CoC_6th「5W1H」

※この感想記事には、シナリオ「5W1H」の重大なネタバレを含みます。2022年8月7、21日に行われたセッションの感想記事です。


久しぶりのCoC! 実は大体同じような日程で行われていた「星の吸血鬼にさよならを」よりも前からスタートしていたセッションでしたが、今回無事にゴールを迎えることができましたので、その喜びと悲しみとその他いろんな感情をぶちまけに来たというお話です。


◆KPさんについて

最近よく卓をご一緒させていただいておりますシアKP! ちょいちょい別システムで同じくPLだったり私がGMだったりと遊ばせていただいておりますが、今回はCoCでKPさんをしていただきました! とても丁寧! ココフォリア部屋の作りもそうなんですが、キャラの所作や周囲の描写が細かくて、その場の状況が良く伝わってきます。それでいて茶番にも対応可能という高スペックKPさん。圧倒的信頼。

今回「5W1H」を回すのは初めてと聞いていましたが、たいへん楽しく遊ばせていただきました! 感謝!!


◆PLさんについて

今回の「5W1H」は2PLでのシナリオのようで、一緒に死地へと赴く相棒は、こちらもいつもお世話になっておりますベーゼンさん! ん……つい最近も同じようなことを言ったような。詳しくは「星の吸血鬼にさよならを」の感想を読もう!



◯PC:古谷 早香(ふるたに はやか) PL:ベーゼンさん

職業:雑誌記者/25歳/女性


クールで賢い大人の女性、それでいて一人称がボクという破壊力を秘めたキャラ。ベーゼンさんのPCって割とフレッシュというか、学生キャラとかで活発なPCが多い印象だったので、大人の女性でクールな感じっていうPCは珍しいですね。


カーチェイスのとき発煙筒なげて相手の妨害したり、サイトに答えを入れるとタイムリープすることを悪用して焼き肉屋で無銭飲食したりと、咄嗟の機転はクールでクレバーな女性を見事に体現していてめっちゃ好きになりました! ただ時折見せる不意打ち的な可愛さというか、素みたいな部分がでちゃうのが大変キュート。

時折悪ふざけでパスタの代わりにうどん注文したり、焼き肉食べてたはずがうどんになったり、大切にしていたどん兵衛の専用容器が投げ捨てられたり、やっぱり鼻からうどん出させられたりと妙にうどんに拘って絡んでくれたの超楽しかったです! KPものってきて危うくうどん卓になるところだった……もしかしたら真の敵はうどんなのかもしれない。

そんなクールな感じなんだけども、ちゃんと相手のことを考えて発言していて(ただし鷺島のことは除く)慰めの言葉や、相手の挙動や立ち振る舞いをすごく細かく見てる部分はほんとに記者って感じがしました。守井 友加里が二人の写真に『償い』って着けているところから、自分自身が事件の犯人であることから、周りの笑顔の輪には入れない、だからツーショット写真になっているんじゃないのかと見抜いて彼女に優しく伝えるところとか鳥肌立ちました……さすがというか、やっぱキャラの奥底を見抜く力が凄いんですよベーゼンさんは。マジで!


今回も実はセッション前から幕間を投げ合っていて、同じ大学の写真部に所属していた同期って設定を練り、当時からの腐れ縁という形で今回のセッションに臨んでいます。それがもうエモくってね……お互いもう知らないことはないってぐらい知り合っているので、皮肉には皮肉で返すし、それを笑って済ませる仲っていう大変美味しい関係で挑むことができました。

写真部に所属していた時から、鷺島は古谷のとる写真について「とても面白い写真をとる奴」と思っていて、腕を磨けばいい写真家になると思っています。被写体選びがいいというか、センスが優れているって感じ。多分流行や周りの求めているものを敏感に察知する部分をそう評価しているんだと思います。逆に鷺島はそこらへんは自分の好きなものしか撮らないタイプなので、そういう部分は素直にすごいなコイツって思ってるんじゃないでしょうか。


なんだかんだで鷺島は古谷のことが好きなんですが、好きって言っても学生みたいに恋愛的な好きとは違って、仕事や性格、今までの付き合いっていう積み重ねの上にある好きって感情なのが大人の雰囲気を醸し出していたのかなぁと思いました。一言で言い表せない関係、いいよね……。



