図書館に一人孤独に暮らすというのは、大変魅力的に思えますが、それはこの世の地獄を経験しているからかもしれません。
さらに、自分の物語を書き残すことができないのは、辛いですね。痛い思いをしたのに消えてなくなってしまったら、心折れると思います。もし、自らの血で綴った詩が消えてなくならなかったら、彼はまだ耐えていけたのでしょうか。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。レビューまでいただき、感謝です。
自分も図書館が好きで、そこで一生を過ごせたらなと、たびたび願うことがあるので、こんな作品を書いてしまいました。だれとも出会えず、なにも残せず、ただ読むだけ、というのは幸福なのか不幸なのか。それでも憧れてしまいます。
こどもの頃、図書館に住めたらいいのにと思ったことがあります。食事も要らない、眠ることも忘れて、貪るように読み続けられたらいいのに、と。
この世界には無数の本があるのに、私が読めるのは一握りだけ。すぐそこにある、寝食を忘れるような物語に気付かぬままかもしれない。そう思った時の切なさ。
>本の数は有限だが、言葉の味わいは無限
1冊の本を愛すること。言葉を愛すること。あぁ、そうだったのか……と。
弔花のような白い羽根。彼は、愛されていたのでしょうか……。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。自分も同じような想いを抱いていました。図書館に住んで、読書のためだけに生きられたらいいのにな、と。図書館と本への憧憬を作品に込めました。苦さも含まれてしまいましたが。
彼が愛を実感できたかはわかりませんが、存在しているだけで、なんらかの愛を受け取っていたのではないのかと、そんなふうにも思います。感想、ありがとうございました。
なんて深い哀しみの世界。
ずっと白さを感じていました。
たとえようもない気持ちです。
死して彼は解放されたでしょうか。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。白い哀しみを描きたかったので、そう感じていただけたなら幸いです。だれとも会わずに死ぬ人間は、彼だけではないのでしょうが、なんらかの解放があることを、安息があることを、祈っています。
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『バベルの図書館』とは逆で、
図書館自体のことよりも図書館に住む主人公の心にフォーカスしたいんだろうな、と思いました。
でも、主人公の心の中は「本なんてつまらない、誰かに会いたい」という一般人メンタルでいっぱいで、
図書館なんか大嫌いなのが伝わってきます。
牢獄?
とんでもない。
さみしい?
ありえませんねー。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。図書館が大嫌いという風に書いたつもりはありませんでしたが、そのような読み方もあるのですね。自分は図書館が大好きで、人と会いたいという気持ちより、ひとりで本を読みたいという気持ちが強い方ですが、生まれたときから一度も人に会ったことがないのに、たしかに人間は存在するという感覚だけがあるとしたら、また別な気持ちもわくのではないのでしょうか。そんなの「一般人メンタル」でしかない、つまらない、と感じさせたならすみません。
感想、ありがとうございました。