Call of Cthulhu(7th)

CoC7th_「風の又三郎」

※この感想記事には、シナリオ「風の又三郎」の重大なネタバレを含みます。2022年9月18日、24日、10月1日、8日、22日、29日に行われたセッションの感想記事です。


CoCの第7版! 地味に7版、参加する機会がなくこれが初めての7版PL参加だったりします。6版に慣れ過ぎて7版やるとちょっと脳がバグりますね。6版の気分で7版のSIZとか聞いた日には一瞬固まります。しかし今回のシナリオでいろいろと経験値を摘むことができたので参加できてとてもよかったです!


◆KPさんについて

我らが安心と信頼のフーカKP。ここ最近はCoCで良くお世話になっております。今回もCoCのKPをして下さっていて、いつも通りの安定感と神回しでした!

これまでの卓感想でも同じことを言って来ているのですが、場面対応力が圧倒的ですね! シーンの見せ方、BGMのチョイス、こちらの欲しいものが全て瞬時にお出しされる超対応能力。超能力者かな? 今回は学内が舞台になってはいますが、学内(都市)なので何気普段以上に変化球の弾が飛んできても不思議じゃないのに、全部用意されているのは不思議というかもはや恐怖です。素晴らしい……


◆PLさんについて

今回のシナリオは4PL+KPCとなっています。PL陣は結構いつものメンバーになりつつありますね!


◯PC:蟹原 海子(かにはら うみこ/16歳/高校生/女性) PL:ことさん

カニパン大好き蟹ちゃん!!

いつも明るくにぎやかで、周囲のムードメーカーな海産物系ガール。定期的に来る蟹ジョークというか蟹トークめっちゃツボです。一番小柄ということもあって、皆の妹みたいな感じのかわいさがあって好き……全員同級生なんですけどね!

今回のシナリオではかなり積極的にNPCである風野ミツハに関わっていました。この4人の中なら一番の親友って感じの印象ですね。同室で物理的に距離が近いとかもありますが、精神的な近さも一番なんだなぁって思いました。後述されるもう一人の女子鷹司があんな感じなので、ミツハちゃんとの距離が近くて、その分彼女といる時間は一番長かったのかも? だからミツハちゃんのことをすごく心配してましたね。彼女への気配りもすごいし、同室が蟹ちゃんみたいな子でよかった……。

最後のシーン、風野ミツハの処遇を決める時に一番つらそうで……すまぬ、他に良い方法が思い浮かびませんでした。この物語のあと、4人の関係性がどうなるのかは定かではないのですが、蟹ちゃんとミツハちゃんの仲は変わらず、ずっと仲良くしていてほしさがありますね……!


◯PC:鹿島 優登(かしま ゆうと/16歳/高校生/男性) PL:ベーゼンさん

山の神降臨。その名は鹿島。

ちょっと雰囲気暗めなところもあるけど、やる時はきっちりやる。山に愛され山を愛した男。街中での判定はやや苦手な感じでしたけど、なぜか山に踏み入ると山補正が入るのか滅茶苦茶ダイス目が良くなる山ボーイ。その圧倒的な運命力でクリティカルを引き寄せまくる。つよい。

蟹ちゃんと土岐くんが結構いけいけな感じな分、一歩引いて冷静に見通してる感じがありましたね。さすが狩人といったところでしょうか。ただ心の奥底では風野ミツハを救いたい、助けたいとちゃんと熱い所もあり、それに振り回されないだけの強い精神力を持つ。そんな感じでとても好印象でした!

土岐くんと男子二人で行動するときの掛け合いが個人的にとても好きでした! あぁ~~男子学生だ! 男子学生がいるよここに!! って感じのトークで見ていてとてもにやにやできる……男子女子で別れて行動することも多かったので、そういう所がいろいろ見れて楽しかったです。男子学生二人組からしか得られない栄養素があるんだよ……!!


◯PC:土岐 大地(とき だいち/17歳/高校生/男性) PL:シアさん

殺人バッター土岐くん、プレイボール!!

