第13話 きららの危機①

 きららが怒るのも無理はない。

自分の所にきていた客を取られてしまったからだ。



 その日は突然訪れた。

きらら達の働く風俗店にとてつもない新人が入ってきたのだ。働くメンバーの誰もが叶わないほどの新人が。

170cmを超える高身長に端正な顔立ち、モデルの中でもトップクラスのスタイルの良さであろう美女。加えて、マナーや礼儀もきちんと教育がされているのであろう、どれをとっても抜かりのないものであった。

当然きららとしては面白くない。


「クソー!誰も客来ねえから暇じゃねえか!客いねえと金が入んねえんだよ!」


 腹立たしくて仕方がない。

しかし、きららとしては打つ手もないため、余計に苛立ちが増した。

苛立つきららを見て、その女性は嘲笑うかのような表情を見せる。

 おまけにその女性はきららに対し、


「あなたのような下品な人間に果たしてお客さんは来るのかしらね。」


と言った。

それが今きららが家の中で怒っている理由だ。

さて、どうするか。





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