僕らの決着
「小娘を何処へやった!ガキィ!!」
犯人グループのリーダー各の男は、突然人質が消えた事に驚き、側にいた銀河にサブマシンガンの銃口を向ける。
「超能力ってやつだよ、おじさん」
銀河はニヤニヤしながら犯人の男に答える。銀河は余裕の表情を浮かべていたが、内心では焦っていた。もし昴が銀河の言った通り、銀河が抜け穴から倉庫に侵入したと思っていたら間違いなく銀河を助けに戻って来てしまう。昴は銀河が、超能力を使えた事を知らないのだ。果たして昴は倉庫の中に姿を現した。テレポートを繰り返し銀河めがけて向かって来る。リーダー各の男は冷静に銀河と昴を見くらべる。
「あのテレポーターのガキは飛距離が短い、こっちのガキは無能力だ。こいつらが近付いたら同時に撃て、二匹とも始末しろ」
気付かれた。銀河はリーダー各の男を一べつし、身を翻して昴の方に走る。銀河と昴が手を繋ぐと、昴はすかさず空中にテレポートをした。倉庫の天井まで約十メートル、少なくとも昴は五回のテレポートをしなければならない。犯人たちがサブマシンガンを構えて、銀河と昴に標準を合わせる。間に合わない、銀河は自身の能力を発動させようとするが、焦っている為か、上手く超能力を使う事が出来ない。
昴は背後で銃口が自分たちに向けられるのを感じた。このままでは銀河共々撃たれてしまう。一か八か、昴は長距離テレポートをする。四メートル、心臓が握りつぶされるような感覚、息苦しくて呼吸が出来ない。昴と銀河は重力のまま落下を始める。昴は覚悟を決めた、銀河の頭と身体をしっかりと抱き込み、銃弾が銀河に当たらないようにする。そして、地面に着く時銀河の下敷きになって、銀河を護れればいい。昴は自身の命が尽きる瞬間、様々な事が頭をよぎった。家族の事、銀河の事。もっと銀河と一緒にいたかった。銀河の語る、弱い超能力者が安心して暮らせる未来を見たかった。夢を実現させた銀河の隣にいたかった。だが、今この瞬間だけでも自分は銀河を護れただろうか、銀河を護る
銀河が昴の意図に気付いた時に感じたのは怒りだった。昴は死を覚悟している、銀河を助けるために。銀河は王さまなんかじゃない、昴だって
銀河と昴の前に、直径八メートルの巨大な
漆黒の空洞が出現した。犯人たちの撃った銃弾が漆黒の闇の中に吸い込まれる。呼吸の整った昴は、銃弾に撃たれなかった事を不思議に思いながら、テレポートで銀河と共に無事に着地した。銀河は、出現させた
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