第211話 いざ、突入
3日が過ぎた。信勝は本陣を城から2kmのところに置いた。本陣には生き残った諸侯が集まっている、一部を除いて。ここにいるのは、信勝、蘆名幸村、佐々成政、武田信豊、武田信平、織田信忠、伊達小次郎、山県昌景、内藤修理、佐竹義宣、里見義康、本多忠勝、そして真田昌幸だ。蘆名、佐々の軍はほぼ無傷だが兵がかなり減ってしまった諸侯も多い。ここの諸侯の兵が合計で八万といったところか。他に勝頼の別働隊と無傷の上杉が残っている。信勝は話し始めた。
「大御所はこう申された。大阪城は正攻法では落とせん。他方面から攻撃を仕掛けると。すでに上杉、直政が動きはじめているし、源三郎考案の地下道は掘り始めている。城までは無理でも外堀は越えられる。信豊は東南から穴掘り部隊を、織田は南西から穴掘り部隊を指揮してくれ。忠勝は直政の支援を、海から掘りを伝わって城攻めだ。上杉はすでに北側の掘りを埋めにかかっている。北には門が無いから城へ侵入できん。だが無いなら作れというのが大御所の指示だ。武田には壁を壊すいい武器があると。正門からは昌幸、ここから頼む」
「はっ、輸送船
諸侯はそれぞれ準備に向かった。その頃城の北側では直江兼続の指揮の元、外堀の一部が埋められていた。上杉は戦闘に参加せずに黙々と堀を埋めていたのだ。兼続は景勝に報告した。
「なんとか間に合い申した。大御所の決行は明日、皆の攻撃に合わせ突入致します」
「上杉の名に恥じぬ戦をしようぞ」
「はっ」
井伊直政は田中光吉と海軍の生き残りを使って河口に沈んだ楓マーク2の位置を動かし、小型モーターボート
「光吉殿。お頼み申しましたぞ、それがしの計算では間違いなく届きます」
「わかり申した。ここはわしが努めます。井伊様は城へ」
直政は護衛に千名を残し、残りの二千の兵と海軍を連れて城突入に備えた。ここも準備万端のようだ。
勝頼は夕暮れの海岸にいた。やっとここまできた。何で転生したかはいまだにわからないが秀吉を倒す事が使命に感じてここまできた。勝昌を失い、助さんや多くの家臣を失った。明日、決着をつける、絶対にだ。
お市は高熱を出して寝込んでいる。ここまでだいぶ無理をさせてしまった。もうお市が戦う事もないだろう。桃は結局お幸のところに残った。ゼータを勝手に使った名誉挽回をするためにお幸を手伝うと。本当は戦国飛行隊4人は勝頼と行動を共にするはずだったが作戦変更だ。
「大御所。ぼちぼち移動します。船に乗って下さい」
高城が呼びにきた。じゃあ行くか、と思ったら服部半蔵が現れ頼んでいた事を突き止めてきた。なるほどね、読み通りだ。さあ、行きますか!
翌朝、武田軍の攻撃が始まった。まず、西側から田中光吉の声が響き渡る。
「エネルギー充填120%、
長距離砲が火を噴いた。ご存じの通りエネルギーは使ってません。砲弾は大阪城西側五階を直撃した。『ドーーン』という音と共に城に振動が走る。大阪城の壁は鉄板が貼られている為何とか持ち堪えていた。直政は怒露駿技愛ドロスギアに固定されていた大砲を分解し、
「よし、合図だ。かかれー!」
一斉に各部隊が行動に移した。上杉景勝は直江兼続に入り口作成を指示した。城の北側には門がない、堀を埋めて前進したものの城への入り口がないのだ。兼続は勝頼から貰い受けた大型ボーガンに鉄の矢をののせた。勝頼が箕輪城攻略に使った豪傑極超矢だ。重さ200kgの鉄の矢が時速200Kmで飛び壁にぶち当たった。壁の一部が少し崩れた、だが兵の入り口にはほど遠い。続けて5発の鉄の矢が壁を攻撃するとついに壁が崩れた。
「全軍、進め」
上杉軍は壁の隙間から少しずつ城へ侵入していった。城の兵は西側の攻撃と正面に目が向いているようで北側は手薄だった。上杉軍はゆっくりとだが城へ向かって進んでいった。
正面では作戦通り佐竹軍が侵入して盾で壁を作り始めていた。外堀の石垣から機銃や鉄砲の攻撃があり、兵を犠牲にしながらも盾を展開して銃攻撃を無効化した。そして装甲車2台と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます