『待ち合わせ』
それから、約束の日曜日までは普通に過ごしていた。
普通とは言ってもテスト勉強をしていたり、佐々木を連れて勉強を教えたりしていた。
面倒だったが教えるのは嫌いじゃない、佐々木は覚えが良いのですぐ理解してくれる。
本人は俺の教え方が上手いと褒めてくれるが多分そういうわけじゃないだろうと思った。
俺のテスト勉強にもなったし、二人とも分からないことはあーだこーだ言い合って解いたり、答えを見たり...色々していた。
テストは来週なので今週のうちにある程度勉強できた気がする。
◇
日曜日になり俺と可憐は鈴原先輩との待ち合わせの二時間前に待ち合わせをしていた。
「はぁ...寒い」
十二月も半ばに近づき寒さが最近増してきていた。
可憐に待たせるのも嫌だなと思い十分ほど早く待ち合わせ場所に来ていたのだが、寒いので二度寝しに家に帰ろうかなとか考えてしまった。
「待った?って待ってそうよね...」
俺が寒そうにしている姿を見た可憐はどうやら待たせてることを気にしていたらしい。
「そんなに待ってないから、眠たいだけ...」
十分は地味に長いような短いような気がする。
待ってないと俺が言えば待ってない、眠たいのも本当なのでそう言うと「貴方らしいわね」と微笑んで返ってきた。
「そう言えば朝何か食べてきた?」
「いや、起きるのギリギリだったから何も食べてない」
現在の時刻は八時、鈴原先輩との待ち合わせは十時になっている。
「じゃあどこか入りましょ」
「そうだな」
お店に入ることになった。
十二月も半ばになり街に行くとイルミネーションも飾ってあるところがチラホラ見えるようになる。
「綺麗ね...」
「ん?ああ、そうだな」
朝に見るより夜見た方がもっと綺麗だと思うのだが少し目を輝かせてる可憐を見たらなかなか否定できなくなっていた。
「いらっしゃいませー」
その後店に入り着くことに成功した。
テストが終われば直ぐに冬休みになる。
こんな時期は人通りが多くなって店に入りにくかったりするので結構不安だったがここは空いてるようだった。
「何にしようかしら?」
「俺はサンドイッチかな、この間の手作りも美味しかったし最近ハマってる」
「そ、そうなの?今度また作ってこようかしら」
俺がサンドイッチを注文していると勝手に一人で喜んでいた、また今度作ってくれるらしいがそれならそれで嬉しい。
◇
朝食は結局長くなった。
「貴方が食べるの早すぎるのよ...」
俺が食べ終わったあと可憐が食べてる姿をじっと見つめているとそう言われてしまった。
別に遅いと思った訳ではなく食べ方が綺麗だったので真似しようと思っただけだったが怒られた。
少し恥ずかしがっていたような気もする。
それから時間が過ぎ本当の集合時間になった。
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