第54話 四人
「ああ、仮王候補だし、カイみたいな奴に王になられても困るし。気を抜くわけにはいかない」
「そうでござるか」
笑顔を俺に向けてくれた。
その笑顔を見て俺は何か安心をした。
「リョウバ、王様になるの?」
「そうだな、なれればなりたいと思っている」
「リョウバが王様凄い!」
王様という言葉にライカは期待をするように目を輝かせていた。
なぜかそれを見ていると、ユウ斗のロボットを見た都獅が俺の頭の中に浮かぶ。
この数分でどれだけ似るようになってしまったのか。
「さてリョウバ殿、カレン殿の所に行こうではないか!」
「急になぜカレンなんだ?」
「助けられたではないかカレン殿に」
確かにその通りだ。あの時カレンがいなかったら俺はその場に取り残されていたままで、きっと二人は倒されていただろう。
「それにカレン殿に今回の件、教えていた方が良いでござる」
「王の候補に決まったこととかか?」
「左様」
「まあ助けてもらったし、な」
「ユウ斗殿行くでござるよ」
「ああ……」
絶望の淵から何とか生還したユウ斗は立ち上がり、俺たちの傍へふらふらと歩いてきた。その顔色はまだ良くはなかった。
「ねえ都獅、カレンって誰?」
一人だけ会話について行けないのが嫌なのか、ライカは都獅の顔を見て、教えてもらおうと目を見、服を掴んだ。
都獅は「そうでござるな」と言ってカレンの説明をライカにした。話を聞いたライカは「会いたい!」と興味を持った。
筋肉痛のため本当は一歩も歩きたくなかったが、都獅の言うことを聞いてカレンに礼を言いに行こう。
「ついでに町とか散策したいから案内しろよな」
「拙者城の中を見て回りたいでござる。この前は川に直行してしもうた故」
「ライカもお城の中見て回りたい!」
「そうだな」
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