ダンジョンズ&ドラゴンズ(第5版)

D&D5e_CP「ファンデルヴァーの失われた鉱山:第一話」

※この感想記事には、D&D第5版スターターセット「ファンデルヴァーの失われた鉱山」の重大なネタバレを含みます。

2021年2月6日に行われた、ミニCP「ファンデルヴァーの失われた鉱山」の感想&リプレイ風記事です。


◆シナリオ「ファンデルヴァーの失われた鉱山」について

今回から、たけしんさんDMでのダンジョンズ&ドラゴンズ第5版(以下D&D5e)「ファンデルヴァーの失われた鉱山」が開催されることとなりました! 大体3回ぐらいに分けて開催される、ミニCP形式となっています(予定)


今回のCPにはDMにたけしんさん、PLははやみさん、じゃっくさん、フーカさん、そして私とたけのPL4名となっています。実のところ私、D&D5eはまだ2回目、去年佐藤さん主催の卓に参加させていただいたとき以来になります。つまりめっちゃ初心者なのだ。

なお、今回プレイさせてもらう「ファンデルヴァーの失われた鉱山」は、D&D5eのスターター・セットであり、この記事の内容もそれに準じたものとなります。冒頭にも記載しておりますが、思いっきり内容が書かれているので、『これから遊ぶよ!ネタバレ困るよ!』って方はご注意を!


今回の物語は、“フォーゴトン・レルム”なる地を舞台に、冒険者として一旗揚げよう。といった感じらしい(実は世界観を全然理解できていない)。D&Dは世界観がものすごく重厚で、そのうえ深く、基本ルールも把握できていない私にはまだ手が出せていない状態なのです。というわけで、いろいろ調べてみると大まかにこんな感じだということが分かってきました(多分)


この世界には、魔法や魔物が存在し、残虐な領主が悪政を振るい、大きな街の裏路地には盗賊たちがおり、非常に危険な面もあります。同時に、騎士たちは栄光や富を求め戦い、神々に仕える聖職者たちはメイスと奇跡を用いて人々を救い、この地を脅かす恐るべき者たちと戦っています。そんなこともあり、街と街を移動するのも命がけで、ドラゴンなんかが怒り始めた日にはもう安住の場所などない。というシビアなファンタジー世界。

ファンタジーというと何となく「FF」とか「DQ」的なものを想像するかもしれませんが、D&Dで描かれることの多いファンタジー世界は、「氷と炎の歌」や「指輪物語」のようなシビアで危険な世界がメインらしい。最近だと「ゲームオブスローンズ」とか「ゴブリンスレイヤー」とか想像するとわかりやすいかも?(ゴブスレはゴブスレでTRPGあるけども)


“フォーゴトン・レルム”とはD&Dにおける代表的な世界観設定ステージの1つ。惑星トリルのフェイルーンと呼ばれる一地方(一大陸?)を主な舞台としています。その中でも特にバルダーズゲートやネヴァーウィンターなどの都市や地域が有名なようです。今回、PC達が活動するのはこのフェイルーン大陸の北西、ソード・コーストと呼ばれる長大な海岸線を擁する大陸の西海岸部分であり、地方でも有数の街「ネヴァーウィンター」を活動の拠点としています。西には海、東にはネヴァーウィンター森が広がり、南はソード山脈が横たわる地域です。


(なおこんな風に書いてますが普通に認識間違ってるかも。世界観難しい)


で、セッションの話に戻るのですが、今回は上記にも出てきた“ネヴァーウィンター”の街から南下し、しばらく行ったところにある“ファンダリン”というところまで、馬車に載せられた積み荷を護衛する、というもの。

依頼人はドワーフの『グンドレン・ロックシーカー』というひとで、そのグンドレンは、ファンダリンで行われる商談に出席するため、戦士の『シルダー・ホールウィンター』を連れて先に出発しているようです。冒険者たちは後からは出発し、荷物の乗った馬車を無事に商談の場まで届けられれば、一人頭10gp(この世界での通貨、gpは金貨)を貰えます。

なお1gpは10sp(銀貨)の価値があり、1spで安宿に泊まれる程度の価値らしい。安宿100日分の報酬と考えれば悪くないのか……? ただ、熟練の職人の稼ぎが一日1gpと考えれば、10日分の報酬を取るのに命がけとなるので、割に合わないような気もしてくる。不思議!


さて、そんな命がけの護衛依頼を受ける今回のPC達をご紹介!


◆PCたち

・前衛の頼れるパワーファイター! バーバリアンの『ザイガン』

 PL/じゃっくさん

 http://dndjp.sakura.ne.jp/OUTPUT.php?ID=14370


今回パーティーの前衛を務めてくれるのがバーバリアンのザイガン。頼れるお兄さん。半裸超人。尚、今回のセッションではいくつかのルールブック、サプリメントなどを使用OKとしており、彼はPHB(プレイヤーズハンドブック)からの作成。

冒険者へ転職する前は船乗り(海賊)をしていたらしく、バーバリアンらしい半裸で頑張っていたのですが、今では足を洗って冒険業へ。自前の船を買うために冒険業にいそしんでいるのですが、働けど働けどお金はたまらず……というか、それもそのはず、毎晩酒場で湯水の如く金を使い(自覚なし)、羽目を外しまくっていたらしい。お金がたまらないので監視してほしいという切なる願いでパーティーを結成したようです。悲しい。立ち絵は凄いムキムキィ!なお兄さん。めっちゃ笑顔が爽やかなのに、手の指以上の数は数えられない。さすが知力修正-1。でもめっちゃ面白いんだよなぁ。

因みに私は、バーバリアンって亜人的ななにかだと思ってたんですが、文明圏から離れた人間的ポジションなんですね。


・後衛でパーティー随一の頭のキレを持つウィザード! 人間の『エステラ』

 PL/はやみさん

 http://dndjp.sakura.ne.jp/OUTPUT.php?ID=14352


今回パーティーの後衛であり、遠距離からの魔法攻撃を担うのが人間のエステラ。静かな感じのお嬢様。というか、他のメンツがやかましいだけか? パーティーの中で最も高い知力修正値をもち、強力な魔法による遠隔攻撃を行ってくれます。

もともとはとある国の魔法学院卒業生。占星学を専攻しており、卒業後知見と見分をひろめるために冒険業の世界へと身を投じたようです。このパーティーの中で一番冷静沈着で常識人かも。立ち絵は長い黒髪の美少女で、お嬢様然とした凛々しくも美しい佇まい。深窓の令嬢みたいな、ちょっと空気の色まで違うような感じがしますね。この世界の階級や市井を理解できてないのであれなのですが、あれだけの容姿だったらちょっと話題になりそう。魔法を学べるということは、それなりに裕福な家庭の生まれなのかもしれません。なお、こちらもPHB適用で作成されたキャラクターとなっています。


・前衛斥候、かわいい猫耳ショタローグ! ケモノミミ(キャット)の『クロウ』

 PL/フーカさん

 http://dndjp.sakura.ne.jp/OUTPUT.php?ID=14276


は?かわいいんだが?? パーティーに必須な斥候にして、ケモノミミという種族の男の子。この子は非公式サプリメントより追加された種族となっています。いわゆる半獣人(人間の身体に動物の耳や尻尾といった特徴)ですね。獣人とは違い、やや人間よりなのが特徴。私はどっちも好きです。

孤児であるクロウは、金持ちから宝を奪い、それを貧民に配る義賊をやっていたのですが、その腕を買われて殺しを任されるようになったという衝撃の過去を持っています。弱きを助け、強きをくじく善性と。親しい人々以外はどうなってもよいという悪性の2面性をもつ子。しかしそれも過去の話で、今では稼業から足を洗い、生まれて初めてネヴァーウィンターの街から出るようです。どうやら命の恩人を探しているようですが、果たして……

非情に活発な猫っ子。にゃんにゃん可愛い男の子。ケモノミミは珍しいのか、悪目立ちを防ぐためにフードを深くかぶり、外套の下に尻尾を隠しているようです。かわいいね。金の目と黒髪の少年だ! ちなみに撫でるのがうまい人を見分けられるらしい。


・前衛にたってヒーラーとかするクレリック! ドワーフの『レオ』 

 PL/とたけ

 http://dndjp.sakura.ne.jp/OUTPUT.php?ID=14320

 

ショタその2。今回は髭おじさんではありません。ドワーフの中でもヒル・ドワーフに分類される、12歳の男の子。この世界にはヒル・ドワーフとマウンテン・ドワーフ(もしかしたらそれ以上)の種類がいるらしく、この子はヒル・ドワーフとなっています。

レオもまた孤児であり、教会に拾われた過去を持ちます。教会の元で育てられ、神への敬虔な信仰と、教会への絶対的な恭順を誓っています。拾われた協会では、雑務を日々与えられ高位の神官や司祭たちにいい様に使われていましたが、それもまた神へ仕えるものとして当然のものとして受け止めていました。その結果かどうかはわかりませんが、クレリックとしての才能が開花。しかし、司祭や神官たちはその力の発露をうっとおしく思い、“巡礼の旅”と称して教会から追い出してしまうのでした。そんなこんなで、今でもまだ“巡礼の旅”の最中だと思っており、人助けにまい進する純粋なドワーフ少年として動いてもらっています。尚、神様超信仰しているので、同じ宗派の人であれば無警戒に信じます。基本価値観は聖書基準。

因みに、立ち絵は白い霧のような髪を持つ、薄い肌の少年。ヒルドワーフたちには(というかドワーフが?)赤褐色や薄い白といった様々な体色があるらしい。なお、このキャラクターは基本ルールのみ参照して作成されたキャラクターです。


◆セッション振り返り!

※以下、振り返り記事内で[数字]の表記がありますが、[数字]は1d20のダイス目を表しています。[20]なら、1d20の結果が20といった感じ。


というわけで、PC達の紹介も終えたのでセッション振り返り!

