CoC_6th「VOID」

※この感想記事には、シナリオ「VOID」の重大なネタバレを含みます。2023年1月2,3,14,21,28日に行われたセッションの感想記事です。


CoC界隈でよく聞くシナリオの常連「VOID」。今回、幸運にも普段から遊ばせていただいているKPさんの方で回していただけるということでしたので、私も参加させていただきました!


◆KPさんについて

CoCだと毎回KPさんをしていただいているような気がします、我らがフーカさん! 安定と信頼の神KPですね。会場となったココフォリアもおしゃれだし、演出やシナリオ運びも安定感抜群! 特に今回は秘匿も多く、NPCもかなりの数だと思うのですが、円滑に進められている当たりやはり歴戦のKP力を見せていただきました。あれだけのNPCを動かしながら複数同時に秘匿を動かすのは大変だったはず……本当にお疲れ様でした!


◆PLさんについて

今回は4人PL。以下紹介。


◯HO1:紺 紫苑(こん しおん/22歳/男性) PL:シアさん

高スペック生意気新人警官! 弄り甲斐があるなぁ~~!!(HO3視点)

今回はHO1ということで、王道の主人公でしたね。能力が高く、将来も有望な若手の警察官で、自分よりも効率悪い人を見ると年上でも見下すようなところがあってと、HO3とは対極に位置するような警察官でした。


シナリオ中、明かされていくとんでもない爆弾情報の数々にPLが悲鳴を上げていたのをよく覚えています。いい悲鳴でしたね! ただ、その情報を受け止めて徐々に成長していくところが一番でていて、彼がHO1で本当に良かったなと思いました。紫苑くんじゃなかったらこんなENDは迎えられなかったでしょう。最初のころは結構角があったけど、徐々に角が取れてきて、最後の方は今までに背負ってきたものを下ろして、年相応の笑顔が似合う青年になったんじゃないかなぁと見守っていました。

HO2である沙月と徐々に信頼関係を結んでいくところとかまさに王道で、生まれつきアンドロイドが苦手だったっていう所から、実はそのアンドロイドに守られていたところを経て、今度は自分が大切なものを守れるようにと変わっていくのはHO1主人公の歩みで好きです。


今回の大事件を経て、彼らは警視庁に残りドロ課で活躍していますが、きっと遠くない未来その向上心で上り詰め、上から現場を、そしてアンドロイドたちを取り巻く環境を変えてくれるのではないかと信じています。がんばれよ紫苑!



◯HO2:沙月(さつき/-歳/女性型) PL:なしさん

最新鋭アンドロイドだけど一番アンドロイドしてるの最高なんだよなぁ。

HO1のパートナーアンドロイドとして常に一緒に行動していたアンドロイド。ただ、HO1がアンドロイドにトラウマがあるようで、序盤は結構距離感があったり、その距離感をつかみ損ねて妙な衝突(?)が産まれたりしてる凸凹なコンビっていうのが印象的でした。

それが明かされていく衝撃的な事実を前に、二人の関係性が徐々に変化していくのが良く見えて面白かったですね! その流れの中で、本来の自分自身を取り戻していき、アンドロイドとしての沙月から、本来の沙月へと戻っていってHO1と距離と時間を取り戻していく流れが完璧でした。うまくシナリオと会った動きというか、二人とも息の合った動きでRP畳みかけていくのはやっぱエモ。


序盤中盤と割とHO的な情報がそんなに出てこず、終盤から怒涛の如く情報が開示され、最終決戦ではPC達だけでなく世界を含めた命運を握る選択肢を選ばなければならないヘヴィなHOでしたが、きっちりHO1との関係性を築いていたおかげもあり、終焉は回避されました。もしかしたら、有馬たちの元で本当の家族として生きるという選択肢もあったのかもしれません。それはそれで見てみたい気もします。もしすべてが丸く収まる、幸せな世界線があったとしたら。本来の人間として有馬と天城の子どもたちとして、一緒に遊び、同じ学校に進んで勉強をして、帰り道にちょっと寄り道をして遊び、普通に恋をするような世界があったら、それはどんな世界になったんでしょうね……でもそうはならなかったんだロック。だからこの話はお終いなんだ。



◯HO3:戌亥 風我(いぬい ふうが/37歳/男性) PL:とたけ

私のPC。いぇーい飲んだくれタバコ吸いダメ中年オジサン!!

