僕らの出会い
銀河が国立PSI学校に編入したのは、小学校三年生になって直ぐだった。教師に校内を案内してもらっている時の事、中庭にある渡り廊下の横で、口論をしている生徒たちがいた。二人は銀河よりも年上で、どうやら中学生のようだった。銀河が気になって見ていると、急に学生の一人が宙に浮いた。もう一人が超能力を使ったのだろう。宙に浮いた生徒は悲鳴を上げて謝っている。銀河はたまらず、案内をしている教師に、喧嘩の仲裁に入ってくれと進言した。しかし、教師は争っている生徒たちを一べつしただけで止めに入る事は無かった。本当に危なくなったら別の教師が止めに入るから大丈夫だというのだ。銀河は驚いて教師の顔を見た。その瞳には、教師としての、生徒を育む愛情のカケラも見受けられなかった。まるで実験動物の行動を見つめているような冷たい眼差しだった。銀河はそこで改めて超能力者の子供たちの現状を痛感した。PSI学校の大人たちは生徒である子供たちの事などどうでもいいのだ。ただ、争って、傷つけあって、Aランクになれる超能力者だけを選別できればいいのだ。Aランク以下の者たちは使い捨ての駒に過ぎない。そしてAランクになった者たちは、国の便利な道具として使われるのだろう。
銀河は自室のベッドの上に寝っ転がって、つらつらと思考を巡らせる。銀河はPSI学校の編入試験でDランクになった。判定した教師も、成長と共に超能力も向上するだろう、学校で精進しなさいと、冷めた態度で言っていた。しかし、銀河には漠然とした確信があった。自分は超能力では大勢しないだろう。学校の授業で、超能力の授業が週に三回カリキュラムに入っている。
数ヶ月経った頃、銀河にルームメートができた。東雲昴、Cランクのテレポーターだ。理想的だ、銀河は思わず心の中で呟いた。身長は銀河よりも小さく、大きな黒い瞳が潤んでいて、今にも泣き出しそうだ。まるで震えたチワワだな。銀河が見た昴の第一印象だった。昴は内向的な性格で、銀河が何くれと話しかけても、口の中でモゴモゴ呟くだけでちっとも会話にならない。銀河の計画を進める為には、先ずは昴と打ち解けなければならない。どうすれば昴と仲良くなれるのか?昴に銀河を信用してもらわなければ、銀河を仲間と認識してもらわなければいけない。学校生活を続ける内におあつらえ向きな事が起きた。引っ込み思案な昴は、編入早々クラスのいじめっ子、恵太に目をつけられた。恵太はCランクの
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