PC達冒険者は、ネヴァーウィンターで今回の依頼人、グンドレンから依頼を受け、荷物で満載になった馬車を護衛するところから物語は始まります。この馬車をファンダリンまで護衛すれば依頼完了。なお、グンドレンさんは何やら興奮した様子で「俺と兄弟は凄いものを発見したんだ!」と盛り上がってました。よほどいいものらしい、しかしそんなこと言いふらしてて大丈夫なんかこのドワーフ……

なお、先行してファンダリンに行くグンドレンさんは、お供兼護衛としてシルダー・ウィンターホールという戦士を同伴させているらしいです。


なおセッションでは、某宇宙英雄伝説の「久々にワロタ」で有名な内国安全保障局の局長の立ち絵でした。なんでやねん!! あまりにも面白過ぎてシルダーっていうか局長の顔で覚えてしまっていた。


ネヴァーウィンターから出発した冒険者護衛隊は、時間をかけてゆっくりと南下していきます。その間、冒険者たちは雑談をしながらの護衛。ザイガンの服を着ない談義に花を咲かせつつ、護衛時の隊列を決めて進んでいきます。

一番先頭を先攻するのは斥候のクロウ、次にザイガン、馬車と共に進むのがエステラ、そして殿を務めるのがレオという構成。斥候を先行させて視界を確保し、有事の際はザイガンとエステラで対応。背後からの強襲には、高いACのレオが対応する形です。(なお、レオのACは18、ザイガンも盾を持つとAC18)


しばらくその隊列で進み、トライボア街道と呼ばれる道を半日ほど進んだ頃。道の曲がり角に差し掛かったところで、馬車前方をふさぐようにして、2頭の馬が死んでいるのを発見します。しかも黒い矢羽のついた矢が突き刺さっており、何者かに襲われたような形跡。おやおやおや。

この道の両側は道の側まで森が迫っており、その上斜面となっていて、視界の悪い藪が広がっているという状況。あ、あやしい……!!


ザイガンが「あれの正体はメシか罠か。それが重要だ」と知力修正-1の発言をし、「「いや罠じゃね?」」とツッコミを喰らったり、レオが「もしかして神さまへの供物という可能性もわんちゃん……?」とつぶやき、クロウに「ゼロチャンだから」とツッコミを喰らったり。危機感薄いね君たち!


そんなレオとザイガンを見かねたのか、エステラはクロウに周辺の探索と警戒を指示、その間にレオとザイガンは馬をどかすことに。クロウは周辺の茂みに近づき、あたりを確認すれば、なにやら潜んでいる気配を感じ取るのでした。しかし、その気配の元は分からず。自分ならどこに隠れるか、と≪隠密≫判定を行い考えてみますが、まさかの1d20=[1]! 全然わからなかったものの、とりあえず気配を感じることをメンバーに共有します。


メンバーはあたりを注意しつつ、ザイガン・レオの二人は馬をどかそうと、死骸を引きずっていくのですが……その隙をつこうとして、道の両脇からゴブリン4匹が現れ、PC達に襲い掛かるのでした!

現れたゴブリンたち、それぞれ≪看破≫判定を行ってみると、レオが[10]+5の達成値を出し、シミターかショートボウによって攻撃してくることを看破します。どうも話し合いには応じてくれそうもない気配……そう、このCP始まって以来、最初の戦闘が幕を開いたのです!


尚、イニチアチブ順はこんな感じ

20:クロウ

17:レオ

9:ゴブリンD

8:ザイガン

7:エステラ

5:ゴブリンC

4:ゴブリンB

3:ゴブリンA


というわけで、初の戦闘!

まずはクロウが行動を開始、クロウから最も近い所にいたゴブリンCへと攻撃! クロウはショートソードの二刀流を使いこなしており、一気に近づきその一太刀目をゴブリンへと叩き込みます。攻撃ロールの結果は[10]+5で、ゴブリンのAC15と同値のため命中し、8点のダメージを与えます。もともとHPが3点しかなかったゴブリンは一刀のもとに切り伏せられ、動かなくなるのでした。つよい! 二刀流を使うまでもない……!


続いて、レオの手番。レオは持ち前の装甲を生かすため、前にでてゴブリンAと接敵し足止めを試みます。また、クレリックであるため、Lv0の初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムを使い、遠くにいるHPの低いゴブリンDを狙います。ゴブリンDにめがけて放たれた神の炎は、しかしながらゴブリンDが【敏捷力】セーヴィング・スローで[19]+2を出したため、華麗に回避されてしまいます(レオのこの魔法の場合、13固定値でその値以上でセーヴ判定されると回避)。このゴブリンはぇぇ……!


ここで自身の死が近いことに気が付いたゴブリンD(HP2)。ひとまず射程圏外まで逃げようとし、冒険者から離れてショートボウを構えます。その対象はザイガン!

ゴブリンが放った矢は、なんと達成値[20]+4をたたき出し、ザイガンに命中+クリティカル攻撃を発生させます。クリティカル攻撃はダメージダイスが増えるため、2d6+2のダメージを負うことに。そしてその威力、まさかの[6,6]+2で脅威の14点!! ゴブリンTUEEEEEEEE!!

超狙いすましたゴブリンの矢が、ザイガンの胸めがけて飛来し、その胸を抉り飛ばす! 15点あったザイガンのHPは1まで減少。これはヤバいのでは?


エステラ「……ものすごいのを貰ったわね、ゴブリンとは思えない腕」

クロウ 「うっそぉ……あれマジにゴブリン?」

ザイガン「胸板が分厚いおかげで心臓に矢が届かなかったぜ」(大出血)

レオ  「い、生きてる……何であれで生きてるんだあの人……」(ドン引き)


流石の半裸超人も≪激怒≫を使う前にこの痛手。かなりの痛打を貰いますが、なんだろうねこの危機感の薄さは……

今にして思えばこの時からすでにDMのダイス・パワーの片鱗が見え隠れしていたのかもしれません。しかし、その真の恐怖を知るのはこの死闘から数時間後のことだったのです……


続いてザイガンの手番。自慢の胸板を貫かれたザイガンは≪激怒≫(バーバリアンの特性の一つ。キレるとなぜか被ダメージが半減される。怖い)しながら、接敵可能範囲にいるゴブリンBに近づき、グレイヴを振るいます。しかし、大きく振るった一撃は[6]+5の11で、ゴブリンのAC15には届かず空振り! ですが、ボーナス・アクションによってもう一撃振るうことができたザイガンは、続く連撃で[10]+5をたたき出し、ゴブリンに命中させます。ブチギレグレイヴ串刺し攻撃は7点のダメージをゴブリンに与えますが、残りHP2を残すにとどまり、止めは刺せません。おしい!


続いてエステラの手番。魔術師エステラは、≪狙撃手≫の効果を駆使しつつ、レオとザイガンが足止めを試みている、ゴブリンA,Bに対してLv0初級魔法:酸の飛沫アシッド・スプラッシュの魔法を放ちます。エステラから放たれた酸の霧は、勢いよく伸びていきゴブリンAとBを巻き込もうとしますが、Aはセーヴィング・スローで[11]+2を出し、エステラの達成値13と互角になったため、これを回避!

しかし、哀れにもゴブリンBはもろに酸の霧を喰らい、その体はぐずぐずと溶けていくのでした。怖ェェェ!!


エステラ「む、片方避けたわね」

レオ  「うわっ……酸で溶けて……」

クロウ 「へぇ、やるじゃにゃーかエステラ」

ザイガン「超まずそうだな」


相変わらずなメンツ。

隣にいたゴブリンBが肉塊ゲロ肉に変わったことにビビったのか(そりゃビビる)、ゴブリンAはあわててシミターを振り回し、レオへと襲い掛かります。しかしゴブリンの攻撃ロールは[4]+4で8、レオのAC18の前には届きません。耳障りな金属音を鳴らし、盾によって攻撃は防がれてしまいます。


さて、2ラウンド目に突入!

流石にこれ以上攻撃を貰うとヤバいので、冒険者たちも目がマジに。

まずはクロウの手番。クロウは持ち前の俊足を生かし、離れていたゴブリンDへ一気に接近。目にもとまらぬ二連撃を見事ゴブリンDに叩き込み、ばらばらに切り裂くことに成功!


続いてレオの手番。

丁度隣に立っている血だらけのザイガンに対して、ここでLv1魔法:傷治療キュア・ウーンズを行使。神の奇跡をこの場に起こし、負傷しているザイガンの身体に触れて、その傷を急速に回復させていきます。今回、レオは《生命の領域》を選択しているため、キュア・ウーンズを使用しつつ、その回復力は《生命の使徒》の効果で1d8+5+3まで上昇しています。結果、回復量は13! ほぼほぼザイガンの受けたダメージを回復しきります。


そしてザイガンの手番。体力を回復した激怒バーバリアンは、グレイヴによる攻撃をゴブリンに叩き込みます。ゴブリンのAC15を上回る17をたたき出し、9点のダメージを与えます。哀れ、最後のゴブリンは真っ二つに切り倒されるのでした。


最初の戦闘を何とかこなし、全員無事に生還! 一瞬クリティカル攻撃でヒヤッとすることになりましたが、何とかなってよかったよかった。

ひとまずクロウは再び周りを警戒し、ザイガン・レオは途中になっていた馬の死体移動を再び行います。馬を移動させ終わったころ、クロウはある情報を見つけていたのでした。


警戒中だったクロウ。しかしその途中、奇妙に踏みしめられた土を茂みの中で発見します。ゴブリンたちは突然降って湧いてくるわけではなく、当然どこかから歩いてくるのですが、どうやらこれがその“道”らしい。怪しげな道を≪生存≫判定によって調べてみれば、この道を通じて最低でも12体前後のゴブリンが行き来していたことが分かります。また、人間大の身体が二人分、この場所から引きずられるようにして藪の中へ消えていったことに気が付くのでした。


さて、馬をどかしていたレオとザイガンもあることに気が付きます。この道をふさぐようにして死んでいた馬。どうやら見覚えのある馬のようです。それは、冒険者たちより先行してファンダリンへ向かっていたグンドレンと、シルダーが乗っていた馬だったのです。


おや、おやおやおや。これは雲行きが怪しい。金づる……じゃなくて依頼人、まさかの拉致監禁の疑いがでてきました。これは大変困ります。ていうかシルダー! 護衛役なら頑張らんかい!(12体もゴブリン出てきたら無理だろうけど)


というわけで、ここで作戦タイム。

私たちの受け持った依頼は『積み荷を乗せた馬車を、ファンダリンの指定された場所まで持っていくこと』。なので、ひとまずはファンダリンまでこの荷物を届ければ依頼は完遂されます。

ただし、その依頼人が行方不明。このままでは金貨の支払いが未払いになる可能性が……馬は殺されてから死後1日経過しており、助けに行くならばそう時間的猶予はなさそうです。一般的に人命救助においてリミットとされるのが72時間と考えると、のこり二日。しかもこれは遭難した時の話であって、攻撃的なゴブリンに連れ去られたとなると話は変わってきます。


レオ  「助けに行かないと!」

ザイガン「あの男狙い感からしてオッサンは死んでてもおかしかねーけどな。

     ま、オッサンは置いといてゴブリンの巣は潰しておいてソンもないだろ」

クロウ 「死んでるかもしれにゃーけどな。行くだけ行ってみっかー?」

レオ  「死んでるなんて……そんなことありません!

