書に感情的な理由で頭から否定した。この後で立場的に賛成せざるを得ない状況になったら、細かい条件もつけないはずだ」
「ふーん、めんどくさいんだね、大きい会社は」
「まあ、だからこういう漫画みたいな方法も効果がある」
奈保はややいたずら心が芽生えた私をじっと見つめる。
「グーグル検索が出た時に、インターネットの利用層は激変したわ。ネット検索がビジネスの場にも本格的に進出してきた。でもネットに出て来る情報は信頼性が今一つ高くない。情報の出し手の匿名性が高いことと、入力負荷が大きくて無報酬で情報を出す人が限られてしまうからよ」
奈保が笑顔で語りながらノートパソコンを取り出す。
「だからこそインターフェース革命はこの業界では多くの人間が手掛けている。もちろん私もアメリカにいた時から既に取り組んでいる」
奈保がノートパソコンに表示した画面は英語だった。奈保が自社の製品について英語でコメントを呟く。画面がすぐに変化して、そのコメントに関連した他のコメントとツリーができあがる。画面の下には何種類かのハッシュタグが表示され、それをクリックするごとにツリーが変化する。
「すごい!」思わず感嘆の声が漏れた。
「英語で入力された音声を、結果、理由、感情などのカテゴリーで分類するAIは、うちがアメリカの会社とライセンス契約したものだけど、元々英語はAIと言語構造的に相性がいい。だけど日本語はこういう風にはいかないわ。結局このインターフェースと相性の合う日本語AIはまだ開発されてない」
だが、奈保は意味ありげにニヤリと笑う。
「あるのか?」
「あるわよ。しかもあなたの会社に。TECGが電子辞書用に開発した日本語AI、これはなかなかの優れもので、さすがに大会社が本気で開発しただけのことはあるわ。それがあればこのインターフェースは、日本語用に生まれ変わるかもしれない」
「今回は英語版でかまわない。これをカスタマイズできますか?」
「ハッシュタグの生成ロジックで一日、ツリーの組み換えロジックに一日、デモデーターは星野さんが一日で集めて」
プロジェクト提案でAIを活用すること自体は、吉木が以前から奈保に話を通していた。その商品の社内承認獲得への段取りは、昨日の理央との会話の中で私の頭にできあがっていた。英語でインタビューできる集団の目星もついている。
「いけるよ、奈保さん。このデモでTECGに激震を走らせよう」
「さあ、たいへんだ」
奈保はそう言いながらもちっとも焦った素振りを見せずに隣の部屋に消えた。
会社から帰宅すると、玄関まで美穂子が飛んできて、封書を差し出した。
それは沙穂の保育園への入園許可を知らせるものだった。
美穂子は既に市役所に確認の電話をしてくれていて、五月に急な転勤が決まり退園する子の空きに対して、私の事情に市が配慮してくれた結果だったらしい。
私は美穂子に相談しながら、大急ぎで沙穂の入園の準備を進めた。と言っても布団カバーや布巾、保育着など大半は美穂子が既に揃えてあり、私の仕事はほとんど書類作成だった。
ふとベビーベッドに目をやると、沙穂がスヤスヤ眠っている。相変わらず寝るのが好きな子だ。寝顔を見つめていると、生まれて八カ月の子を他人に預けようとしていることに愕然とする。そしてまたあの忌まわしい事件を思い出してしまう。
先日、年取った方の刑事が訪ねて来て、まだ事故の原因となった男女は見つからないと言っていた。あれだけの人間がいたにも関わらず、目撃者として名乗り出てくれた人は僅か三人で、それも男女の顔や服装さえ記憶がばらばらで当てにならないようだ。
ただ全員理央が腕を掴まれ引きずられ、理沙が男を止めようとして突き飛ばされたシーンだけ、克明に覚えているということだった。つまり、車内で激しいけんかをしていたにも関わらず、それほど関心がなかったということだ。
また、刑事の話では、明確な殺意はないので、見つけ出したとしても刑事的にはそれほど重い罪にはならないということだった。
民事的には賠償金は取れるかもしれないが、相手の支払い能力によっては、それほどの額は取れないかもしれないとも言っていた。
そんなことを思っていると、だんだんと憎しみで心がいっぱいに成っていく。なぜ潔く名乗り出ないのか、一つの幸せな家庭をぶち壊しておいて、何食わぬ顔でのうのうと生きていけるのか。いっそのこと今の仕事を辞めて、自分の手で見つけて復讐したい気持ちでいっぱいになる。
マスコミも酷かった。事故当日から二、三日はそれなりに注目を集めたが、私が引きこもり状態になって対応しなかったことと、犯人らしき人物像が一向に固まらないことから、話題とならないと判断したのか、取材の申し込みはぱったりと途絶えた。