鹿島君とは正反対といってもいい、滅茶苦茶明るい陽キャ。野球部所属。めちゃノリが良くて常に爽やかな風とか吹いてそうな高校球児。最後の決戦では鹿島君の投げたモリブデンを持ちこみの金属バットで打ち込んだところ、イクストリーム成功を引き出し最終的に24点という驚異的なダメージをたたき出して黒幕である高田先生のMPを葬り去りました。24点、対戦車ライフルの最大値とかと同じぐらいだったので、人に打ちこんだら粉になりそうですね。【被害を逸らす】の魔術があってよかったね先生……。

めちゃ陽キャでいけいけな所があり、属性的には蟹ちゃんにかなり近いのですが、高い言いくるめ能力をもっているところが土岐くんって感じですね! 今までもなんやかんや問題起こしても言いくるめで何とかしてきたんだろうな……と想像できてとてもいい! 逆に蟹ちゃんは知らない間に問題に巻き込まれたり、問題を起こしても周りが自然と許しちゃってそうな雰囲気がありますよね(個人の勝手な幻覚)

土岐くんとは結構行動する機会が多かったような気がしてますが、ちゃんとした野球勝負をする機会は訪れなかったので、この物語のあとみんなで草野球をしていたりするのかもしれません。持久力勝負なら負けないぜ!!


◯PC:鷹司 悠希(たかつかさ ゆうき/16歳/高校生/女性) PL:とたけ

耐久MAX、CONの化け物鷹司。自PCですね。

ステータス割り振りが一部許可されているレギュレーションだったので、元から高かったCONに全部降ってみたネタステータスキャラ。CON100は明らかに過剰!! まだDEX100の方がいろいろと有用だと思います。

今回はクールなお嬢様系キャラクターという、普段全然やらないタイプのキャラに挑戦したところ、ぶれっぶれの迷走キャラになりました。序盤~中盤後半ぐらいまで方向性がめっちゃふわついてんなこの子……やはり慣れないことはやるものではないと、中盤の終わりごろからは人の心を捨て去って、合理性を追求した冷徹よりのキャラにすることで安定しました。それはそれでどうなんだ。

セッションの最中にも言っていましたが、鷹司としては自身と周りの人の安全が第一であり、それに対して危険因子となる風野ミツハについては神話生物であることが確認され始めた序盤の終わりごろからかなり警戒していました。中盤あたりでミツハちゃん自身が悪意を持っていないと判明してはいましたが、そのころには純粋に人ではない存在に対して脅威と恐怖を感じています。ミツハに対してとても好意的な周りのPCにも、なぜそこまで好意的になれるのか疑問を抱くほどには、人を超えた存在である風野ミツハを危険視していたのは間違いありません。一歩引いた立場で見ているという所では、鹿島君と同じような場所にはいますが、その心の奥底には風野ミツハを助けてあげたいという感情はなく、目の前の存在が危険であり、彼女に対する感情で一番近いのは恐怖です。

一番最後、風野ミツハの退学を宣告された時、彼女を生徒としてではなく単なる研究対象として学園内への保護……という名目で隔離したのも、根底にある恐怖からそうしている部分はあったのかなぁと思いました。もちろん、彼女を研究すればこれまでにない技術や知識が得られるという合理的な打算もありますが。なんにせよ「可愛そうだから」「一緒にいたいから」なんて優しい理由ではなく、単にこんな危険な存在を外の世界に出してはいけないという想いから理事長に進言しています。そしてこの物語が終わった後、もし必要であれば風野ミツハを封印であったり、もしかしたら消滅させるための手段を講じ、理事長と共に葬り去ることもあるのかもしれません。

風野ミツハを心の底から友達として思うときが来るとすれば、彼女の神性を剥ぎ取り、本当の人として迎えたとき鷹司悠希という人間は、初めて心の底から彼女のことを迎え入れることでしょう。


◯KPC:熊谷 ノア(くまや のあ/17歳/高校生/男性) KP:フーカさん

くまーー! 天才的芸術家。KPフーカさんのPC、KPCというやつですね。

立ち絵がかわいい……なんというかふわっとした喋り方が聞いているとどんどん癖になっていく。名前はクマだけど温厚でのんびりとしてそうな印象でしたね!

シナリオ的にはPC達の案内役として活躍してくれて、ものすごい広さの学園内を案内してくれたり、七不思議の謎を解く手伝いなど結構広範に活躍してくれていました。めっちゃありがたい、かわいいし。

そのほか結構RPで絡んだり、猛々しく馬に乗る鷹司ナポレオンの絵を描いてくれたりと割といろんなことに乗ってくれる感じが楽しかったですね! またどこか、別の卓でも会えたらその時にまた絡みましょう! かわいいし!!