     まだきっと生きてるはずだよ!」

クロウ 「死んでたらタダ働きだけどニャー。ま、しゃーにゃーか」

エステラ「ま、いいでしょう。死んでたら死んでたで。

     ゴブリン退治の報酬を今回の稼ぎとしましょうか」


と、様々な反応がありつつも、ひとまず救出に向かうことで方向性は決定しました。レオは“困っているなら助けないと”という義務感から、利益度外視の行動を行い。

ザイガンはバーバリアン的な(?)勇猛さを見せてくれます。ゴブリンの巣穴に飛び込むことに、なんのためらいもなさそうな勢いを感じられますね。頼もしい……

一方クロウとエステラは利益や現実性を重視しつつ、ゴブリン討滅に賛同してくれます。それぞれの生き方や価値観の違いが如実に表れたワンシーンだったかな、と今になっては思います。


ひとまず荷馬車に関しては道のわきにつなぎ(盗まれたりしないんだろうか、大丈夫だったのだが)、ゴブリンたちの隠れ道をずんずんと進むことに。再び隊列は


前:斥候クロウ < 戦士ザイガン <魔術師エステラ <神官レオ:後 


という形で森の中を歩いていきます。斥候を先行させるいつもの奴ですね。因みに、このパーティー、実は受動知覚判定が一番高いの、斥候ではなく戦士ザイガンと神官レオだったりします。クレリックであるレオは判断力がもともと高く、ザイガンは判断力がそれなりにある状態で、《知覚》に習熟ボーナスが乗っている影響のようです。意外な新事実。


さて、しばらく歩くと、なにやらクロウがみつけたようす。≪知覚≫判定で[13]+0を出したクロウは、道の先に「逆さ吊りの罠」が仕掛けられていることにきがつくのでした。あの、踏むと足にロープが引っかかって吊り上げられちゃう奴ね。


クロウ 「罠はっけーん」 といい、彼は木の枝で器用に罠を無効化します。

エステラ「随分罠が多いわね、ゴブリンって知能高いのね」

クロウ 「これでよーし」

ザイガン「弓が扱えるからな。相当頭いいんじゃない」(自分基準)

レオ  「悪知恵は働くのかも、困ったなあ」


なんて会話をしつつ、


クロウ 「ま、ボクがいるから罠系は大丈夫にゃ」


クロウ →1d20+0⇒[6]+0⇒6 ≪知覚≫判定

光の速さでフラグ回収。早かったなぁ……!


レオ  「さすがクロウ! 信じてますよ!」

と会話した瞬間に、視界から消えるクロウ。どうやら落とし穴が仕掛けてあったようで、勢いよく落ちていきます。


クロウ 「わーー!!?」

ザイガン「あらぁ~」

レオ  「く、クロウーーーー!!!」


しかし、落とし穴に落ちたクロウは【敏捷力】セーヴィング・スローにて[9]+5の14を出し、華麗に底に着地。よかった……

DM曰く、糞尿が塗りたくられた槍とかは仕込まれていなかったそう。悪質すぎる……!! この世界に破傷風とかあるのかわかりませんが、かなり嫌ですね。

クロウは猫らしくぴょんとジャンプして穴から脱出してきます。


レオ  「クロウ!? ……どうやら無事っぽい、よかった」

クロウ 「よっと……猫に落とし穴なんて効かにゃーよ!

     でも引っかかったのは悔しい!!」

ザイガン「船から落ちるのに比べればお遊びだわな」

レオ  「それは完全に死」

クロウ 「船から落ちるのは……うん……」(猫なので水が苦手)

ザイガン「その鎧じゃあなぁ」

レオ  「しかし思った以上に罠が多いね、注意しなきゃ」

エステラ「そうね。 

     ……これだけ狡猾となると、まぁあの二人は生きてないでしょうけど」

ザイガン「ゴブリンじゃ身代金とか取る知恵まではねーだろうしなぁ」


などと会話をしながらも、さらに奥へ奥へと進んでいきます。最初襲撃のあった、曲がり角から約5マイル(8㎞)ほど進むと、丘の中腹に大きな洞窟を発見。洞窟の入り口は、密集した茨の藪に隠され、入り口からは浅い小川が流れています。洞窟から流れ出ている小川を渡り右側には乾いた道があり、その道は洞窟の中に続いているようです。

なお、シナリオ上ここは『クラッグモーの隠れ家』という名前なのだそう。スターターセットをお持ちの方はお手持ちのMAPをみるといいかも。なお、ググると沢山出てきたりする。(英名:『CRAGMAW HIDEOUT』で検索するといろいろ見れる)


とりあえず洞窟の入り口周辺を確認してみると、どうやら洞窟入り口の右側に、ゴブリンたちの見張り所が設置されているらしく。小川の東側の茨の藪に隠れるようにして、身をひそめていたようです。地面に木の板を敷き、その上に転がって藪の隙間から出入口を監視しているゴブリンが2体……!


どうもあまり仕事熱心ではないのか、監視という名のさぼりをしているらしい。ごぶごぶ言いながらだらけている様子。えぇ、見張ってましたよ。でも命を懸けて止めるほどの給料は貰っていませんので、そのまま通しました。

そんな様子を間近で確認したクロウは、少し離れたところで待機中の私たちに伝えようとしてくれます。


クロウ 「(ゴブゴブ 2体 いるにゃ)」手でサイン

ザイガン「(ピースサイン……平和なのかな……)」

レオ  「さっそく敵を見つけたみたいですね……」

ザイガン「え? あ、そうね」

レオ  「え、いやそういう(平和的な)サインじゃないと思うよ?」

ザイガン「いやいや大丈夫、ちゃんとわかってたから」

レオ  「(絶対にわかってなかったな今の顔……)」


ほんとに大丈夫かこいつら……? いやまぁ大丈夫だった(一説には全然大丈夫ではなかった)ですけどね。ともかく、敵に気が付かれる前にこちらは情報を共有(?)することができました。そのおかげで、戦闘をかなり有利に進めることができそう。ありがたい!

敵に気が付かれていないクロウは、まずは我々をゴブリン側まで近づけさせるため、付近に落ちていた石ころを拾い、冒険者たちとは反対側になげてゴブリンたちの気をそらせます。その隙に、残りのレオ・ザイガン・エステラはそろそろと藪に潜み、攻撃ポジションに着いたことを確認すると、クロウは≪不意打ち≫の体制にうつります。≪隠密≫判定の結果、[9]+5で14と、期待値付近。しかしゴブリンの受動知覚判定は9であるため、不意打ち成功! そろりそろりと黒き毛並みの暗殺者がその背後をとります。

ドーモ、ゴブリン=サン。冒険者です。アンブッシュしていたクロウが、圧倒的なアサシン・アトモスフィアを纏いサンシタ・ゴブリンに襲い掛かる! アバーッ!!

それと同時に、同じくアンブッシュしていたレオ、ザイガン、エステラも藪から登場。見張りたちとの戦いが始まりました。


尚、新手ゴブリンだったのでイニチアチブを決定。その結果、行動順はこんな感じ。

◆イニ順

20:クロウ

17:レオ

17:ゴブリンB

16:ゴブリンA

8:ザイガン

7:エステラ


結構すばやい行動! しかし、クロウの≪不意打ち≫によって、ゴブリンたちは初手行動ができない状態。

クロウの手番、今回はクロウのスキル≪急所攻撃≫を活かすため、「レオが攻撃した敵に対して、二刀流を行う」という『待機』を実行。ひとまずは敵の動向をみて、獲物を見定めに入りました。


実は私、かなり勘違いしていたのですが、『待機』を命令する場合、リアクション権を消費する形で指定した任意の行動をとることができるらしい。また、この時リアクションを発動させる“トリガー”が必要で、例えば「ゴブリンが私に近づいてきたら、可能な限り離れて弓を撃つ」みたいな宣言をしなくてはいけないようです。『待機』という言葉を聞いたときは、普通に自身の手番がそのまま後ろに流れるだけかと思っていたけど、かなりちゃんとしたルールがあった。結構難しいぞ……!

これもおそらく、“トリガー”を設けることで待機を連打して後出しじゃんけんになるのを防ぐような目的があるのかもしれませんね。なお、魔法も『待機』することができますが、“トリガー”によって発動されるまで『精神集中』で魔法を維持せねばならず、その間に攻撃されたりしてダメージを負ったら『精神集中』が途切れてしまうみたい。難しいことは分からないので、私は何も考えずブッパします(知力修正-5)


さて、待機状態に入ったクロウの次はレオの手番。今回はレオとゴブリンBがイニチアチブ同位になっていますが、レオが先に動くことになっています。


因みに、もしPC同士でイニ順が同位だった場合は、PL間で順番を決めることができ、エネミー同士でイニ順が同位だった場合は、DMが任意に順番を決めれるそう。PCとエネミーのイニ順が同位(今回の場合)は、DMが行動順を決めることができます。もしくは、それぞれさらに1d20して高い目を出した方から行動できるとのこと。今回はDM様よりPC(レオ)が先に動いていいよと、寛大なご処置を頂いたわけです(媚びを売っていくスタイル)


話をもどして……藪からぬっとあらわれたレオは、目の前にいたゴブリンBに接敵! 初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムを隣にいるゴブリンAに向けて放ちますが、レオには気が付いていたのかゴブリンは【敏捷力】セーヴィング・スローにて[19]+2という高達成値をマーク! 凄まじい反応速度で、迫る炎を回避します。


ここで、クロウの“トリガー”が作動! リアクションを使用して、クロウは回避したゴブリンの背後から、鋭いショートソードの一撃をお見舞いします。達成値は[17]+5で22! AC15のゴブリンを捕らえ、その剣は銀の軌道を描きながらゴブリンの胸を貫きます。≪急所攻撃≫の乗ったその一撃は10点のダメージをゴブリンに与え、その命を奪い取るのでした。


レオ  「えぇい、神の炎よ!

     ……ってぇぇ!! またよけられたっ、なんて身のこなしだ!」

ゴブリン『ふっ……俺のはやさについてこれ────ゴブッ』

クロウ 「どれだけ早くても、所詮ゴブリンだにゃ

     ネコの速さにはついてこれないよにゃ?」


と、バッサリと切り捨てます。お見事!