今回はHO1が真面目そうなエリート新人だったので、こっちは元エリートの人生脱落ダメ中年オジサンで対抗しました(?)。

動きとしては、昔はHO1みたいに真面目で熱血なところもあり、優秀な捜査官だったのがとある事件をきっかけに転落し、そこからはだらだらとやる気のない捜査官になった……みたいな感じにしています。私の好きなやつ。


HO3の物語としては10年前が全ての起点で、そしてその10年前に全て終わってしまったような感じ。HO1,2は今に生きててまさに燃え上がる最中なのかもですが、HO3はすでに燃え尽きた灰で、そのくたびれた感じで他のPCに接しています。おかげで新入りのHO1、2には舐められ、HO4からは小言を言われるようなぞんざいな扱いになっております。ぞんざい最高!

基本的には全て“終わった人”なので、先達として新入りであるHO1に助言を与えつつ、あとは本人の気づきに任せる放任主義的な形で接していましたが、HO1,2の活躍とHO4と過去の親友との繋がりに気が付き、HO3自身も今までに取りこぼしていった何かを拾い集めるようになった……といった感じでしょうか。


最終的に、HO3として白瀬恭雅の創った組織スパローを引き継ぐ・引き継がないで、引き継がないを選択したうえで、キョウの理念やアンドロイドたちのこの先を作る組織として新しい組織を作り、再スタートを切る形で残された者たちとかかわりを持つように変化していきました。そういう意味では、HO3もHO1,2の熱を受けて成長していったPCなのかもしれませんね。HO4もデレてくれるようになったので、オジサンとしてはそれなりに満足した再スタートになったのではないでしょうか?


キョウ、お前の守ろうとしてたやつらは、ちゃんと自分で選んで道を進めるようになったぞ……。



◯HO4:四万十川 胡南(しまんとがわ こなん/12歳/男性型) PL:前川さん

HO3のパートナーアンドロイド、少年型の小言と毒づきが得意な少年型アンドロイド!好きなやつ! ロボット三原則で人を傷つけてはいけないはずなんですが、心はその対象外らしい。ちゃんと設計しろ。

HO1,2,3とそれぞれがそれぞれ最初と最後で大きな変化を迎えている中、最後までぶれずに芯を保ったPCだと思います。取り巻く環境は結構変わったんですが、それでも変わらずHO3の傍で毒づいてくれるのすき……


立場的には、ある意味で全HOの中でも特殊で難しいものだったと思います。スパローからのスパイとして警視庁に潜入して情報を得るという綱渡りかつ重要な立場の中、組まされた相棒が飲んだくれ中年ダメオジサンだった時の心境を答えよ(配点20)

そんな中でもきっちりと役目をこなしつつ、警視庁組のPC達からはきっちり信頼を勝ち得ているのが素晴らしい所。HO2とは対照的なアンドロイドな所も、見てみてとても楽しい所ではありました。でも二人は結構息があったようで(?)、アンドロイド同士通信を介してやり取りしている姿もありましたね。

HO3,4はHO1,2のバディとは違った方向のバディで、お互い小言を言いあうし、HO3は暇さえあれば仕事中でも酒を飲もうとするダメ警官で、HO4はそれをみては小言と悪態を付くんですが、それが生活の一部として根付いてるみたいな、昔っからの付き合いだよねみたいな空気感がとても楽しかったです。あのやり取り延々とし続けられる。


しかし少年少女の孤児ニト・リトに、少年型のアンドロイドを拾って配下に加えてたってキョウ、お前……(白い眼を向けるHO3)



◆シナリオについて

時は近未来2050年。高度に発展した社会と科学技術により、とうとう人類は完全な知能を持ったアンドロイドを開発し、それを実用化する段階にまで成長していた。そのアンドロイドの名は「VOID」。人とアンドロイド、その二つが織りなす近未来犯罪捜査シナリオ!