◯PC:鷺島 恭介(さぎしま きょうすけ) PL:とたけ

職業:フリーカメラマン/25歳/男性


ずぼらで意地汚い悪い大人。いえーい私の好きな分野! 飄々としていてつかみどころない、それでいてずぼらなんだけどちゃんとやることはやる。そういうだらしないんだけど通すべきところはちゃんと通す大人です。でも悪い事を平然とできちゃうタイプでもあります。性質が悪いのは、自分が悪い大人であると自覚アリな部分ですかね、なのでまったく悪びれません。


基本的にはチャチャをいれつつ、相手から情報を引き出したり引きだせなかったりとふわふわした感じだったのかなぁと思っています。おちゃらけた感じで、このループする世界で異様に緊張感が出ないようにふざけつつも真面目に探索する探索者でしたかね。

古谷と守井の二人のおかげで、なんだかあちこちでうどんを食べたり容器を投げられたり、大切な愛車がぼっこぼこにされたりと不憫な目に合っていましたが、そういうのを含めて許せちゃう関係性があるのが腐れ縁の強い所。お互い、許せるラインを知っているのでそこまでぐんぐん踏み込めちゃう関係性強いですね……。

物語終盤で、守井に対して滅茶苦茶辛辣なことを笑顔で言う悪い大人な一面が放出されました。ごめんね守井ちゃん……。ただ鷺島としては「その選択肢は、君が決めなきゃ絶対に後悔するよ」って背中を押してあげたかったんですよね。ただひねくれた悪い大人なので、そんな台詞は素面では言えません。なので煽る感じで背中を蹴り飛ばしました。もし自分ひとりだったら絶対にやっていませんでしたが、古谷っていう信頼できるバディがいたので、あとのフォローを任せて心置きなく守井ちゃんの心に踏み込みまくったという感じでした! こういうこと学生時代もやってそうだなこの二人……。


このセッションが終わった後は、鷺島と古谷と守井ちゃんの三人でなにか美味しいものを食べに行ってるかもしれませんね。将来の偉大なる編集長と写真家先生を祝して! とか勝手に盛り上げて、わいわいやってくれると思います。あ、自分はやきうどんで。


なお、一番最後の夢の世界の滅亡でSANチェックにも耐え、最後の言葉をサイトに打ち込んで生還しました。その時の言葉は『この世界に現実はなく夢でできているのだから』でした。

いとも簡単に破壊される街を見下ろし、日常の裏に破滅的な、宇宙的恐怖が潜むことを理解してしまった鷺島にとって、もはや現実に存在するものなど、夢にでてくるあやふやなものと大差ないと思えたのかもしれません。目を閉じて、再び瞼を上げたとき、そこに映っているものは本当に現実に存在するものなのでしょうか?


我々は夢と同じものでできていて、我々の儚い命は眠りと共に終わるのかもしれないですね。



◯NPC:守井 友加里(もりい ゆかり)/雁森 唯(かりもり ゆい)


このシナリオにおけるキーパーソンにして黒幕。ていうかめっちゃ立ち絵がかわいい! こんな後輩いてもいいんですか……?

生い立ちを聞けば聞くほどに可哀そうになってくる子。小さなころにお父さんを亡くし、奇妙な手稿によって狂わされた母親と、壊れかけの家族を繋ぎとめるため、母と同じく神降ろしへと走り、そして災厄を引き起こしてしまった。なんということでしょう……。

しかも自分のせいで、大切な妹までも失ってしまい、災厄が引き起こされた渦中で、大切な友人でもあった探索者たちの精神だけでもと、夢に捕らえていたというハードコアな人生を送られています。


自分自身、その選択が本当によかったのか悩み、罪悪感に押しつぶされそうになりながらも、理想的な夢の中でまどろみ続ける選択肢も悪くはないと思ったりもしていたりと、かなり迷走していたようですね。確かに、その立場になったらそうかもしれない。

そして、物語の終盤で私はどうしたらよいのかと探索者たちに聞いてくるわけですね。もう私にはわからない、選べないと。鷺島はこの時、かなりむっとしたんでしょうね。同じ立場になったとしたら、迷いもしよう、嘆きもしよう、狂わずにいられたのが奇跡といってもいいだろうと。ただ、その選択肢を他者にゆだねてはいけないのだと。本当に償いを求めているのなら、その償いを他者にゆだねるようなことをしてはだめだと。なぜなら、それをしてしまったらきっといつか後悔する日が来るだろうから。また新しい償いの形を求めて、いつの日か同じことを繰り返すでしょう。


