カレの正体

 未知子は見た。

 突然、が少年たちの前に立ちはだかったのを。


「やめて!」


 ありったけの力を込めて叫んだとき、少年のそばにいたもう一人の女の首が、ひょろひょろと延びたのをみた。


「えっ?な、なに!」


 すると、カレがこちらを振り返った。

 少年たちは尻餅をついて、ガクガク震え出した。

『の、のっぺらぼう!』


 そのとき、未知子は叫んでいた。


「のっぺらぼうでもいいじゃない、わたしの大切ななんだから!」

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