シナリオとしてはそんな感じで、近未来日本が舞台ですね。何気に近未来は初めてかも。人とアンドロイドのバディが活躍する物語が主軸になっているシナリオではありますが、一番注目すべきところは綿密に張られた伏線と、大勢のNPC達やPC同士の関係性ではないでしょうか。

登場するNPCは10人近くおり、そのNPCそれぞれに深く設定が施されています。そしてそのNPC達とPC(というかHO)はかなり複雑に設定が絡んでおり、シナリオを進めていくことで見えていなかった設定の部分が判明していくところが見どころだと思います。それぞれのHOには秘匿情報が設定されていて、その情報を元にPCを作っていく形になるので、必ず指定されたNPCと深い関係性を持つことになります。それはNPCだけではなく、PC同士で深い関係性を持つことになるものも存在しており、この部分が他のシナリオと一線を画すところなのかなと感じました。


秘匿HOを使ったシナリオになると、基本的にはHO1を中心にしたシナリオ展開で、それ以外のHOは脇役……とまでは言いませんが、スポットの当たる量としてはHO1よりも少なくなる傾向にあると思います。VOIDではHO1が物語の主軸でありつつも、HO2は物語の終盤にて一番重要な選択肢を選ばされ、HO3は自身の過去を通じて他のHOなどを先導するリーダーとして、HO4は他のHOにはない特殊性で情報を集め敵対する組織との橋渡しをする役目として……など、それぞれのHOに極めて重要な役割や要件が課されているので、HO1に一辺倒なシナリオという訳ではないところが、大きな魅力になっている部分に感じます。いい意味で全員が主人公、全員に活躍する場面があるというのが、シナリオ側でがっちりと保証されている、といったところでしょうか。


ただしその分、シナリオが長大で走り切るのに膨大な時間がかかるという部分がネックとしてあるかもしれません。今回、私たちはオンラインセッション・完全テキストで約30時間ほどかけて遊んでいます。1本のシナリオとしてはかなり大きく、ちょっとしたミニCPぐらいの規模感だったので、もし遊ばれる場合は参加メンバーと相談して、きっちり日程を合わせないと難しいかもしれません。

また、HOごとに設定された秘匿情報もHOによってはガチガチに固定されるため、作成されるPCの年齢や立ち振る舞い、過去設定はかなり制約を受ける部分があります。その分上記で言ったように、NPCやPCと深い関係性をシナリオ側で保証してくれているので大変遊びやすいのですが、自由にPCを作りたいと思う人や、CoC初心者の人にはあまりお勧めできない面もあります。因みに私はだいぶ好き。



◆NPCについて

このシナリオはねぇ! それぞれNPCにクソデカい感情を抱きやすいんですよぉ!! というのを描いた部分。


◯黒田さん

いい人そうに見えて実はヤバそうでやっぱいい人説。いともたやすく人の感情をもてあそぶんじゃない。

なーんか最初はとっつきにくそうな頭の固い制服組筆頭です。みたいな顔してたのに、話が進めば進むほど黒田さぁん!!!!ってなるマジック。

HO1の育ての親として実はHO1とはかなり深い関係にあったりするのですが、他のHOはそんなことは知らなかったりするので、中盤まではタダの上司だと思ってました。すみません。実は裏で糸引いてる悪い人かと思ってました。ごめんなさい。

途中で赤星くんに刺される形で退場し、最後にアンドロイドとしてよみがえらせることもできるがどうするね? とHO1にゲス外道な選択肢を与えるために再登場します。かわいそうなHO1……かわいいね。でも黒田さんとはもう一度話がしたかったよ、今度は居酒屋で、下戸なあなたと一緒に酒でも飲みながら、新しく入った新人について語りたかったです。うぅぅ……。