本来であれば次にゴブリンBのターンですが、今回は≪不意打ち≫が成立しているため、移動もアクションもリアクションさえもできません。かわいそうだね……


続いてザイガン、突然死角から現れた襲撃者に慌てるゴブリンBに、グレイヴを叩き込みます。[14]+5で19と高い攻撃ロールの達成値! ちょこまかと動き回るゴブリンを捕らえ、7点のダメージを与えます。しかし、ゴブリンBはまだ動けるらしく、ボーナス・アクションを用いてグレイヴの柄で攻撃を繰り出しますが、これは[5]+5でAC15のゴブリンBには外れ。


ゴブリン『ごぶぶぶぶぶ!!』

ザイガン「これだけか? さっさと片付けないとな」


と、余裕の応対。速攻で味方が一人倒されたゴブリンは慌てた様子です。


つづいてエステラ。同じく藪の中から現れた魔女は、炎の魔力を籠め、目前のゴブリンBに初級魔法:炎の矢ファイアー・ボルトを撃ち込みます。燃え盛る炎の矢が、薄暗い藪の中を走り、ゴブリンへと迫りますが、攻撃ロールの達成値は[7]+5で13。AC15のゴブリンには届かず、寸前でかわされてしまいます。


ところで、D&D5eの呪文による攻撃ですが、非常に多彩で、様々な効果を得ることができるユニークなものが多いです。魔法一つとっても、様々な遊び方や戦術を生み出してくれそうなきがします。ただ、魔法一つ一つで裁定が変わっていくため、非常に複雑でもあります。


今回、クレリックのレオがメインウェポンとして使っている初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムですが、この魔法を使うとき、PLはダイスを振る必要はありません。代わりに、この魔法を受ける対象は【敏捷力】セーヴィング・スローで「8(固定値)+3(判断力修正値)+2(習熟ボーナス)=13」以上を出さなければ魔法の直撃を受け、ダメージを負います。

逆に、ウィザードのエステラが使っていた初級魔法:炎の矢ファイアー・ボルトを使うときは、PLは魔法による攻撃ロールを行う必要があります。エステラは自身の知力を用いて「1d20+3(知力修正値)+2(習熟ボーナス)」の判定で、相手のAC(今回の例でいくと、ゴブリンのAC15)を超えなければダメージを与えられません。


は? どっちも同じ攻撃系の魔法なのに何で算出が違うの? と思う方もいらっしゃるかもしれません。それは、私にもわかりません。なんでだろうね?


とりあえず、各種魔法の効果に記載されている文章から「○○呪文攻撃を行う事」と書いてある呪文は、エステラの行ったように1d20を振って決め、対象のACを超えなければなりません。

逆に、「対象は【**】セーヴィング・スローを行う事」と書いてある魔法に関しては、魔法を受けた対象は上記の判定を用いて魔法を回避、または軽減することができるようです。

因みに、上記二つのような記載がない場合(例えばLv1魔法:魔法の矢マジック・ミサイル)は、として扱われているようです。もうわっかんねぇな!

地味にこの辺りは、各卓でDMの裁定に従うとする部分も多そうです。少なくとも、今回はそのように処理しています。


正直、D&D5eで初めて魔法を扱った身としてはかなり混乱しました……なんでみんな判定ばらばらなんだ、統一してくれ。あと記述を語り口調にするのはいいけど、描写と効果とデータと判定は箇条書きか表か何かで分けてほしいっ……!


なおもっともらしく解説を付け加えていますが、これがあっている自信はあんまりありません。教えて偉い人!


ふとこれ書いてて思った全然関係ない話なんですけど、なんでマジック・ミサイルは和名が「魔法の矢」なんですかね。ミサイルなら「魔法の飛翔体」じゃないか?(マジで関係ない話)


……さてさて、話はもどって2ラウンド目。

再びクロウの手番が回ってきて、クロウは残りのゴブリンめがけ、二振りのショートソードで斬りかかります。しかし、そのどちらも[5]+5=10,[2]+5=7でAC15には届かず空振り。二刀流はゴブリンを掠めて空を切ります。


つづいてレオの手番、必死によけ続けるゴブリンに狙いを定め、初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムで焼き払います。今回はゴブリンの【敏捷力】セーヴィング・スローの出目が腐り[3]+2で見事命中! 6点のダメージを与え、最後の一体を打ち倒します。


ゴブリン『ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!』

レオ  「神に愛されていればこの攻撃もよけられたはず……

     つまり貴方は神に裁かれるものなのです。以上!」


その後、戦闘を終えた冒険者たちは、まだ洞窟内にいると思わしきゴブリンたちの数のことを考え始めます。洞窟入り口の藪で2体、さっきの街道では4体。計6体のゴブリンを仕留めた我々でしたが、足跡は12体分。最低でも後6体は洞窟内にいる計算になります。


ザイガン「まぁゴブリンだし数とか覚えてないだろ」

クロウ 「そだにゃ。ゴブリンだしにゃあ」

ザイガン「俺も11超えると数えるの結構キツイし」(知力修正-1)

クロウ 「き、キツイのか……」

ザイガン「指がさ、10までだろ。そういうつくりになってるんだよきっと」

クロウ 「なってにゃーよ」

レオ  「足の指も使えば20です! まだいけるはず!」(知力修正-1)

ザイガン「足はちょっと……折り曲げたりするの大変だろ?」

クロウ 「う~ん頭わりー会話だにゃあ」(知力修正2)


知能指数が低い会話を繰り広げる冒険者たち。エステラ、この会話を死んだような目で見てそう(知力修正3) これが教育格差という奴ですか。どの世界でも世知辛いものですね…… 

っていうか、クロウくん知力修正値4もあったのか君!(これを書いているときに気が付いた)。レオと同じ孤児のはずなのに、一体どこで差が付いたんだろう。進研ゼミでもやってたんですかね?


さて、そんな話はひとまず置いておきつつ、洞窟へ侵入するルートの安全が確保されました。冒険者たちは、再びいつもの隊列(斥候<戦士<魔術師<神官)をとり、真っ暗な闇に包まれた洞窟────『クラッグモーの隠れ家』へと進んでいきます。


洞窟から流れてくる小川の西側を歩きつつ、小川に沿うようにしてゆっくりと奥へと進む冒険者たち。洞窟に入ってすぐに、でこぼことした上りの石段がつづいており、その石段の途中には小川に沿う道とは別に、さらに西側へと脇道が続いています。その脇道の先は小洞窟になっているようで、獣の匂いが漂っているようです。また、その部屋の奥の壁は裂け目ができており、その裂け目の向こう側からは何やら唸り声や騒がしい声が聞こえてくるみたいです。


ひとまず冒険者たちは、小川に沿って進む道から脇道に逸れ、その小洞窟へと入ってみます。中を覗いてみると、そこには鎖につながれた3頭の狼が。地面から伸びる石筍せきじゅん(タケノコみたいに地面から伸びる石灰岩)に鎖は繋がれており、がちゃがちゃと音を立てているようです。


ザイガン「狼が3匹、ケルベロスってことだな」

レオ  「おぉ~よしよしよし。

     昔神殿の近くで犬を飼ってたことがあったんだよなぁ。

     今でも元気かなぁ……」


と、何となく狼を宥めようとしてみると、ここでDMから≪動物使い≫で振ってくださいとのこと。おぉ!? もしかしてテイムできるのか……? ということで、振ってみることに。隣にいたザイガンと一緒に、知力修正-1頭悪いコンビが狼を宥め始めます。


クロウ 「にゃ、待って近づくと危にゃあよ!?」


レオ  1d20+3⇒[3]+3⇒6 ≪動物使い≫判定

ザイガン1d20+3⇒[18]+3⇒21 ≪動物使い≫判定


ザイガン「おめーなぁ、動物ってのはこうやるんだよ。

     ほれほれほれほれヨーシヨシヨシヨシヨシ」

ウルフ 「キュ~ンキュンキューン」

エステラ「……嘘でしょ?

     まぁ野生は野生に通じるのかしらねぇ……」


と、ザイガンは巧みな手さばきで狼たちを宥め、手懐けていきます。さすがバーバリアン。狼たちも本能的に『こいつには勝てねぇ』とわかったのかもしれません。

一方レオはというと……


レオ  「う? もしかしてこれ、噛まれてる?(甲冑のうえからがぶぅ!)

     なるほど、真似てみよう。

     よーしヨシヨシヨシヨシ」

ウルフ 「がうっ!」 と、嫌がるウルフ。

レオ  「えぇ~なんで? おんなじハズなんだけどなぁ」

ザイガン「心の清さが違うんだよなぁ~」(※武力の差である)

レオ  「心の清さなら負けてないはずだよ!

     ねっ、ほらウルフも一緒に聖典よも?」(※知力の残念さである)


と、この体たらく。お前、襲われなくてよかったなほんとに……!