◆シナリオについて

「先端教育特別区域ニラトルフ」と呼ばれる、人里離れた山奥に造られた学園都市を舞台にした物語。かなり広大な規模の学園を縦横無尽に遊びつくせる、半クローズドシナリオとなっているようです。そのあまりにも膨大な広さは、一個のサプリメントとして機能するレベルで細かく設定されており、ダブルクロスでいうとこのステージ集みたいな感じで運用も可能! 最強か……??

またシナリオタイトル通り、宮沢賢治の作品である「風の又三郎」をモチーフにしており、作品内のイメージや言葉、描写などが色濃く反映されたシナリオになっているのも大きなポイントですね!


シナリオについて個人的な感想を正直に、そして誤解を恐れずに申し上げれば、割と人を選ぶシナリオかな? と思いました。


とてつもない完成度のシナリオで引き込まれるのですが、その分情報量がすさまじく、しかも情報を元に推理する部分が多いので、情報の参照やキーワードの特定に時間がかかります。そして何より、シナリオのかなりの部分に謎解きリドルが用意されており、これを解かなければ進むことができない仕組みになっているので、リドルが苦手な人にはお勧めできません。実際、今回のセッションは結構長い時間やっていたのですが、かなりの部分謎解きに時間を使っていたと思います。私はリドルが苦手なので、もっぱら詰まった時に【アイデア】を振る要員でした。いえーい!!


ただ、前述している通りもはや異常なまでに舞台設定が細かくされており、「風の又三郎」という宮沢賢治の原作を、うまくクトゥルフ神話の世界と融合させたシナリオで、完成度は常軌を逸しているっていっても過言ないぐらいの作りこみでした……なんて恐ろしいシナリオなんだ……。


シナリオとしての大きな流れは、宮沢賢治原作の「風の又三郎」と同じ物語となります。原作の流れは以下の通り。


谷川の岸の小さな小学校に赤髪の転校生が現れ、村の子どもたちはその転校生と交流を深めていく……しかしその転校生は少し変わった子で、風を自由に操るようで気味が悪い。しだいに村の子どもたちはその転校生を風の神様の子どもではないかと疑念を抱く。その間にもいろんな刺激的なイベントが発生し、最後には転校生は風のように去っていく……。村の子どもたちから見た心象風景を現実と幻想の交錯として描いた物語(Wikipedia談)。


この赤髪の転校生というところに、本シナリオのメインヒロインである「風野ミツハ」という少女が当てられ、村の子どもたちの中にPC達が入ってきます。TRPGのシナリオ的には、この風野ミツハという少女を軸にしたシナリオで、ある意味真の主人公は風野ミツハ、という風にも見れるかもしれません。この風野ミツハという少女は、イタクァと人間の間に生まれた「風の落とし子」の変異体であり、つまるところ神話生物という位置づけになっています。

こんな風に、原作である「風の又三郎」と「クトゥルフ神話」の世界観をうまく融合させて新しい物語にしているのがこのシナリオのとんでもなくすごい所! とてもラフな言い方をすると風の又三郎の二次創作、みたいな感じなのかもしれません。原作の「風の又三郎」は現実的な描写と幻想的な描写が入り乱れていて、それが宮沢賢治らしさとして評価されている(と勝手に思っている)のですが、その幻想的な部分にクトゥルフ神話的解釈を行って、うまくシナリオとして成立させているのがとんでもねぇシナリオだな……と思いました。

私もたまにシナリオを作ったりしますが、もともとある物語に別の解釈を行って、元の雰囲気やエッセンスを損なわずに物語を作るのはとても難しいと思うのです。それができているのですごい。すごいやばい。やばい。


ただ結果としてものすごく情報量が多くなり、シナリオ中に原作「風の又三郎」のことをNPCが語り、それに付随した情報と謎解きが現れるので、更なる大混乱を引き起こしたりもしていました。謎解きも、最初の方の謎解きと、次に現れた謎解きを組み合わせて……とかなり凝っていて、ぶっちゃけ私は何が何かよくわかってはいませんでした! へへ。かなり探索漏れがあったの様子で、高田先生によってイオドが招来されてるらしく、そこに黒幕(=高田)がいるらしいとのことを聞きつけ、なんやかんやで謎解きは解き、とりあえずイオドの世界に殴り込み、黒幕であった高田先生をぶちのめすことで事なきを得ました。

