第24話、ビームをおぼえた

俺は頭の中が真っ白になった。


「ニール…」


「セナン…」


「まあ、この二人は少しの間遮断しておこう。

さて、これまで神界は人との関与を原則禁止してきた。

その結果、人間の信仰心は薄れ、神界自体の力も弱くなっていく一方じゃった。

今回、異界の神が不手際から少しだけセナンと接触した結果、神界はこれほどの力を回復することができた。

これを教訓とし、本日より人間界との直接関与を解禁する」


なに! うおー! セナン、すげー!


「ただ、あくまでも正しい行いに対してじゃ。

悪意を助長するような関与はこれまで通り禁止じゃ。

神界は人間界とともにある。皆の励みを期待しておるぞ。以上じゃ」


 うおー! すげー! パチパチパチ!


「えー、すごいサプライズでした。

では、乾杯にうつります。ご発声はアマテラス様お願いします。

皆様は、お手元のグラスにお好きなものをお注ぎください」


「はい、シャンパン、ビール、ワイン、何がよろしいですかー」


「では、ご指名により、音頭をとらせていただきます。

神界の人間界の発展を祈念してカンパイ!」


カンパーイ!




「セナン、この唐揚げうまいな。

今度、俺んとこの太陽離宮にも差し入れてくれよ」


「あら、セナンは私の花離宮が先よね。

えっと、タルトとムースと…」


「待て待て、セナンはわしの弟子じゃ。

金離宮へ刺身と日本酒を…」


「セナン、私の月離宮が先だよな。

ワインと入浴剤を頼む」


「ちょっと待ってくださいよ。

離宮っていくつあるんですか?」


「離宮は12あるんじゃ。

陽・月・土・水・風・火・金・花・静・動・美・聖じゃよ」


「じゃあ、帰ったら12のお社を作りますから、そこに祭壇を設置してくださいね。

そしたら、お供えしますから」


「おう、絶対だからな」


「本殿も忘れんようにな」


「わかりました。

人数的にはどうなんですか?」


「離宮はだいたい10柱前後じゃな。残りの神はすべて本殿じゃよ」


「本殿にはどれくらい」


「主神は30ってところだな」


「じゃあ、全体で150と考えればいいですね」


「そんなところじゃよ」




「よし、俺のことを忘れないように、太陽神の奥義を授ける。

太陽光ビームだ。

集束すれば12万度の熱線になる。

魔法防御も役に立たない最強のビームだぞ」


「私は月の弓よ。

魔法の矢を飛ばすの。重力に影響されないで、どこまでもまっすぐに飛ぶし、尽きることのない弓矢よ」


「わしからは、神話級の武具を作れるゴールデンハンマーじゃ」


いやいや、ビームとかハンマーとかいつ使うんだよ…

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