なお、ザイガンのウルフの撫で方を凝視していたクロウはというと


クロウ 「あっ……その撫で方、ボクにもやってほし……なんでもにゃい」

レオ  「なるほど? クロウはザイガンに服従する可能性がある、と」

ザイガン「クロウも4匹目になるか? ヨーシヨシヨシヨシ」

クロウ 「やめるにゃ!? ちげーにゃ!!」


と、抑えきれない野生の部分が爆発しかけてました。かわいいは正義。実際、犬や猫は首周りを撫でられると安心するのだとか。かつて母犬・猫に触られたことを思い出して、安心感を覚えると聞いたことがあります。ケモノミミもそうなんですかね? 逆に耳とか尻尾の付け根触ったらブチギレられそう(それはそれで良い)


さて、かわいい狼たちとの触れ合いタイムを堪能しつつ、小洞窟の奥、壁にできた裂け目へと近づきます。どうやら上の方に行くほど裂け目は大きくなっており、その上の方からごみが投げ込まれている様子。どうやらここはゴミ捨て場でもあるようです。目算30ft(9mちょっと)の高さで、登ろうと思えば登れそうですが、結構危ない高さです。


クロウ 「登るのは……やめといたほうがよさそうにゃーね」

エステラ「まぁそうでしょうね。先に行きましょうか」

レオ  「クロウがそういうならきっと難しいんだろうなあ

     ていうか、俺は鎧着たままじゃ無理そう」

ザイガン「ごみ溜め覗いてもしょうがないしな」

エステラ「クロウが無理なんじゃ無理よ。ザイガンもレオも、私も無理だわ。

     貴方はまず鎧がね……私は運動神経だけど」

クロウ 「ボク一人ならもしかしたら、いけるかもしれにゃーけど」


と、この裂け目については探索を諦め。もと歩いていた洞窟内小川の側の道まで戻ります。先の道に戻り、洞窟の入り口からまっすぐに伸びていく本道と呼べるその通路は、徐々に険しい上り坂になっていきます。すぐそばを流れる川は、ごうごうと飛沫を上げながら本道西側を流れているような状況です。本道もそれなりに奥まで入ってきたため、真っ暗闇につつまれ、あたりには冒険者たちの息遣いと、激しい水の流れの音が響いています。また、暗がりの中。川の流れの向こう側(西側)に、さらに西へと延びる脇道があるのが見えています。


ここで、DMよりこれより先はかなり暗くなるので、暗視がない場合は光源が必要になるとのお達しが。ヒルドワーフのレオと、ネコのケモノミミであるクロウは≪暗視≫を生来の特性として得ているため、暗闇の中でも行動できますが、人間のエステラと、バーバリアンのザイガンは≪暗視≫を持っていないため、なにかしら行動する場合は光源が必要になってきます。ちょっとした歩行程度であれば≪暗視≫もち二人の指示で何とかなるかもしれませんが、戦闘や探索は極めて不利な状態。

しかし、真っ暗闇の洞窟内で明かりを灯せば、ここにいるぞとアピールするようなもの。その上ここは敵地のど真ん中であり、おそらくゴブリンたちは≪暗視≫をもっているため、暗闇は彼らにとって危険なエリアとはなり得ません。明かりを灯し、敵に発見されるリスクを背負うか、暗闇の中をこのまま探索するか、選択を迫られます。


今回は、≪暗視≫持ちが二人いる事。不意打ちを受けたとしても、クレリックであるレオが初手で初級魔法:ライトを使い光源を確保できること(レオはイニ順が17で、クロウよりも遅く、≪暗視≫のないザイガン・エステラより行動が早い)から、今はまだ明かりを灯さず進むことに。


暗闇のなか、固まって洞窟を進む冒険者たち。≪暗視≫持ちの二人はともかく、ザイガンとエステラからしたら完全に闇の中を進むわけで、想像すると非常に恐ろしいですね……。しばらく進むと、本道北側へと延びる天上の陰に、木とロープでできたボロボロの橋が本道を横切るようにしてかかっていることに気が付けます。本道の上に交差するような形で伸びる橋って感じですね。高さは25ft(約7.6m)と結構な高さ。

ここで、DMから≪暗視≫を持つレオとクロウは≪知覚≫判定を振るようにとの指示が。レオは[10]+0ですが、クロウは[14]+3となかなかの良い出目。しかしその直後、DMがシークレットダイスを振ってきます。突然のダイスに怯えるPL達。奇妙な緊張感が漂いながら、冒険者たちは暗闇の中を再び進んでいきます。


クロウ 「(本道の上を横切る橋を見ながら)

     あそこのボロボロの橋ぶっ壊して、木の板を川に掛けられねーかにゃ?」


と、ここでクロウから提案が。

先ほど、川の反対側の西側へと延びる通路を見つけたのですが、川の激流をどう超えたものかと悩んでいたのです。そこで、目の前の橋の一部(もしくは全部)を破壊して、その材料で反対側に渡る簡易の橋を作ろうというもの。


レオ  「なるほど……しかし、どうやって壊す?」

ザイガン「なんか投げて壊すにもちょっとなぁ」

レオ  「俺の魔法は燃やしちゃうからな……

     エステラは魔法で何かできそう?」

エステラ「んー……川を凍らせる手段はあるわよ?」


しかし川の流れは結構勢いのある激流らしく、エステラのいう手段、初級魔法:冷気光線レイ・オヴ・フロストでは完全に凍らせるのは難しいとの判断。ここはひとまず先に進めそうな奥へと進み、何か案ができたらやってみようということに。冒険者たちは、再び闇の中を進んでいきます。


闇の中をできる限り物音をたてず進んだ、ということで≪隠密≫判定を振って進んでいきます。で、その結果が……


クロウ ⇒1d20+5⇒[13]+5⇒18 ≪隠密≫判定


お、いい感じいい感じ。さすが斥候! お手本のような忍び足。

続いてザイガン。


ザイガン⇒1d20+1⇒[2]+1⇒3 ≪隠密≫判定


喋りながら歩いたな? ほぼ半裸の男ザイガンは結構な物音を立てながら進んでいきます。でも本人は気が付いてなさそう。

続くレオですが、【重装鎧】カテゴリであるチェイン・メイルを着込んでいるため、ここでの≪隠密≫判定は『不利』状態での判定となります。尚、『不利』状態だと、1d20を二回振り、そのうち低い出目が採用。『有利』状態はその逆で、1d20を二回振り、出目の高い方が採用されます。D&Dの判定は1d20を用いるため、非常にふり幅が大きく、有利・不利での判定はかなり響いてくるのです。で、結果ですが……


レオ  ⇒1d20-1⇒[14]-1⇒13 ≪隠密≫不利での判定

レオ  ⇒1d20-1⇒[4]-1⇒3 ≪隠密≫不利での判定 ●採用


お前ら喋りながら歩いたのか?? がっちゃがっちゃと鎧の音を立てつつレオもすすんでいきます。さすがにこのクソうるさい行軍には気が付いたようで、先ほど見つけた橋の上にいたゴブリンが気が付き、大声を上げて仲間たちに知らせ始めます。やっべ。因みに喋っているのはゴブリン語なのですが、パーティ内にゴブリン語話者はいないため、何を言っているのかはわかりません。


ゴブリン『GOBBBBBBBBBBBBB!!』

クロウ 「あー……完全に気づかれてらぁにゃ」

レオ  「あら、なんかいるね。もしかして……バレた!?」

エステラ「……そのようね」

クロウ 「完全にバレてっし灯りでもつけるにゃ?」

ザイガン「ま、向こうから顔見せてくたってことで」


ゴブリンは冒険者たちの上方25ft(約7.6m)の橋に陣取り、臨戦態勢をとっています。というわけで、橋の上のゴブリンVS地上の冒険者という3次元戦闘に!


ゴブリンのイニチアチブは16で、イニ順はこんな感じ。

◆イニ順

20:クロウ

17:レオ

16:ゴブリンA

8:ザイガン

7:エステラ


1ラウンド目、手番はクロウ。

ゴブリンは橋の上にいるため、当然近接攻撃の対象とすることはできません。ダガーを投げるにしても、ダガー投擲時の射程は20ftまで。25~60ftの距離になると不利判定を受けてしまうため、投げるのは諦めここは「ゴブリンが橋から落ちたら二刀流で攻撃」と待機。


次、レオの手番。当初の宣言通り、レオは自身の手番で初級魔法:ライトを自身の盾に使用。まばゆい明かりがあたりを照らしだし、半径20ftは「明るい」状態に、さらに20ftを「薄明るい」状態まで照らし出します。アクションを使用してしまったので、特にやることはなく。とりあえずゴブリンを煽ることに。


レオ  「おらー!!! 降りて来いゴブリン!

     人質を解放しなさーい!!」


と、盾をかんかん鳴らしながら橋の下で煽りまくるレオ。

すると、続くゴブリンの手番。せっかくなのでとDMが乗ってくれて、ゴブリンはレオを攻撃。DM優しい! どうやらゴブリンは高所からの攻撃に備え、投擲用のジャベリンを持っていたらしい。結構用意周到ですね…… そのまま、高所から橋下のレオに向かってジャベリンを投擲しますが、[9]+4でレオのAC18を抜くには至らず。ジャベリンはレオの近くに落ちます。


レオ  「うぇーいいwwどこ狙ってるんですかぁ?

     投げたジャベリンはもらっちゃいますねぇ!!」

クロウ 「煽りにまんまと乗せられてら!

     ゴブリンは所詮、ゴブリンだにゃあね」とクスクス笑いながら更に煽る

ゴブリン『殺す』

レオ  「ひぇっ」


言葉は分からずとも意志は伝わる。煽りと殺意は共通言語のようです。

次はザイガンの手番。スピアの予備を持つザイガンは、盾を装備しつつとりあえず不利判定でも投げてみることに。スピアもダガーと同じ射程のため、25ftでは不利判定を受けてしまうのですが……


ザイガン⇒1d20+5⇒[8]+5⇒13 攻撃ロール・不利での判定 ●採用

ザイガン⇒1d20+5⇒[20]+5⇒25 攻撃ロール・不利での判定


こんなところで最大値クリティカル。「こういうところで無駄遣いしないで」とPLじゃっくさんの声が漏れつつ、手番終了。


最後はエステラ、橋の上にいるゴブリンめがけて、初級呪文:炎の矢ファイアー・ボルトを行使。しかし攻撃ロールは[2]+5の7と振るわず、AC15のゴブリンは迫りくる炎の矢を盾で防ぎ切ります。この洞窟のゴブリンたち、結構手ごわいぞ……?


地の利を得たゴブリン相手に苦戦する冒険者たち。さて2ラウンド目。と、思いきやここで異変に気が付く冒険者たち。なにやら、洞窟の奥から凄まじい轟音が響き始めます。何事かと奥の方へと目を凝らせば、川の上流から、大量の水がうねりを伴いながら押し寄せてくるではありませんか!!

DMから全員【敏捷力】セーヴィング・スローをと指示があり、全員決死のダイスロール!


クロウ ⇒1d20+5⇒[14]+5⇒19 【敏捷力】セーヴィング・スロー

ザイガン⇒1d20+1⇒[16]+1⇒17 【敏捷力】セーヴィング・スロー

レオ  ⇒1d20-1⇒[11]-1⇒10 【敏捷力】セーヴィング・スロー

エステラ⇒1d20+5⇒[9]+2⇒11 【敏捷力】セーヴィング・スロー


と、なんとか全員成功! 冒険者たちはあわてて洞窟の岩壁にできたくぼみや、石筍などにしがみつき、突如として現れた激流に耐え忍びます。直後、DMからちっと舌打ちの声が聞こえてきます。とてもよくわかる(深く頷く)。こういうの、流されてほしいですよねぇ…… これでばらばらにパーティが分かれてくれるとなおヨシ!


