第217話 攻撃型究極変型
お幸は再びボタンを押した。ゼータが変形しさらに砲台が増えた。その姿はまるでそう、なんとかモンスターとかフリーなんとかのようだ。
「攻撃型究極変型。伝説龍王総攻撃Z《デストロイドゼータゴーリー》、いっくよー。全弾発射!」
全ての砲台、銃身からありったけの弾を城へ向けて発射した。城の壁に穴が空き、兵を撃ち殺していく。全弾発射後、再びボタンを押すと砲台は外れて地面に落下した。ゼータに腕ができ落下した砲台を武器がわりに掴むと城へ向かって進み始めた。よく見ると足は装甲車のままだ。そのまま城に突入していった。その後を武田軍が続く。
我に返った無事な城兵は再び上から攻撃を仕掛けるがすでに城の1階では白兵戦が始まっている。本多忠勝、井伊直政達が1階を制圧しそうだ。そこに南側からの兵も加わり、城兵は2階に逃げ上からの攻撃に切り替えた。上に登る階段を壊し、武田軍が上に来れないようにし、その上で上から攻撃を仕掛けている。
城には入ったものの上に進めず、上からは一方的に攻撃を仕掛けられ兵が消耗していく。お幸はこのままではまずいとゼータが持っていた砲台を2階に投げつけた。兵が何人か倒れたようだ。そして機銃を連射し入り口付近から敵兵を遠ざけた。よく見ると左腕が丙装備になっている。お幸は2階に向かってゴーリーパンチを飛ばし、爪を2階に突き刺した。腕に繋がっているワイヤーを伝って縄をかけさせた。直政の部下が縄を登り2階に侵入していく。そこを陣地としどんどんと兵を2階に上げていった。
「これはまずい。緊急事態だ、その紐を引け!」
2階の指揮官は甲賀三郎という甲賀の棟梁だった。三郎の部下が紐を引くと1階の床が抜けて多くの兵が落下していった。その下には剣山が敷き詰められていて多くの兵が串刺しになった。お幸も落ちた、が、ゼータの中にいた為無事だった。井伊直政も落下したが、運良くゼータの上に落ちかすり傷で済んだ。
「このようなカラクリ仕掛けまであるとは。お幸殿、助かりました」
「井伊様、その腕を伝わって上へ進んでください。ゼータは打ち所が悪かったようで動きません」
直政が動こうとした時、城の上の方から大きな砲撃音が響いた。
少し時間を巻き戻します。
右近は伝説龍王総攻撃Z《デストロイドゼータゴーリー》の攻撃を上から見た。なんてすごい武器だ。だがわしはあれを超えてやる。まずはこの長距離砲だ。これであの遠くに見える武田本陣を攻撃するぞ。部下に命じて砲弾をセットさせた。狙いをつけるべく砲台を動かそうとした時、そいつは現れた。
「そちが右近か?よく間に合わせたな。褒めてつかわす。余は武田勝頼じゃ」
「何だと、どうやってここに。いや、ここで死んでいただこう。お前達、やっておしまい!」
なんだそのセリフ?と思ったが気にせず敵兵に向かう。右近の部下はリボルバーを懐から出してきた。勝頼の前には高城が立ち、紅、黄与、紫乃の3人は雪風改をぶっ放した。3人の弾倉が無くなった時、銃を構えていた右近の部下は全員倒れた。残りは10名、各々が刀を構えた。
なんか、見覚えのある構えだな。何だっけ?
「武田勝頼様でございますな。ここでお会いできるとは思いませんでした。それがしは柳生宗矩と申します。ここにいるのは皆門下生でございます。父、石舟斎より勝頼様は剣豪と伺っておりました。是非お手合わせをお願い申します」
柳生きたー!でも石舟斎には会ったことないぞ、もしかして上泉伊勢守か!
「柳生殿と申したな。わしは今急いでおる。戦が終わった後、試合なら受けても良いが、どうじゃ?」
「柳生家は縁あって殿下に従っております。戦が終わる時、それは勝頼様がこの世から消える時です」
はあ、そうきたか。やるしかなさそうだ。
「高さん、寅松、それにお前ら。下がってろ。もし右近や柳生の門下生が手を出そうとしたなら迷わず撃ち殺せ。それと、寅松。あれは使うな、純粋に剣の勝負をしたいのでな。柳生殿、部下に手出しはさせません。そちらもよろしいか?」
「よろしいので?全員でかかってきてもいいですよ。わかりました。こちらも門下生には手を出させません。お前達、良いな」
勝頼と宗矩は3m離れて向かい合った。お互いに刀を抜いている。宗矩は驚いた、隙だらけなのに勝ち筋が見えない。どこを攻めても切り返され負ける気がする。
「これほどまでとは。どこで修行なされましたか」
勝頼も困っていた。宗矩には隙がない、それに恐らくだが無刀取り、そう勝頼が上泉伊勢守に見せた真剣白刀取りはマスターしているだろう。つまり攻められなかった。
「話す余裕があるのか?大したものだ。立っていても仕方ないか、参るぞ」
勝頼は仕方なく仕掛けた。刀がぶつかり弾けた。なかなかの手ごたえだ。今度は宗矩が仕掛けた、連打連撃、目に見えない速さの剣撃が勝頼を襲う。勝頼は受け切り陽炎を使おうとしたが、嫌な予感がして思い留まった。陽炎はお互いに知っている、つまり返されるという事だ。このままでは拉致があかないなと、
勝頼は距離を取り刀を鞘に納めた。そして、右足を前に出し低く構えた。
「抜刀術か?勝頼様。それがしは刀を抜いております。これから刀を抜く勝頼様にこの宗矩が遅れを取るとお思いか?」
「宗矩殿、そう思われるなら試してみてはいかが?」
空気がシーンとし、この空間だけ静寂がおとづれているようだ。実際は下でドンパチうるさいのだが。
宗矩が勝頼に仕掛け、袈裟斬りにしようとした。刀が当たる瞬間勝頼の身体は宗矩の後ろにあった。
「武田流抜刀術 神滅閃」
柳生宗矩の身体は真っ二つに斬られた。
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