2 登録完了出来た

スライムを10体倒し終えた蓮はギルドに戻ってきて、受付に向かう。


「スライム10体倒し終わりました」


「おかえりなさい。では確認させていただきますね。 はい。ちょうど10個ありますね。おめでとうございます。これで試験は合格です」


受付嬢は机の引き出しから一つのペンダントを取り出して、蓮の前に置く。


「これが冒険者の証です。これがないと依頼を受けられないのでなくさないように気をつけて下さいね」


「ありがとうございます」


蓮は置かれた冒険者登録を手に取って、ペンダントを眺める。その一つ何かに気づいて受付嬢に尋ねる。


「あの、ペンダントに書かれている数字は何ですか?」


 蓮がペンダントの指をさしている場所には1と数字が彫られている。すると受付嬢は何かを思い出した顔で話す。


「すいません。それを説明するのを忘れていました。その数字は冒険者のランクを表しています」


「ランク?」


「はい。依頼には適性ランクがあり、依頼に最低限のランクがないと依頼を受ける事が出来ません」


「それじゃあランクを上げるにはどうすれば?」


「依頼をこなしていただいてその功績からランクを上げるしか方法はありません。ランクを上げていただければより報酬が良い依頼を受ける事も出来ますので頑張って下さいね」


「そうですか」


「これで冒険者登録は終了ですが、他に何か気になることはありますか?」


「そうですね…… それなら依頼の受けたいんですけど教えていただけませんか?」


「依頼ですね。では向こうの掲示板があるのは分かりますか?」


受付嬢は前に乗り出しながら依頼が貼ってある掲示板の方を指さす。


「はい、あのたくさん紙が貼ってある所ですよね?」


「そうです。そこから依頼を選んでいただいて取っていただいてこちらに持ってきていただいたら、依頼の手引きを勧めさせていただきます。あと依頼を受けるときには依頼の条件をしっかりと確認してから依頼を受けてく下さいね。良いですか?」


「分かりました。ありがとうございます。じゃあちょっと依頼を見にいってきますね」


「どうぞ。ですけどもう良い依頼は取られてしまっているのであまり残ってはいませんよ」


蓮は一度受付を離れて依頼が貼られている掲示板の所に向かう。掲示板を見ると確かに掲示板には依頼の紙は少ない。


「とにかくどんな物があるかだよな」


蓮はどのような依頼があるのか依頼の内容を見ていく。


「どれも残ってるのはランクが低い物だけか……」


 依頼の掲示板にあったのはすべてランクが2以下の依頼ばかりであった。良い依頼はどれも取られてしまったのだろう。


「まあ、俺はまだランク1だから関係無いけどな。さて、どれにするか」


今、掲示板に貼られている依頼は薬草の採取などの採取依頼が多い。その依頼の中で蓮は一つの依頼を見つけて、依頼の紙を手に取る。


「そこまで大変じゃなさそうだし。報酬も他と比べたら良いな」


 蓮が見つけたのは近くの牧場の夜間警備の依頼であった。依頼の内容は最近牧場付近に現われる獣から家畜を守る依頼だ。


「依頼の条件も大丈夫そうだし、これでもやってみるか。別に野宿は問題無いし採取よりは稼ぎやすいだろう」


蓮は牧場の監視の依頼の紙を持っていき受付嬢に出す。


「この依頼をお願いします」


「牧場の監視依頼ですね。確かに人数も一人からとは書いてあるので受けられますけど……」


受付嬢は心配そうな表情で蓮を見るが、蓮は胸を張って言う。


「大丈夫です。確かに冒険者としては成り立てですけど、同じような事はよくやっていたので慣れているんです」


「そうですか……。では依頼の手続きをさせていただきますね」


受付嬢は依頼の手続きを進めていく。少し待つと依頼の手続きが終わって、ハンコが押された依頼の紙を蓮を渡す。


「これを依頼主に持って行って見せて下さい。終わりましたら依頼主の方に依頼完了のサインをお願いします」


「分かりました」


「では気をつけて下さいね」


「はい。大丈夫ですよ」


蓮はギルドを後にする。


「さて、早速の依頼だ。このまま向かう事にするか!」


蓮は依頼主が経営する牧場の方に歩みを進める。

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