興味本位で取材されるよりはいいのかもしれないが、誰も取り上げなくなるとその関心の薄さに妙に腹が立ってくる。
所詮は人ごとに過ぎないのだから、やはり自分の手で思う存分復讐するしかない。あの男女二人を監禁して拷問しながら謝罪させたいなどと、物騒な考えに憑りつかれ、心が真っ黒になろうとした時だった。
「アーン、アーン」
と沙穂が大声で泣き出し、美穂子が慌てて駆け寄って、おむつが濡れていることを確かめる。準備作業の主力である美穂子を、こんなことで煩わせたくないので、おむつ替えは自分ですると告げる。
おむつを替え終わると気持ちがいいのか、俗にいう天使の笑顔を向けて来た。
――この子たちを差し置いて、なんて馬鹿なことを考えたんだろう
胸の中が後悔する気持ちでいっぱいになった。
――犯人が見つからないのは、この子たちのためにはいいことなのかもしれない
実際に対象となる二人に再会すれば、相手の態度によっては、理央の心にも憎しみが芽生える。沙穂だって大きくなってそのことを知ったら、普通ではいられないだろう。かろうじてその気持ちを抑えたとしても、微妙に生活に影響を与えるかもしれない。
それにもしかしたら二人とも罪の意識と、自分たちがいつ見つかるか分からない恐怖で、毎日を怯えながら暮らしている可能性がある。
考えようによってはその方が残酷な酬いだ。
そんな考えが堂々巡りしてきりがないので寝ることにした。
――明日は午後から休みを取って市役所に書類を届けに行く。その足で保育園に向かう。
仕事もたいへんな時を迎えているが、子育ても待ってはくれなかった。
翌日出社して、急ぎの仕事がないことを確認し、午後から早退して市役所に向かう。
市役所に着くと、今度は受付に寄らず、真っすぐに三階の子供育成課に向かう。対応してくれた職員は前回と同じ女性だった。
「良かったですね。無事入園できて」
相変わらず親身になって対応してくれる。
「ありがとうございます。突然のことに何も対応できずにいたので、これで少し新しい生活に向けて踏み出せた気がしました」
私の言葉に、その職員はやさしい笑みを浮かべて頷いた。
書類提出が終わった後、そのままバスで保育園に向かう。保育園は吉祥寺と三鷹のちょうど中間地点にあるので、バスで五日市街道沿いの「成蹊大学前」まで行って、そこから徒歩で成蹊通りを南下し、大正通を東に曲がって目的地に着く。
近頃流行りの雑居ビルのワンフロアにあるような保育園ではなく、園庭も広く建物も大きいオーソドックスな保育園だった。
玄関にはもちろんセキュリティが掛かっているので、インターフォン越しに用件を告げる。直ぐに受付らしい女性の声がして、玄関を開けてくれた。
保育園の家庭的なイメージに反して、意外と事務的にサクサクと注意事項を説明される。結構守るべきルールが多くて驚いてしまった。
職員からここで働く人には必ず「先生」と呼んでくださいと言われた。親としても個別に判断しなくてよいので楽なのだが、こういうルールも園で働く人のモチベーションなのかもしれないと思った。
説明が終わったところで園長を紹介される。園長は思ったより若い女性で、保育園の親会社から出向で昨年来たということだった。挨拶が終わったところで、園長から職員に教室を案内するように指示が出た。
ゼロ歳児クラスは一クラスだけで二階の角部屋にあった。そこは日当たりが良くて快適そうな部屋だった。一二名の子供が預けられていて二名の先生が部屋の中にいた。
早速担当の先生を紹介される。イメージ通り優しそうで可愛らしい若い女の先生と、年配でいかにも子供が好きそうな男の先生だった。若い女の先生は下田亜紀という名で、男の先生は溝口英樹と紹介された。
挨拶を済ませ帰宅すると、美穂子が結果を催促するように玄関まで出迎えてくれた。
「無事手続きは終わりましたよ。保育園も行ってきましたが、沙穂たちの部屋は日当たりが良さそうで、先生も優しそうでした」
「ご近所の人から聞いた話だと、保育園って親がやることが多いんでしょう」
「そうですね。働く親が子供を預けているにしては多いかもしれませんね」
「これから沙穂の送り迎えや、食事の用意をどうするかとか、役割を決めなければいけないわね」
「それは私がやります。今は食事をお義母さんに甘えていますが、一人でもできるように早くいろいろ覚えないと」
美穂子は笑いながら、「私はいいのよ、可愛い孫のためだし」と言った。
「駄目ですよ」
私は慌てて否定した。これ以上美穂子や浩二に迷惑をかけるわけにはいかない。
「あまり慌てずにゆっくりとリズムを作ってね」
そう言い捨てて、美穂子は夕飯の支度にとりかかった。
次の日、私はいつもより一時間早く起きた。もちろん沙穂を保育園に送っていくためだ。替えのおむつやタオルを、保育園に通うために用意したリュックに入れていく。
