第18話

李緒を家に向かい入れ、李緒には、ゆあの部屋の隣にある空き部屋を使ってもらう事にした。

「へえ、結構いい部屋じゃない。気に入ったよ」

李緒は、その部屋に入るや否やそんなことを俺に向かって言ってきた。

「そ、そうか。まあ、李緒の好きなように使っていいからさ。家具とかは、あんまりないけど......」

「大丈夫、あたしは、こういう家具が少ない部屋の方が好きだったりするし」

「ふぅん......」

ちょっと、関心のないような声を出してしまった。

「さてっとー、あたしは今からやることがあるから、朱莉とかと遊んできたら?」

李緒は、その部屋にあるシングルベッドに腰掛けて言う。

「あ、うん、なんかあったら言いに来いよ」

「はいはい」

李緒はクスクスと笑ってベッドに寝転がった。


朱莉と遊ぶ。

さっき李緒に言われた朱莉と遊ぶという事が頭の中にあった。

例えば、こういう遊びをしようかなとか......はたまた、えっちな事とか......。

そう考えている時だった。

「ふぁっ、ちょ、ちょっとゆあってば......!」

「動かないでよー、動くと付けづらいんだからー」

「だ、だったら自分で......っ、はうぅ!」

リビングからロリのはしゃいだような声が聞こえてくる。

これは一体......リビングで何をしているというんだ。

この声からすると......リビングで、まさかの女子だけでイチャイチャとか......?

まあいずれにせよ、現状を見ないとどうにもならないので、俺はリビングのドアをゆっくりと開けた。

「これとかどう?」

「わっ、それはちょっと大胆すぎるんじゃない?」

そこにあったのは、まさかのコスプレを着せあいっこするロリ二人がいた。

なるほど、こういう事か......というか、なぜリビングでするんだ?

着せあいっこなので、当然二人の下着とかは見え放題。

パンツとか......色々と。

むじゃきにはしゃぎながら、ここに俺がいるということを知らずに、下着のまま衣装を選んだりしていた。

うーん、これはどうしたらいいんだろうか?


➀ なにもなかったかのように立ち去る。


② 音を立てて気づかせる


③ 普通に話しかける


............なんで選択肢なの?

選択肢が出てくる小説を俺は読んだことがあったような気がする......って、ここでは関係ない。

これは、普通に考えれば➀じゃないか?

なので俺は、その選択肢通り➀を選ぶことにした。

一度俺は、後ろを振り返りゆっくりと足音などを立てないように立ち去ろうとする。

あと少し、あと少しで廊下に出れる!


「あっ、悠真ってばここでなにしてたの?」


..................。

薄々気づいてはいた。

もちろん、何も無く帰れればいい、ただそう思っていた。

もちろん、そんな何もなく帰れるはずかない。

焦り、そして緊張、この二つが俺の頭の中で回っていた。

時間が硬直したような感じ。

こんなにも、緊張はしたことがあっただろうか。

後ろからは、おそらくゆあと朱莉が俺の背中を見ていることだろう。

そして、目の前にはかわいい顔をして立っている李緒がいる。

この状況、どう収束したらいいんだろうか。

「......あ、李緒、どうして」

「ん?ああ、あたしはただ、ゆあがいないから探してたの」

......こっちは探し物だったか。

多分、ゆあはリビングにいるのではないかという李緒の考えで、この場に来たのだろう。

「ええと......ごめん、ちょっと一階部屋戻るわ」

「えっ?あ、悠真......」

李緒は俺の名前を呼び呼び止める用にはしたが、俺はこのままではマズいと判断したので、一度自室に戻ることにした。

「......見られたかな?」

「大丈夫だと思うけど......」

ゆあと朱莉は何か言っているが、俺にはその言っていることが聞こえなかった。



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