クロウ 「に”ゃ!? 水!!?? 水はイヤにゃぁああああ」

レオ  「うわわ!! 鉄砲水ですか!?」

ザイガン「ほぉー、頭がいいんだなぁ」


水に濡れるのを極端に嫌がるクロウに対して、滅茶苦茶平常心のザイガン。さすがは元船乗り。しかし重装鎧を着ているレオも何とか耐え凌いだようです。ていうか底に沈んで事なきを得たんだろうか……?


さて、気を取り戻して2ラウンド目! このまま橋の上のゴブリンとにらみ合いを続けても埒が明かないと気が付いた冒険者たち。ゴブリンもゴブリンで、橋の上から槍を投げることしかできないため、ここは橋の上のゴブリンは無視して、さらに奥へと進むことに。

ということでクロウは、ひとまず橋を通り過ぎ、さらに奥へと進んでいきます。暗闇の中を進んでいくクロウ。やや湾曲した川に沿って奥へと進んでいくと、その先には結構な広さの空洞が待ち受けていました。その空洞には、二つの巨大なため池が造られており、洞窟東側の壁から落ちる幅の狭い滝がため池に水をためているようです。滝から落ちた水は、二つのため池を充たし、そこからあふれた水が川となって流れ出ていた模様。どうやら、先ほどの鉄砲水は自然の物ではなく、この隠れ家の防御機構の一つだったようです。また、空洞の南側には大きな出入口があり、一つは細道となって西側へ、もう一つは別の空洞への出入り口として機能している様子。

そして、この巨大なため池のある空洞には2体のゴブリンが居り、空洞内に入ってきたクロウに気が付き臨戦態勢へと移行します。


2体がさらに追加され、イニ順はこんな感じに。


◆イニ順

20:クロウ

17:レオ

16:ゴブリンA(橋の上)

16:ゴブリンB(ため池)

8:ザイガン

7:エステラ

4:ゴブリンC(ため池)


クロウは一番近いゴブリンBにダガー投擲で攻撃しようか悩みますが、この空洞、いたるところに地面から岩が伸びており(石筍のこと)大量の遮蔽が存在しています。そのせいでゴブリンBはクロウから見ると『完全遮蔽』状態に。その奥にいるゴブリンCは『3/4遮蔽』となってしまっています。


ここで、D&D5eにおける『遮蔽』の扱いをサラっと紹介。戦闘時、木や岩、その他キャラクターなどが自身から目標までの射線上に存在することで、『遮蔽』状態が発生します。遮蔽には3段階あり、木の幹や低い壁、キャラクターやエネミーなどのクリチャーが存在し、目標が1/2程度隠れている場合は『1/2遮蔽』が発生します。この遮蔽の場合、目標はACに+2のボーナスを得ることができます。まぁ狙いにくい状態。

さらに太い木の幹や鉄格子、矢狭間みたいな物越しでの射撃はより強い遮蔽とみなされます。具体的には、目標の3/4程度隠れている場合は『3/4遮蔽』が発生し、目標はACに+5のボーナスを受けることができます。まぁ滅茶苦茶狙いにくい状態ですね。

さらにさらに、岩や大木で体が隠れているといった、目標が完全に覆い隠された状態であれば『完全遮蔽』が成立し、直接射撃の目標に選ぶことができません。見えない敵を狙えないって状態。ただし、範囲攻撃のような一定の面積を巻き込む攻撃などで、間接的に目標を巻き込み、影響を与えることはできます。火の玉ファイアー・ボールやガスみたいな不定形の物もOKかも。

なお、射線上に複数の遮蔽となるものがあったとしても、適用されるのは一番大きな遮蔽だけです。自分と目標の間に、木の幹、木の幹、太い木の幹があったとしても、1/2遮蔽+1/2遮蔽+3/4遮蔽となることはありません。3/4遮蔽だけが適用されます。


また、レオが灯りを持っている影響で、クロウのいるこの空洞は『暗闇』状態です。クロウは≪暗視≫を持っているからいいものの、このままではザイガンやエステラは常時不利状態になってしまいます。移動力的にレオがこのラウンド内にこの空洞までたどり着くのは不可能であり、次手番のザイガンの攻撃時の灯り確保が問題に。さてどうしたものか……

と、ここでふと初級魔法:ライトを使った時のことを思い出します。そういえば、手持ちの盾を対象にしてこの魔法を使ったような。ライトの魔法は、ある程度の大きさのものを光源へと変えることができる魔法です。文章ではわかりにくいかもしれませんが、レオは今、滅茶苦茶発光している盾を持っているのです。レオ自身が空洞に入れずとも、盾を空洞内に放り込めば光源の確保はできそう……!


ひとまず、クロウはザイガンの移動時にゴブリンCへダガー投擲チャレンジを実行すると待機。

続いてレオの手番。先ほど思い出したことを実行に移していきます。橋の下を通り抜け、やや湾曲した通路の途中で移動力が尽きるものの、その先の空洞へと自身の盾を投げ込みます。


クロウ 「レオ! 灯りちょうだいにゃ!」

レオ  「わかった! とどけ!!」


余ったアクションで、ギリギリ射程圏内にいたゴブリンBに向かって、初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムを放ちますが、ゴブリンBは【敏捷力】セーヴィング・スローの結果、[12]+2でこれを回避。なかなか当たらないなぁ……


続いて、ゴブリンB(ため池)の行動。ゴブリンBは、石筍をうまく使い、遮蔽を作りながらクロウへと接敵! シミターを振り回しますが、[4]+4でクロウのAC14には届かず軽やかに回避されます。


さらに続いてゴブリンA(橋)。こちらは、橋の下にいるエステラを狙ってジャベリンを投擲してきます。エステラとゴブリンはやや距離があったため、ゴブリンは不利判定を受けながらも果敢に攻撃。その結果、[18]+4、[17]+4とまさかの好投! エステラのAC13を突破し、4点のダメージを与えます。不利だろうが何だろうが出目が良けりゃ関係ないのさ!


さてPC、ザイガンの手番。ザイガンもまた、橋の下を通過しその先の空洞へ合流。ゴブリンCへと接敵します。そしてそのタイミングで、クロウのトリガーが満たされ、ゴブリンCへとダガーを投擲! しかし攻撃ロールの結果は[6]+5で、ゴブリンのAC15+5(3/4遮蔽)は抜けず、石筍に阻まれてしまいます。


しかし、その攻撃の流れにのってザイガンがグレイヴを握りゴブリンCへ攻撃! 攻撃ロールは[18]+5とゴブリンのAC15を抜き9点のダメージを当てることに成功。ボーナス・アクションでさらに長柄攻撃を繰り出しますが、こちらは[7]+5でゴブリンのACを抜けず。攻撃は空を切ります。


そして、パーティの最も後方にいるエステラは、橋の上のゴブリンに対して初級魔法:炎の矢ファイアー・ボルトを発射! 魔法の攻撃ロールは[18]+5で見事命中。真っ暗闇に燃え上がる紅蓮の矢が、ゴブリンAを貫き8点のダメージを与え打ち倒します!※


エステラ「さて、随分先行したわね。

     念のため、退路を確保しておくべきでしょうし……」

と彼女はつぶやき、炎の矢を生み出し、ゴブリンを焼き貫く。

エステラ「よし。様子を見るとしましょう」


※実はこの時、光源だったレオが離れたために、周囲は『暗闇』扱いに。この時の攻撃ロール本当は不利での判定でした。うっかりわすれて移動しちゃいました。ごめんねエステラ……!


◆イニ順

20:クロウ

17:レオ

16:ゴブリンB(ため池)

8:ザイガン

7:エステラ

4:ゴブリンC(ため池)


さて、再び手番がクロウに戻ります。

クロウは先ほど距離を詰め、斬りかかってきたゴブリンBへ二刀流を持って応戦! 攻撃ロールの結果は[5]+5、[16]+5で二つ目の攻撃がHIT! 鋭い一撃がゴブリンの身体を突き刺し、5点のダメージを与えますが、ゴブリンはまだ倒れません。なかなか根性のあるゴブリンです。


その戦いを見ていたレオは、クロウに加勢しようと瀕死のゴブリンBへ初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムを放ちますが、ゴブリンBの【敏捷力】セーヴィング・スローは[11]+2でギリギリ回避! なかなかやるじゃない……


追い込まれつつあるゴブリンBは、近くにいたレオに向かって反撃の一撃を試みます。シミターを振り回しながら距離を詰めるゴブリンB! 攻撃ロールの達成値は[10]+4ですが、レオのAC16(盾を放棄したため)を超えることは叶いません。


クロウ 「えいっ……! あちゃあ仕留めそこにゃった」

レオ  「えぇい、動きにくい!

     しかも盾もない! ────うわっあぶな!」


さて、ここで本来はザイガンの手番ですが、前のラウンドうっかりゴブリンCが動いていなかったため、ここの手番で行動。ゴブリンCはボーナス・アクションで≪素早い脱出≫を使用。本来、敵の間合いにいる時に背を向けて逃げようとすると『機会攻撃』が誘発させる可能性があります。『機会攻撃』はリアクションを用いて行う追撃アクションで、自分の近くを敵が通りがかったり、自分と戦っている相手が逃げ出そうとしたときに近接攻撃を可能とするものです。戦略ゲームとかであるZOCみたいな感じ。

で、ゴブリンの使った≪素早い脱出≫はこの『機会攻撃』の影響を受けずにするっとすり抜けるスキルのようです。なかなか小憎らしい技を持っていますねこいつら……

さて、すり抜け御免したゴブリンCですが、そのまま空洞の南側出入り口に走り込み、なにやら騒ぎ立てています。すると、それに呼応するようにいくつもの声が上がり始めます。どうやら増援を呼びに行ったみたいです。かしこいな!