朝食を済ませ、沙穂を抱っこ紐で胸に括り付け、「行ってきます」と美穂子と理央に声をかけて出かける。保育園までは理沙が理央を運ぶために買ったママチャリに乗って行く。新品の時に比べ多少くたびれてきているが、まだまだしっかりと走る。ママチャリとは丈夫な自転車だなと思った。
保育園には下田亜紀が来ていて、既に預けられた三人の赤ちゃんの面倒をみていた。
私が「おはようございます!」と挨拶すると、感じのいい笑顔で「おはようございます」と返し、おむつやタオルを仕舞う場所を教えてくれる。それが終わると、子供たちの名前が書いたノートを渡された。
「これから毎日、沙穂ちゃんがどんな様子で一日を過ごしたか、このノートに書きますね。星野さんは家での様子を書いてください」
そう言ってノートを、「さほちゃん」と書いたシールが貼ってある棚に差した。その棚には他の十一人の名前が書いてあった。
私はその日沙穂のことが気になって、あまり仕事に集中できなかった。五時半になると同時に机の上を片付け、周りに「お先に」と声をかけて、さっさと帰宅の途につく。それでも吉祥寺に着いたのが六時一三分だった。後七分で延長保育になる。これは事前に片づけを済ませて、五時半と同時にオフィスを飛び出さないと、ちょっと電車が遅れたら間に合わないと思った。
六時二○分ギリギリに保育園に入り、記録表に迎えの時刻を書き込む。今日はゼロ歳児クラスの延長保育は三人で、危うく沙穂は初日からその仲間入りするところだった。
「お疲れ様です」
亜紀が笑顔で挨拶する。会社から迎えに直行する疲れが、すっと消えて行くような癒しの笑顔で、会社にはこういう笑顔を見せる女性はいないなと思った。
「今日は沙穂ちゃん、穏やかでしたよ。環境が変わってもへっちゃらで寝てました。可愛い顔して案外図太いのかも……」と言って、また笑う。
何だかとても得した気分になって、思わず「寝るのが好きなんです」と答えた。
「もう、寝るのが好きなんですね。大物だなぁ」と言ってまた笑う。
私はすっかり楽しくなって、リズミカルに汚れ物を仕舞い、胸に沙穂を抱いて「さよなら」と言って亜紀と別れた。
上機嫌で夕食の席に着いた私に、「何かいいことがあったんですか」と美穂子の突っ込みが入る。
私はハッとした。自分がとても緩んだ顔をしていた気がした。
「いや、初日なんとか時間通りにこなせて、つい緩んでしまいました」
慌てて誤魔化して、まだ始まったばかりだ、気を引き締めようと反省した。
沙穂をベビーベッドに寝かしつけベッドの上で横になると、昼間の疲れで不覚にも、食事もとらずに眠り込んでしまった。
それから二日間、なんとか保育園を加えたスケジュールをこなして、やっと週末を迎えた。疲れて十一時までベッドで寝ていた。
「あまり寝すぎるとリズムが狂って、夜寝つきが悪くなるわよ」
美穂子の忠告に従い、のそのそと起き上がる。
食卓には私の分の朝食が置いてある。
「もう朝昼兼用でいいわね」
美穂子はそう言って、昼食の蕎麦に付けようとしていた天ぷらも追加してくれた。
理央の姿が見えないことに気付き、「理央は遊びに行ったんですか?」と聞くと、笑いながら美穂子は言った。
「嫌ねぇ、理央はバスケの練習に行ったわよ」
そうだった。土曜日は練習日だ。理央は頑張っている。休みだからとゴロゴロ寝ている自分が恥ずかしくなった。
「沙穂って、音楽に合わせて歌うらしいね」
美穂子が感心したように言ってきた。
「えっ、歌うんですか?」
そんなシーンの記憶がないので、思わず聞き返すと、美穂子は驚いたように言った。
「保育園のノートに書いてあったじゃない。読んでないの?」
そう言われると、ちゃんと読んでない。食事を取りながら、改めて読んでみると沙穂の保育園での様子を、ちょっとした変化も見逃さず克明に描いてある。それに対して自分は業務日報のような内容を返している。
「こういうのって、働くお母さんにとってはとても励みになるわ。母親である以上、我が子を他人に預けて外に出るってとても不安なものだから」
――そうか、そんな配慮の下にこのノートがあるのか
そう思って改めて読み直してみると、園での姿を伝えようという気持ちがひしひしと伝わってきた。
沙穂は普段おとなしいのに、音楽が流れると音に合わせて、「アーアー」と声を出すらしい。その姿を想像するだけで嬉しくなる。
――さあ、明日はいよいよ、奈保の手によるAI制御プログラムの試運転だ!
沙穂に癒されて気持ちが明るくなった。
明日はきっとうまくいく予感がした。
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