第14話 塩硝を作ってみよう
塩硝作りをどこで行うか、吾郎に相談した。
「四郎様、確実な方法なのですか?」
「自信はあるが、まだ実施した事がない」
「それでは、場所を変えて二ヶ所で行ってはいかがですか?」
うん、いい意見だ。素直に言う事を聞く四郎君。偉いなあ四郎君。
格さんと吾郎を引き合わせ、作戦会議を行う。
「塩硝作りは気を長く持たねばならん。先ずは、硝酸カルシウムを作るのだが、」
「お待ちください、何ですかそのナンダ組むと言うのは?」
アッチョン〇〇ケ!! しまった。そりゃわからんわな。
「すまん。南蛮語だ。わかるように説明するよ」
「南蛮語もお分かりになるのですか!さすが四郎様」
冷や汗出たわ!
「まず最初に作る物をA じゃない甲として、次に作る物を乙とする。甲と乙を混ぜて、沈殿物を集めればそれが塩硝だ。ちゃんちゃん」
簡単そうに聞こえて顔色が良くなる格さん。単純な奴め。
「それでだ、甲の作り方なのだが、…………………簡単だろ? 」
顔色が急に悪くなる格さん。世の中は甘くないのだよ、フ、フ、フ。
甲、つまり硝酸カルシウムを作るには、草や木にアンモニア(おしっこ)をかけて発酵させる。日当たりがいいと乾いてダメ。雨に当たってもダメ。たまに酸素をいれるためにかき混ぜる。
そうして1年位経つと出来上がる。硝酸カルシウムは水に溶けるので、ろ過して乾かせばいい。
乙は炭酸カルシウム。有機物を焼いた灰の中にいるからこれも水に溶かして回収する。
さて、上手くいくかな?
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