僕らの自由時間
銀河は時間があると、よく昴とチェスをした。チェス盤と、チェスの駒は銀河が自宅から持ってきた数少ない私物だ。銀河が学生寮に持ち込んだ物は、ノートパソコンと、少しの衣類と、このチェス盤のみだった。後は全て家に置いて来た。二度と戻る事の無い家に。昴は将棋は少しやった事があったが、チェスは銀河に教えてもらったのが初めてだった。昴はチェスの駒の精緻な細工に目をキラキラさせて見入った。
「わぁ、チェスって綺麗だね。物語に出てくるお人形みたい。これは馬?カッコイイ!」
「この馬は
「将棋の桂馬みたい」
「ああ、桂馬の動きと似てるな」
銀河は昴にチェスのゲームから、相手の裏を読む事を学んで欲しいと考えていた。超能力戦において、相手の能力を予測し、自身の能力を知られないように戦うには頭脳戦が重要になってくる。昴はまだ子供だし、とにかく素直な性格なので、相手の裏をかくという事が出来ない。その点でいうと恵太は、ズル賢い性格で、相手の弱み、痛い所を確実についてくる。敵ながら、その点だけは賞賛に値する。昴は
「なぁ昴、この
「位置を入れ替えるの?うん僕物体に触らなくてもテレポート出来るから、できるよ。でも何で
「
銀河は
「チェスって、命がけで
「ああ、
「皆は
「ああ、
「皆は
この
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