最終的に暴力はすべてを解決する(した)。とりあえずボコって吐かせりゃいいんだよと原始的解決に出てしまった……。ミイラ粉とかいろいろ情報がありましたが、とりあえず全部高田が悪い、ということで剛力解決してしまいました。パワー。

高田は高田で、自分の愛した女性を襲ったイタクァに憎悪を抱いていたらしく、それに対して戦いを挑もうとしていたようです。見方によっては彼もまた、被害者だったのかもしれません。といっても氷見野さんはあまり高田のことを意識してなかったみたいで、どうやら一方的な片思い(というか妄執)な気もしますが……。

高田先生が単独でイタクァに挑むのは、どう考えても無謀というか入念な自殺だとは思いますが、イオドを呼んだり風野ミツハを裏で操っていたのも、打倒イタクァのためであり、結構人外じみた能力を有していましたね。実際あのまま放置して置いたらイオド完全復活からのイタクァVSイオドの大怪獣バトルが見れたのかな……? それはそれで少し見てみたい気もします。学園滅ぶけど。


この物語の跡、彼らはどんな道を歩むんでしょうね。風野ミツハは、学園の管理下という制約はありますが、変わらずPC達と接してくれる気がします。蟹ちゃんあたりは寮からでてミツハちゃんと同じ建物で寝泊まりする!! とか言いだしそうですね。例外は認めないよ、と吉田先生とか理事長当たりに窘められつつ、一緒に生活するために、研究者としての道を歩むとかそういう未来もあるのかもしれません。

鹿島君は吉田からゲットした散弾銃を隠し持っているわけですが、それからちょいちょい吉田先生に呼び出されては、学園の森林に潜む「危険な生物」を管理する側に回るのかもしれません。山補正がはいるでしょうし、しっかり仕事をこなしてくれそうな気もします。時折、平泉先輩とかみんなを呼んでジビエとかBBQしたさがありますね! ほんとにこれ食べても大丈夫な肉? って聞きたい。

土岐君は念願の野球部に入部して、これから部活・学業・そして研究の3本建てでひぃひぃ言ってそうな未来が見えます。ただなんやかんやで可愛がられるキャラだと思うので、部活も学業も非常にうまく立ち回って回していきそう。ミツハちゃんを加えたニラトルフ草野球チームを結成して、圧倒的な強さで全国の草野球チームを震え上がらせるのはまた別のお話……(強めの幻覚)。

鷹司は、今回の件で人間とは異なる生物と魔術と呼ばれる法則を知ったおかげで、さらに深みにはまっていきそうです。風野ミツハの研究についてもかなり積極的に取り組んで、神性の除去やそれに伴う技術の確立を急がせそう。これがうまくいけば、氷見野さんの異常体質を緩和して、親子の対面ということもできるのかもしれません。それはそれとして、ちゃんと財政管理して研究で益がでるよう、学園側とコントロール争いになる未来も見えてきますね。そういう所はしっかり手を抜かないのだ。

熊谷君は鷹司ナポレオンを作成してもらった後、いろんなナポレオンを描いてほしいですね!! 切実に!! お前らも美術史に名を残すがいい!! 怖いのがそれらの絵が学園内の美術室とかで普通に展示されそうなところ。ノア君笑顔でやりそうで怖いぜ……! その後、偉大な芸術家になって今回のことを絵に描いたりして後世に残していったりしたら、またいろんな話に繋がって面白そうですね!


舞台設定が滅茶苦茶しっかりとしているので、こういう妄想も捗る捗る……。興味のある方は是非、「先端教育特別区域ニラトルフ」への転入届をゲットしてみてください! なんとこちら、boothで販売されておりまして!(いつもの販促)


https://noyf.booth.pm/items/4022238


皆も是非、ニラトルフ学園で七不思議を解いてみよう! 私はリドル苦手なのでお願い【アイデア】に頼ったけどな!! やさしいKPさんで助かりました……!


と、こんなところで。改めましてKPをしていただいたフーカさん、そしてPLのベーゼンさん、ことさん、シアさん、おつかれさまでした! 結構長期の卓となりましたが、とても楽しく遊ばせていただき感謝! 本当にありがとうございました!!

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