さらに追加された増援は、若干装備品の整ったゴブリン近衛が2体、それに先ほど別の洞窟でも見かけたウルフが1体。そして、ゴブリンを大柄にし、さらに醜悪にしたような魔物、バグベアが1体現れます。どうやらこいつがこの隠れ家の主っぽさそう。


それぞれのイニチアチブを決定し、イニ順はこんな感じに変動。


◆イニ順

21:バグベア

20:クロウ

17:レオ

16:ゴブリンB

16:ゴブリンE

11:ゴブリンF

10:ウルフ

8:ザイガン

7:エステラ

4:ゴブリンC


まさかのバグベア21、さらにゴブリン軍団が固まる事態に。これはかなりの乱打戦が想像されます。ただし、今回のラウンドでは彼らは既に行動済みとして扱われ、次回ラウンドより行動する模様。


さて、再びザイガンの手番に戻ります。ザイガンは逃げていったゴブリンCは追わず、ひとまずレオ・クロウが相手しているゴブリンBの元へ急行。グレイヴを振り回しますが、攻撃ロールの達成値は[9]+5、ボーナス・アクションでの達成値は[5]+5と外れ。ひとまず≪激怒≫しながらこの手番を終えます。どうも、じわじわと追い込まれてきたようです……


続いてエステラの手番。先の手番でゴブリンAを倒したエステラも、この手番で空洞の入り口まで合流。入り口から見えるゴブリンBを狙って初級魔法:炎の矢ファイアー・ボルトを放ちますが、攻撃ロールの達成値は[9]+5でゴブリンのAC15には届かず、ぎりぎり外れ! 残った移動力で少し移動し、敵の射程には入らないように調整します。おぉ……狙撃手みたいだ。


最後、この手番でのゴブリンCの行動ですが、どうやら他のゴブリンや親分(?)のバグベアに助けを求めているらしく、行動終了。


さて、再び手番が戻り。今度はクロウ……ではなくバグベア(イニ値21)の手番。こいつ、小癪なことにジャベリンを持っているらしく、空洞に入ると同時にザイガンを狙って投擲攻撃をしてきます。攻撃ロールの達成値は[6]+4でザイガンのAC18には届きません(盾を装備しAC+2)


イニ値首位を奪われたクロウの手番。目の前にいるゴブリンBに向かって、ショートソードで斬りかかります。攻撃ロールの達成値は[10]+5で、とうとうゴブリンBを捕らえることに成功! 8点のダメージを与えて、ゴブリンBを打ち倒します。何と4人がかり。今思えば一匹で4人ものPCをひきつけ続けたこのゴブリンはかなり仕事をしていたように思えます。もう休んでいいんだ、ゴブリンB……


続いてレオの手番。レオは移動しながら先ほど投げた光源の盾を拾い、バグベアと接敵! ついでに初級魔法:聖なる炎セイクリッド・フレイムを放ちますが、バグベアの【敏捷力】セーヴィング・スローは[17]+2で余裕の回避。ぐぬぬ……つ、つよい……


ここからバグベアの近衛として出てきた、若干装備がよいゴブリンE、Fが行動します。ゴブリンEはシミターを構え、さっそうとレオに切りかかるも攻撃ロールの達成値は[2]+4で空振り。続くゴブリンFは弓を取り出し、離れた場所にいるクロウを狙い弓を射かけます。攻撃ロールの達成値は[12]+4とクロウのACを抜きますが、ちょうど射線上に遮蔽物が存在したためクロウのACにボーナスが入りこれは回避!


さて、次にウルフの攻撃ですが、どうやら周囲の仲間と連携し攻撃を仕掛けてくるようです。攻撃ロールに有利判定を受け、目の前にいたレオに噛みつきかかります。撫でてあげるから待って! というのも聞かず、出した達成値は[15]+4で19! レオのAC18を抜き、2d4+2⇒9点のダメージを与えます。そのうえ、噛みついてきたことによって、難易度11で【筋力】セーヴィング・スローが発生! レオはなんとか[15]+1⇒16を出し振りほどきますが、9点のダメージを受け、残りHPは3点とかなり厳しい状態に。


続いてザイガンの行動。グレイヴを構え、ゴブリンEに殴り掛かりますが、達成値は[6]+5でAC15を抜くには至らず。ボーナス・アクションで長柄による攻撃をウルフに叩き込みことに成功し([18]+5⇒23 ウルフのACは13)、8点のダメージを与えます。しかし、ウルフは残りHP3点を残し倒れません。


次にエステラの手番。エステラはすっと岩陰から姿を現し、乱打戦の始まった前線に狙いを定めます。目標は先の攻撃で弱ったウルフ。初級魔法:炎の矢ファイアー・ボルトを撃ち込みます。達成値は[9]+5でウルフのAC13を抜きますが、ダメージダイスが振るわず1点のダメージに留まります。


エステラ「ファイアーボルっ……へくちっ

     ……ふぅ」

レオ  「か……風邪ですか?(血だらけ)」

エステラ「ホコリっぽ……ちょっ

     あんたそんな場合じゃないでしょうが」


最後、ゴブリンCの行動。シミターを構えザイガンへと突撃! 攻撃ロールの達成値は[16]+4といい切り込みを決めます。ダメージは4点、ですが≪激怒≫中のザイガンにはその半分のダメージしかはいりません。ザイガンの残りHPは12点。

しっかし、ブチギレるとダメージ半減ってどういう事なんでしょうね。アドレナリンが大量に放出されて、痛みを感じにくいとかそういう事なんだろうか?


◆イニ順

21:バグベア(HP27/27)

20:クロウ(HP10/10)

17:レオ(HP3/12 残り魔法スロットLv1:1)

16:ゴブリンE(HP7/7)

11:ゴブリンF(HP8/8)

10:ウルフ(HP2/11)

8:ザイガン(HP12/14)

7:エステラ(HP5/9 残り魔法スロットLv1:2)

4:ゴブリンC(HP3/3)


まるっと手番行動が完了。イニ順をHP付で表示してみました。何となくお判りいただけるかもしれませんが、だいぶ押され気味な冒険者たち。特にゴブリンたちは軒並みACが15あり、こちらの攻撃は大体5割程度しか命中させることができません。そのうえ、ボスのバグベアはそれを上回るAC16のフルHP。ここから何とかして巻き返していきたいところ……しかし、現実はそう優しくはないのです。


さて、初手バグベアの行動。その巨体を動かしながら、鈍く輝くモーニングスターを構え、最初の獲物を見定めます。その双眸に映ったのは、黒い毛並みに金の眼を持つ少年ローグ、クロウ。バグベアは大きく息を吸い込みながら、強靭な膂力でモーニングスターを振り下ろします!

その攻撃ロールの達成値、まさかの[20]+4⇒24。最大値クリティカル攻撃だ!

そして恐怖のダメージダイスは、3d8+2⇒[2,6,8]+2⇒18点!! 一気にクロウのHP10点を消し飛ばし、冒険者を血祭りにあげます。最大HPが一気に0に。こんなのもう原型ないのでは……?


さて、ここでHPが0になった時の処理が発生。まさかほぼ初めてのD&D5eでHP0になった時の救命講習を受けることとなるとは……

HPが0になった時の場合、PCの状態は大きく二つに分けることができます。『即死』か『気絶』です。簡単にいえば、ダメージを受けたとき、被ダメージ-現存HP≧最大HPとなる場合、残念ながら即座にお亡くなりあそばされます。ご臨終です。今回の例でいえば、クロウ君の最大・現存HPは10点、受けたダメージは18点なので18-10≧10となり、不成立となるため、クロウ君は『気絶』したものとして扱われます。もしあと2点高かった場合、クロウ君は即座に帰らぬ人となっていました。恐ろしい……


しかし、『気絶』になったからといって、まだ死神の手から逃げ切ったというのは早計です。自身の手番の時、もしHPが0であるならば、【死亡】セーヴィング・スローという不穏極まりない判定をする羽目になります。内容は簡単、1d20を振って10以上をだすだけ。このセーヴ判定に3回成功すると【容態安定化】となり、死亡セーヴを振る必要がなくなります。そして1d4時間後にHPが1点回復し、目が覚めるのです。

そしてこの死亡セーヴにめでたく3回失敗する(1d20で9以下を出す)と、死神と一緒にサンズ・リバーを超え、無事死亡と相成ります。

なお、死亡セーヴ時に1d20で1を出してしまうと、一気に2回分失敗した扱いになり、20を出すと即座にHPを1回復し、気絶から回復します。

HPが0の時にダメージを受けた場合は、死亡セーヴに1回失敗した扱いになり、クリティカル攻撃を受けた場合、2回失敗。最大HPより大きなダメージを受けた場合は即死となります。死体撃ちってレベルじゃねぇ!

因みに、【容態安定化】したからと言って気絶した体にダメージを与えると、即座に安定化は終了し、また死亡セーヴをしなくてはいけなくなるらしい。間違えても【容態安定化】したからと言って悪戯してはいけない。いいね?


救命講習おわり!

さて、都合よく次の手番はクロウくん。先の救命講習に習って、【死亡】セーヴィング・スローを行います。結果は[8]。死神が一歩ずつ近寄ってきていますね。


バグベア『ばぐばぐばぐ』(高笑いらしい)


振り下ろしたモーニングスターの下には、血だらけになって倒れるクロウの姿が。先ほどまで元気に動き回っていた少年が、いまやピクリとも動きません。


レオ  「く、クロウ!?」

エステラ「さーてどうしましょうね。

     ザイガンは囲まれてるし、レオは瀕死だし。

     突破して切り抜ける以外にはなさそうね」

ザイガン「あぁ。逃げらんないね」


つづいてレオの手番。目の前にはバグベア、隣には今もまだ囲まれながらも戦い続けるザイガンと、血だらけで倒れているクロウ。残りの魔法を使える回数は1回……。レオ自身も瀕死の重傷で、もしもう一度ウルフの攻撃を受ければ倒れてしまう事でしょう。残された1回の魔法をどう使うべきか……

結果として、隣で倒れているクロウを回復することに。自身よりも高い近接戦闘火力を持っているクロウ。残り1回の回復魔法を託すなら彼が適任でしょう。それに、神を信じて戦う神官である以上、傷ついた味方を放っておくわけには行きません。


レオ  「クロウ!! 起きてよ、いやだよこんなところで死んだら!

     神の奇跡を……!!」


と、レオは自らの信ずる神に願い、最後の魔力を使いクロウの傷を癒します。1d8+5+3⇒14点。完全にHPを回復!


クロウ 「だぁ……ミスった。ありがてーにゃ」

ザイガン「おっ。やっぱ男はそうでなくっちゃな」

レオ  「よ、よかった……!

     頼むよ、クロウ!」


しかしながら、クロウの手番は既に終わっているため、続いてゴブリンEの手番。シミターでザイガンへと切りかかりますが、攻撃ロールの達成値は[9]+4でザイガンのACを抜けず空振り! よしよしいいぞいいぞ!


そして次にゴブリンFの行動。こちらもザイガンへとシミターで斬りかかります。攻撃ロールの達成値は[20]+4⇒24!? またクリティカル攻撃かねキミィ!!