◯赤星&イチハ ペア

おいおいなんか生意気そうなショタと目つきの悪いイケメンが出てきましたね。好き。

顔のいい奴は裏切るって鉄則でもあるんですかね、裏切られました。HO1からしてみればお兄ちゃんみたいなポジションでいままで一緒に過ごしてきたというのに、そのHO1を殺すために現れるなんて、HO1を地獄に送るためだけに遣わされた天使の一人。HO1もその中の人もうわぁぁぁあってなってるところが見れてとても楽しかったです。最高。

HO3としては普通に同僚として仕事をしていたこともあったでしょう。今後、HO1の指導はお前に任せるぞとか、そういう話もしてたかもしれない。それがこんな形でお別れになるとは、残念でなりません。それはそれとしてこちとら警官なので、無慈悲に逮捕or処罰するのではありますが、そこはきっちりHO1がうまいことやってくれたのでよかったかなぁというところ。最後のシーン、彼もまたいろいろと自己矛盾を抱えた状態でHO1に接していたというのが描かれて、でももう時は巻き戻らないのよね。という気持ちでいっぱいでした。

さて、ここまでは良い話だったんですが、そのすべてを爆破していったのが生意気ショタイチハ。どうやらいいところの成分を全部赤星に吸われちゃったのか、生意気爆破ドロイドとして登場。白瀬を巻き込む形で爆破したり、最後の最後で復活して現れまたしても往く手を妨害したりと、良くも悪くもアンドロイドらしく振る舞ってくれました。素晴らしい少年型の固体でしたので、是非確保してラボ送りにしたかったのですがそういえばどうなったんでしょうかね? ただ個人的には分かりやすく振る舞ってくれて結構好きなNPCでもありました。世界線が違えば、また一緒に仕事をしてたかもしれません。



◯青木&レミ ペア

神。それ以外に言葉はない。

最初なよなよしてる子だなぁと思っていたら、一番精神タフネスかもしれない。しかも純真な正義感をもっており、PC達に随伴して様々なサポートをしてくれる……此奴が実は真のチクタクマンで、この一連の騒動を一番近くで見たいがためにPC達に接触してきたといわれても信じる。

最終的には警視庁に居場所をなくし、レミと一緒にスパローサイドに移動してきました。ウェルカム!!! これからもHO3,4は青木・レミペアと一緒に愉快に楽しくアンドロイド救済のための手段を考えていきます。HO1,2くん見てるぅ~~~??(ビデオレター送付)



◯黄海&シロウ ペア

犬好きに悪い奴はいないんじゃねぇのかよ!! 神は死んだ。

というか、悪い人かといわれたら別に悪い人でもないような気がしてきました。何気にほとんど接触する機会がないまま衝撃の事実を渡されての登場。私がお前の姉だ。嘘だァ!!(事実)

滅茶苦茶有馬よりで、HO2のことをあまり理解できていなかったというのが大きな救い(救われないともいう)だったのかもしれません。もしこれが、めっちゃ説得力のある言葉でHO2を丸め込んできていたらと思うと恐ろしいですね……完全な悪とは言えず、有馬の創造する世界の礎のために消費される悲しき定めだったのか……。

もしかしたら、HO2と仲良し姉妹で登場して、妹の彼氏であるHO1を弄り回す世界線があったかもしれない。辛いなぁ。



◯有馬博士

The黒幕。いろいろやりたいことやっちゃって、大変なことをしでかしまくった張本人。完全に犯罪のない世界を作ろうと、全人類をアンドロイド化する野望を胸に、チクタクマンの力を借り受けて計画を推し進めてきたすごい人。というか、既にその精神は破綻している可能性が高い気もしますが……。

