第10話 諏訪の生活

どこで、歴史を変えるのがいいのか。川中島、上杉との関係。上杉と戦わなければもっと早く西上できたと思うが、信濃は国衆が小さな一国一城の主で、のらりくらりと強い方につくのが信長の死後まで続いてたから手は抜きにくい。


謙信亡き後、勝頼は景勝と手を結んだくらいだからそこはほっとくべきか。


となると、このあと起きるのは桶狭間、織田の台頭、徳川の発展。本能寺は武田が滅んだ後だから今は考えなくていいね。


まずは徳川、そして、信玄が死ぬ前に家督を継ぐ事。それができなきゃ転生した意味がない。


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この時代は鉄砲が普及し始め、各大名が金に糸目をつけず買いまくってた時代。


鉄砲は国友村でも生産されはじめたが、火薬の素の硝石は輸入に頼っていたため、港に近い武将が有利であった。


甲斐は山の中で港もないため、火薬の入手には不利だったが、父上が金山を開発したため、碁石金と呼ばれた金で山本勘助が買い漁っていた。



6歳になった勝頼は、諏訪の山々を駆け抜け金以外で金になるものはないかを考えていた。

父上は金以外にも特産品の売買で国を豊かにしようとしていた。戦でただ蹂躙するのではなく、新しく領地となった土地の民に武田が領主で良かったと思われないと治世がうまくいかない事を理解していたのである。


ただ、信濃の攻略においては、信玄は鬼だった。逆らう者は殺し、金山に送り込んで労働力とした。


それがために、信濃の人の心は武田が滅ぶまでなびく事はなかった。


戦うには金がいる。金も掘れば永遠に出るものではない。地場産で何かできないだろうか?諏訪には温泉があった。甲斐にも沢山あったが、諏訪の湯は温度が高く身体の芯から温まった。


「よし、これであとは待つだけだな」


勝頼は温泉を乾かして温泉の素を作った。街に持って行ったり、旅に出る山本勘助にも持たせたが全く売れなかった。

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