そんな選択肢をしてほしくないなぁと思った鷺島は、にっこり笑いながら精神攻撃を始め、彼女を煽り、自ら生きて償いをする選択肢を握らせて、あとは古谷のフォローを見て満足げにうなずいたのでしたとさ。



◆シナリオについて

うっひょーーーこれが話題の「品口凸凹」様作成の「5W1H」かぁ!! と喜び勇んで遊びに行ってきました! めっちゃSAN減る!! なにこれ!! と開始30分ぐらいでビビっていました……! 流石に途中らへんから、「いくら何でもSANチェックが厳しすぎないか……? 神話生物見たわけでもないのに1d5+5減るってなんだ?」と思ってはいたものの、まさかSAN値を0にすることを目的に大量に仕掛けられていたって知った時はびっくりでしたね。確かに夢の世界だもんな……。


物語としては、NPCである雁森唯(のちの守井友加里)に誘われて美術館へ行ったところから始まり、自分たちの居る世界に違和感を感じ、その違和の正体を突き止め、守井 友加里を救うか、どうするのかを選ぶという流れ。

究極的には守井友加里と、その妹である叶恵の選択肢をPC達が後押しするっていうNPC達の物語で、PCたちは彼女たちに何を渡してあげられるかっていう話だったのかと思います。代わりに決断してあげるのか、彼女たちが選ぶための素材を渡してあげるのか、背中を押してあげるのか……干渉方法は様々で、まったく干渉せずに放置していても問題はない。なんだったらタイプリープする世界で一生NPCとPCとで遊んで暮らしても問題ない。そういう点でPC達の意志がどこにあるのか問われるシナリオだったのはとても面白いと感じました!


あと、シナリオのギミックで実際にWebサイトにアクセスして、謎解きの答えを登録して進むっていうのはとても新鮮で滅茶苦茶作りこみが半端じゃない……とびっくりしましたね! 最近のCoCシナリオすげぇ……って!

非常に悪い事をするとすれば、Webサイト(html)はブラウザ上でjsファイルの中身が読めるので(f12を押すとhtmlの構成がわかる)実はコードみちゃうと答えが全部丸わかりになるのですが、あとあと確認してみたらコメントアウトされた文章で


//js内にこの記述を発見した探索者は、このことを他のPLに伝えてはならない。

//また、他PLに理由を告げず【正気度判定】を行い1d10/1d20の正気度を減少させる。


って記述されていて芸細かッ……! って感動しました。すごい。今見たので私のSANは15点減りました。


そのほかにも絵本とかがちゃんと書いてあって、しかもシーンチェンジを使うことで実際に絵本を読んでるみたいに進むのが、ものすごい没入感があって好きでした! ほんとすごいわ……すごい細かい! 途中で出てきた映田藤助は一体何もんなんだこの人……と警戒していましたが、まさか遊びにきてたニャルラトホテプの化身的な人だとは思っていなかった。またお前か! でもクイズ形式で持っている情報が正しいのか間違っているのかがわかるうえ、答えを教えてくれるのはとてもイイですね! 問題はその答えのやり取りを信用していいのか悩ましくなるところですが……


シナリオのどこを切り取っても不思議と謎があって、一個ずつ解き明かしていくと全体が少しずつ分かるようになっていく。それがシアKPの腕によって没入感と説得力を持ち、私たちも最後の選択のRPにもとても力が入りました! 本当に楽しかったです! すごくいいエンディングを迎えられてとても満足……!


そしてこのシナリオ、なんとBOOTHで公開されている作品なのですね……「品口凸凹」様の作成されたボリュームたっぷりなこのシナリオがなんと1500円(※2022年8月22日現在)と大変お求めやすい価格で提供されております。夢のようなこの世界を、あなたも体験してみませんか? 滅茶苦茶楽しいので体験するんだ!!

https://booth.pm/ja/items/3469712



改めまして、KPをして下さったシアさん、そして再び死地に赴いてくださったPLのベーゼンさん、そして見学に来てくださったフーカさんもありがとうございました!! 


私もCoCのKPかエモクロアTRPGのDLをやるぞやるぞやるぞ!!

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