第25話、離宮
宴は滞りなく進み、終わった。
俺たちは最高神様にお礼をいい、片付けに入ろうとしたのだが、この後は、酒好きの神様の二次会兼呼ばれなかった神様の宴が開かれるそうで、帰っていいといわれました。
その夜、俺は久しぶりにニールを抱いて寝た。
「ねえセナン、ステラはもう抱いてあげた?」
「いや、俺には君しか…」
「駄目よ。明日は、ステラと三人で寝ましょうね」
「どうして?」
「明日、教えてあげる」
翌日、俺は町を囲うように12の神殿を建てた。
そして、各神殿に祭神を明記した。
太陽の神殿:太陽神アポロン様
大地の神殿;土の神ティターン様
大海の神殿:水の神ポセイドン様
風雷の神殿:風と熱風の神パズズ様
火炎の神殿:火の神カグツチ様
美月の神殿:月の女神アルテミス様
金物の神殿:鍛冶の神ヘファイストス様
静寂の神殿:静寂を愛する女神メルセゲル様
花木の神殿:此花咲也姫様
芸能の神殿:動の女神アメノウズメ様
愛美の神殿:美の女神ビーナス様
聖也の神殿:主女神天照大神様
ご神体は、土の神ティターン様から教わった3Dコピーのスキルを使い、複写させてもらった。
この時のポーズでひと騒動である。
神らしい決めポーズはとか話題になって、一番とばかりに右手人差し指を高く掲げたアポロン様に始まり、両手腰のティターン様、腕組みのポセイドン様までは順調だった。
いや、両手を広げたパズズ様、かめはめ波のようなしぐさのカグツチ様。弓を構えたアルテミス様、金槌をふるうヘファイストス様まで順調だったといえる。
問題はここからだ。
ああでもない、こうでもないと決められないメルセゲル様に対し、お先にと、両手をかき抱く咲也様に、踊りのワンシーンのうずめ様。ビーナス様は定番のポーズは嫌だと悩みこみ、結局この二人を何度も作り直して一日が過ぎた。
アマテラス様は、赤子を抱いて微笑むポーズで一発だ。
結局、メルセゲル様は唇に人差し指をあてた”シー”のポーズで、ビーナス様はミロのビーナスのポーズ。両手がどうなったかは現地を確認いただきたい。
これを公開したところ、面白いことが起こった。
それなりにみんな支持を集めているのだが、広く全体から支持される鍛冶の神に対し、踊り子と対になって絶対的信頼を得ているウズメ様。
みんなそれぞれに、工夫を凝らしたお供えも見ていて楽しい…、いや楽しんでいる場合じゃない。
リクエストの品を…、お供えにリクエストっていうのはアリなんだろうか…
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