しかしちょいちょいミスをしたり、HO1を殺し損ねちゃったりとポカを重ねたおかげで盤面をひっくり返されてしまいました。詰めが……詰めが甘すぎるよ博士! いや、最後までがっちり詰められたら困るんですけどもね。

瀕死の重傷を負ったHO2をアンドロイド化してまで生き残らせたのは家族ゆえの愛情なのか、それとも計算づくだったのかは今となっては分かりません。まだ無事だった黄海をシン・チクタクマンの核として捧げるぐらいだったので、少なくとも今は廃人なのかもしれませんが、かつてのその時はまだ人の心をわずかに残していたのかもしれません。もしくはその時に心を壊してしまったのかもしれませんが。

ある意味で、人の身でありながら機械の心を宿してしまった張本人で、このVOIDというシナリオにおけるPCの対比となる人物なのは間違いないでしょう。いい悪役だったぜ博士……。



◯天城博士

すまないが時間がないので手短に、とわざわざホログラムを投射してまで言ってきた超科学者。そしてHO1の実の父親。その技術力を有馬博士に奪われる形で今回の大惨事を引き起こしてしまった元凶の一つ。そもそも博士がちゃんと表舞台に立っていればこんなことは回避できたので、ある意味では技術を作った責任を放棄したことよってしっぺ返しを食らった人ともいえるのかも。ちゃんと自分の創ったものには責任を持ちましょう。

実際に出会ったことはないので、ホログラムごしでの人物像になりますが、意外とノリがよさそうだなぁといった印象。なんてったって子どものころ描いたロボの絵を元に巨大ロボを作って緊急時の為の戦力にしてる人だもん。どういうことだよ(大混乱)。しかしそこかしこに見える子煩悩な部分から、有馬とはまた違った印象を受けますね。ただ、両者ともにマッドサイエンティストなのは否めないが。できれば生天城と生有馬の二人のコンビが語り合ってる様を見てみたいです。あの二人、どんな会話をするんでしょうね……



◯白瀬恭雅

キョウ!!!(クソデカ感情を患ったHO3)

HO3,4に深いかかわりを持つ人物ですね。大体お前のせいでHO3はこんなことになった。反省してほしい。

10年前の独断専行のツケを払う形で警察から離れ、何をどうしたかテロ組織のリーダーになった男。実情は大きく異なりますが、実際違法行為はしていた。スパローを組織し、アンドロイドの為と言いながらも犯罪行為を重ね、社会的に悪の組織になっちゃったので結果的にアンドロイドにとってマイナスの印象しかないのではないだろうか。ミイラ取りがミイラになったら洒落にならないのだが。

しかも多くの構成員を残したまま、自分ひとりかっこよく先に逝ってしまった。ほんとに、勝手に進んで、勝手にえらいものを残していきやがって……こころちゃんのこともどうするんだよ、キョウ。

今回はHO3はキョウの組織したスパローは引き継がず、新しくアンドロイドが社会に共生できるような組織を再結成する方針で動いています。スパローのままだと悪評が強すぎるので、看板変えて頑張ろうねって話。……ではありますが、単純にキョウの遺した言葉をそのまま実行するのが厭だったというHO3の我がままでもあります。お前の言うことは絶対に聞かねぇからな、キョウ。

お前はいつも先に進むが、今回ばかりはオレが先に行かせてもらう。草葉の陰から指をくわえて、オレたちが進む先の世界を悔しそうに眺めてるんだな。キョウ。



◯白瀬こころ

さて、白瀬恭雅が死んだあとマジでどうしようかとしばらく悩まされました。だってこの後、絶対にこころちゃんと出会うと予感があったんだもの。案の定出合い、彼女を停止させて世界を救うか、世界を棄てて彼女と共に生きるか。みたいな選択肢が登場しますが、事実上択が一つしかないので彼女を停止させてでも世界を救う選択を行いました。というか、アンドロイド化されているので、スタックさえあれば再起動も可能だろうというHO4の機転によって救われた感じです! 