これにはPL陣大爆笑。戦闘ログに草が生い茂ります。殺意の波動に目覚めたゴブリンたち…… そのダメージは2d6+2⇒[5,5]+2⇒12点! しかし、バーバリアンのザイガンは≪激怒≫中であるため、半減して6点のダメージ(HP12⇒6/14)。≪激怒≫便利だなぁ。純粋にHP2倍と考えると凄まじいスキルですね。


さて、続いてウルフの行動。再びウルフはレオに対して連携攻撃を仕掛けてきます。有利判定を取りつつ、ウルフの白い牙がレオへと襲い掛かる!!

攻撃ロールの達成値は[15]+4⇒19、[11]+4⇒15で命中! そしてそのダメージは2d4+2⇒[4,2]+2⇒8点。クロウに変わるようにして、今度はレオが倒れ伏します!


レオ  「ごめん……ここまでみたい……だ」


再び襲い掛かる狼の牙が、ドワーフの少年の皮膚を切り裂きます。真っ白な肌から、真っ赤な血が流れ、チェインメイルの軋む音と共に、レオが地面へと倒れます。


クロウ 「え、に”ゃ!? レオ!!?」

ザイガン「えーっと……レオを起こすのは誰だっけ?」


どうやら今日は狼にとことん嫌われる日だった模様。

さて、続いてザイガン。かなり不利というか、絶望感漂う戦場にありながらも、グレイヴを握り目の前のゴブリンEへと攻撃を敢行します。しかし、攻撃ロールの達成値は[2]+5でゴブリンのACには遠く及ばず! ボーナス・アクションを使い、今度はウルフに長柄での攻撃を仕掛けます。こちらは[11]+5で命中。9点のダメージを与えることに成功し、ようやくウルフを討伐することに成功。


続いてエステラ。再び岩陰から身を乗り出し、初級魔法:炎の矢ファイアー・ボルトでゴブリンEを攻撃! 攻撃ロールの達成値は[14]+5で19と高達成値をマーク! しかし、ダメージダイスは1d10⇒[2]と伸び悩みます。魔法は遠隔から引きうちができる強みがありますが、なかなか安定しないのがネック。


◆イニ順

21:バグベア(HP27/27)

20:クロウ(HP10/10)

17:♰レオ(HP0/12 残り魔法スロットLv1:0)

16:ゴブリンE(HP5/7)

11:ゴブリンF(HP8/8)

8:ザイガン(HP6/14)

7:エステラ(HP5/9 残り魔法スロットLv1:2)

4:ゴブリンC(HP3/3)


さて再びバグベアの行動。先の手番では地獄を見せてくれたバグベアでしたが、再び舌なめずりしながら獲物を吟味します。叩き潰したはずのクロウがぴんぴんした様子で立ち上がったのが勘に触ったのか、再びモーニングスターを構え、破壊的な一撃を振り下ろします。

その攻撃ロールの達成値、ま、まさかの[20]+4⇒24。最大値ロール死亡確定!なんだい君は、クロウに何か恨みでもあるのかい? それとも好きなのかい??

無慈悲なダイスの女神さまは、ダメージダイスでもそのスタンスを徹底し、そのダメージなんと3d8+2[8,7,7]+2⇒24……ってほとんど最大値じゃねぇか!!

そしてこの24点ダメージ、クロウ君の最大HP10点の2倍以上であるため、『即死』が確定。まさかレオに死の淵から引き戻され、今度は逆にレオが死の淵に瀕したと思ったら、爆速であの世へ直行していきました。死の特急列車にでも乗ってるんでしょうか?

強靭な膂力から振り下ろされたモーニングスターは、細い少年の身体を捕らえ、嫌な音を立てて叩き潰します。先ほどの一撃とは比べ物にならない重い一撃がクロウを襲い、地面へと堕ちた果物のように彼の身体を破壊するのでした。

濃密な血と、死の匂い。敵味方入り乱れた乱打戦の行方は、ほとんど決定づけられてしまいます。


さて、もはやお通夜ムード(PLはテキストで草を生やしまくっていた)な戦闘エリア。もはや勝負はついていますが、一応進めてみることに。ここから先はダイジェスト版。


死亡したクロウ、ほぼ死んだも同然のレオの手番は飛ばし(レオの【死亡】セーヴィング・スローは3で失敗してた)、ゴブリンE,Fの手番に。


ゴブリンE,Fはそれぞれザイガンへの攻撃ロールを成功させ、ザイガンに計2点のダメージを与えます。≪激怒≫、さすが滅茶苦茶硬い。(ザイガンHP6⇒4/14)


ザイガンの手番、ゴブリンF,Eにそれぞれ攻撃を試みますが、AC15を抜くことは叶わずダメージを与えられません。


エステラはバグベアにLv1魔法:万色弾クロマティック・オーブを発射! 攻撃ロールの達成値は[17]+5で命中しますが、3d8のダメージロールの結果、[1,6,2]とダイス運に恵まれず9点のダメージを与えるにとどまります。(バグベアHP27⇒18/27)


ゴブリンCはザイガンへの攻撃ロールを成功させ、5点のダメージをたたき出します。半減して2点を受け、ザイガン。残りHP2点へ(ザイガンHP4⇒2/14)


◆イニ順

21:バグベア(HP18/27)

20:♰クロウ(HP0/10)

17:♰レオ(HP0/12 残り魔法スロットLv1:0)

16:ゴブリンE(HP5/7)

11:ゴブリンF(HP8/8)

8:ザイガン(HP2/14)

7:エステラ(HP5/9 残り魔法スロットLv1:1)

4:ゴブリンC(HP3/3)


そして恐怖のバグベア。いやの手番。ザイガンを対象にモーニングスターを振るい攻撃ロールを成功させます。もはや驚かねぇ。ダメージは9点! 前線で戦い続けたバーバリアンの漢。今ここに崩れる!(ザイガンHP2⇒0/14)


ここで時間も時間となったので投了! 冒険者たちは無惨にも「クラッグモーの隠れ家」にてゴブリンとその親玉に叩きのめされ、壊滅してしまう『全滅END』となりました。FUUUUUUU!!!(謎のテンション)



■PLの感想

いやぁーお疲れ様でした! CP一話目にして波乱の展開、これどうなるの???

普段のファンタジー世界TRPGと言えばソードワールド2.5な私ですが、シビアな空気漂うD&D5eも楽しいですね! あの独特な、癖になる言い回し。MAPの上での戦術要素が非常に大きな戦闘と探索などなど。今まであまり触れることのなかった要素に触れれて、大変新鮮なセッションでした。やっぱ違うシステムに触れると楽しいですね……!

しかし、こうしてリプレイ風に書き起こしてみると、まんまゴブスレ1話みたいな展開で草生えます。調子に乗った駆け出し冒険者がゴブリンの巣窟に入り、そのまま帰らず……この世界じゃよくあることなんですよ。


特に驚いたのが、探索⇔戦闘のシームレスさ。常にPC達の位置座標が明確であるため、戦闘が発生してもシーンを切ったりすることなく、探索の延長線上として行動できるのはとても新鮮でした。また、地上のPCと橋の上のゴブリンといった、3次元戦闘が可能なのもなかなか面白かったですね。スターターセットのMAPを使用しているのもあり、探索時のMAPは細かくいろいろなものが描かれていたり、あぁ~~~ダンジョンだよこれ! ってテンションが盛り上がるギミックが仕掛けてあったり(鉄砲水とか)で非常にわくわくしながら遊ぶことができました。


魔法は使用回数に制限があるため、基本的にリソース管理が極めて重要に。休息を取れば回復できるものの、シナリオ展開が急を要するものなので、どこで何を使って、何を温存するかがとても重要に。こういったのも、MP制ではなかなかできない部分なきがします。ただ、魔法は扱いが難しい……記述によって判定が大きく変わるので、ある程度自分の使う魔法を読み込んでおかないと難しいですね。


戦闘に関しては、ほんとにこれ初心者向けのスターターセットなのか……? と思うほどに辛口展開でした。もちろん、DMの出目が良くPLの出目が悪い、という運要素も非常に大きかったのですが(それはもはやどうしようもない)、BOSSの攻撃に被弾すれば、期待値だけでほぼ気絶確定というのはかなりリスキーでしたね。クロウ君に至っては開幕10割どころか24割で草生えました。全体的にACが高めに設定されているのか(それともこれぐらいがスタンダードなのか?)基本命中率は5割、体感3割ぐらいな気持ち。ACや攻撃ロールの固定値部分では敵に勝っているため、当てやすさはこちらの方が上のはずですが、敵は数で攻めてくるためいずれボロがでてきて、それが積み重なって前衛壊滅。といった感じでしょうか。そこらへんはうまく立ち回りか、罠やDMへの提案で何かしら対策を立てて動くべきなのだろうか……?


そして活躍してくれたPCたち。今回もまたそれぞれに特徴的な冒険者たちでした。冷静に指示を出したり、後ろから援護をしてくれるエステラ。斥候として罠を解除したり(落とし穴には落ちたが)、二刀流で敵を屠ったクロウ。11以上の数は数えられないけど、前衛に立ち最後の最後まで戦い抜いたザイガン。味方を癒し、前衛とともに前線に立ち戦った(そして狼に襲われた)レオ。できる限りPC達の発言を拾い起こしてはいますが、ここでは省略しているやりとりも存在しています。滅茶苦茶やりとりが楽しくて、探索中や戦闘中も楽しくやり取りをさせていただきました!

なお、パーティは壊滅しましたがそれはCP的に非常に困るので、この後のお話はこの戦いに勝利した世界線として扱っていくそう。今までの話は夢だったんだよ!!

はい。


何より、今回のCPを開催してくださったたけしんDMに最大限の感謝を! セッション終了後、パーティー壊滅に強いショックを受けていたようですが、ダイス目クリティカルはしかたない……ダイスが死ねといえば死に、生きろと言えば生きる。それがTRPGなんだよ。個人的には、ほぼ初めてのD&D5eでキャラクターの創造から探索、戦闘、回復、そして気絶と死と。ほぼほぼ重要なイベントにぶち当たれたので大変満足です。意図して死にぶち当たるのって結構難しいので、初めての内に見ることができてとてもよかったですね! 死は誰にでも訪れる最期のおくりものなんです。死は救済なのです。


さてさて、波乱の幕開けとなってしまった『ファンデルヴァ―の失われた鉱山』。冒険者たちの今後はどうなるのか? というかこのリプレイ風記事は続けることができるのか? 次回に期待!

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