第9話 諏訪に引っ越す
勝頼は2歳になった。言葉が出せるようになり、もう普通に会話ができそうだったが、流石に不自然なので、多分2歳ならこのくらいだろうと
「あーい」とか「うー」とかで意思疎通していた。3歳になったら実力を出そうって、転生前もやる事を後回しにしてたっけ。でもいきなり喋ったらおかしいよね。
三条さんのところに怪しい坊さんが出入りしていて、俺にお菓子をくれた。
食べると、毒っぽいので一口でやめて裏で吐いた。余ったお菓子は三条さん付きの気に入らない女中にあげたら喜んで食べた。
次の日もその次の日も同じようにお菓子をもらい、それを女中にあげた。
食べてないんだけど、母にお菓子をもらったらお腹が痛くて調子悪くなったふりをして、
「あー」とか「うー」とかで具合が悪い事を伝えたが流石に母親。理解したみたいで、
父上に
「このままでは四郎は殺されます、四郎と諏訪に行きます」
と夜逃げのように引っ越した。母上には女中の事と、怪しい坊さんの事もうまくない絵と言葉足らずな会話で伝えていたので、それが父上にも伝わった。
三条さんは部下に坊さんを殺させて証拠隠滅。
女中は首になっていたが、翌週に死んだ。歴史では、諏訪で育ったはずだから、こういう事情だったのかと理解。戦国は甘くない。
諏訪に行くと今でいう熱烈大歓迎だった。諏訪家の直系である母、その子である俺は諏訪の跡取りとして多くの家臣に出迎えられた。確か、この後高遠が反乱して高遠家を継ぐんだよな、俺は。
ところで何で転生したんだっけ?そうだ、天下を取るのだった。
勝頼は猛将だった、でも裏切られた。俺はどうしたらいい?
まず信頼できる家臣を作る事だ。あと、現代の知識を活用すればきっと。
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