「今までの記憶を引き継いだ完全に別の個体が現れたとき、それは今までの個体と同じものだと言えるのか?」みたいな某有名な思考実験みたいになりましたが、私はそれは定義の問題であって、今回のケースであれば同じ固体であると心の中で回答をしています。厳密な話をすれば、人もアンドロイドも物質で構成された物である以上、それを構成する細胞・分子は常に変動しているため、次の瞬間には異なる存在と言わざるを得ません。同一の固体なんてものは、この世のどこにも存在していないわけで、それなのに人間が人間を同じ固体と識別しているのは、結局のところその役割と対象の記憶が変わらないだけであるため、同じような形で全く同じ記憶を継承しているのならば、それはもう本人と言っても過言ないでしょう。逆に本人でないと言い切ることもできませんしね。

この後、HO3とこころちゃんはパートナーアンドロイドとして契約を結ぶことになりました。こころちゃんそれでいいのか……? とHO3は思いつつ、キョウのことを思い出して非常に複雑な気持ちになっていました。こころちゃんの気持ちに何となくは気が付きつつも、それを口に出せないのはキョウのことや、過去彼女を守れなかったことに後ろめたさがあるためかもしれませんね。でも、その後の話はきっとここで語られる話ではないのでしょう。


◯ニト・リト ペア

おやおやおやおや、随分とかわいらしい子どもたちが登場しましたね。片や天才的な機械技術を持ち、片や類まれなコンピュータの操作技術をもつ……とても興味深い。ぜひとも、新生したスパローに来ていただきたいですね。

見た目も性格も大変好きなNPCが二人も登場しました! わーい!! とか思ってたら彼らの両親について滅茶苦茶嫌な情報がお出しされました。わーい……

HO3がスパローを継承(今回は新生だけど)したのは、実際のところキョウの言葉というよりかは、彼らの存在の方が大きかったりします。今回の一連の事件、居場所を失ったのはアンドロイドだけではなく、ニトやリトのような孤児なども見えていないだけで相当数存在するはず。ただでさえ感情を消去する薬が町中に散布されて、都市は大混乱に陥り、それで発生した死傷者も少なくないでしょう。そのためにそう言った者たちを保護し、傷を癒して社会へ復帰させる。そういった組織を新たに作るためにHO3は警察から離脱しています。


いつだったか、HO1に「刑事として何を一番優先すべきか?」という問答を投げたと思います。これに正解はありません。ただ、HO3は「被害を受けた被害者の保護」と答えを持っています。かつてのHO3は白瀬恭雅と一緒に、独断専行してでも犯罪者を追い詰めようと、無茶な捜査をしていました。見えない犯人の虚像を追いかけ、無茶な捜査を重ねた結果、本当に見るべきだったHO1,2のような被害者を見落とし、守るべき存在だったこころちゃんも守れず、上層部からの介入によって警察組織から追い出される寸前まで行きました。その時の痛みを忘れないために「被害を受けた被害者を保護」することを最優先にして彼は動いています。ここらへん、何か幕間書けたらいいな……。


何はともあれ、HO3はきっと彼らのような孤児や居場所を失ったアンドロイドがいなくなるその時まで、彼らの支援をやめないでしょう。そしてそれが本当に終わった時、再び警察官として舞い戻るかもしれません。まぁいつになるのか分かんないけどね!



◆最後に

本当に、濃密な1か月でしたね……回して頂いたKPさん、本当におつかれさまでした! かなり話題になっていたシナリオでしたので、Twitterとかで見かける機会は多かったのですが、今回参加できてとてもよかったです!


そしてこちらのシナリオ、なんとBoothで公開されているのですが、何ということでしょうまさかの無料公開となっております!! 是非皆も読んで回してみよう!!


https://booth.pm/ja/items/2907962


そんなこんなでやはり神卓だった今回。いつもこれ言ってますけどマジで神卓だったんでもんしょうがないじゃん。KPのフーカさん、そしてPLの皆さまもおつかれさまでした! 楽しい卓をありがとうございました!!

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