第3話 馬場美濃流 その1
馬場美濃流 33歳、独身。彼女いない歴15年。高校の時に付き合ってた彼女と別れてからいい出会いがない、という言い訳をしているが実はモテない。
歴史オタでアニオタ。中学の時に仲の良かった友達が化学部に入ったので、なんとなくそこから理系に。つまり、本人の意思というより流されやすい。
平均的な成績で、一応大学でて、就職してというどこにでもいる特に取り柄がない男。ただ、歴史は本人曰く詳しい。
働き方改革という名の有給取得が推進される中、週末にくっつけて喜んで休暇を取り、戦国聖地めぐりをしている。
「関ヶ原かあ、こんな狭いの!」
「ここに金吾中納言がいたのか。嘘くさい」
「安土城ってこんなとこに」
東京まで帰る途中に寄れるところを探して、長篠城によってみた。
「これがあの長篠かあ、例の鉄砲3000丁はどこだ?」
車で数分のところに標識があって跡地は直ぐにわかった。
「え、!???」
そこは予想していた以上に狭く絶対にここじゃないと思った。いや、場所が違うか歴史が装飾されてるかだ。
確かこの後新しい城に逃げようとしたんだよな。
何となくだが付近を散策したくなって、車で移動しては歩くを繰り返した。今から思うと
何でそんな気になったのかわからんが、やっぱり呼ばれたのかな?
風が吹いて、木から葉っぱが落ちて顔にあたった。
その時、ふと声が聞こえた。
「無念じゃ」
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