第23話、最高神様からの贈り物
神界パーティーの当日を迎えた。
13時スタートだというのに、会場には10時ころから人が集まり始めている。
「スサノオよ、いくら何でも早すぎじゃぞ」
「異界の神よ。100年ぶりのパーティーだぞ。
3時間などあっという間よ」
「そうですわ。こうして大勢が集まるのも100年ぶり。
ご挨拶させていただく人も大勢いらっしゃるから、これでも遅いくらいですわ」
「ツクヨミの言う通りじゃ。
おお、これはヘラクレス殿。100年ぶりですな」
「オオクニヌシよ。
100年前、お前に腕相撲で負けて以来、修行を重ねてきたのだ。
さあ、勝負だ!」
「アポロン様、少し火力を落としてくださいまし。
これではご挨拶もできませんわ」
「いやあ、嬉しくてつい…」
「ビーナスよ、いつになったらわしのプロポーズを受けてくれるんじゃ」
「それは、300年前にお断りしたはずですよ」
「ヘファイストスよ、お主に作ってもらったイージスの槍がどこかに飛んで行ってしまってのう…」
「あら、イリスちゃん、その髪飾り素敵よ」
そんな会話が飛び交う中、異界の神が開会を宣言する。
「お集りのみなさん、100年ぶりのパーティーへようこそ。
只今より、開催いたします。
どうか最後まで、お楽しみいただきますようお願いいたします」
パチパチパチ
「では、最高神様よりご挨拶を頂戴いたします。
最高神様、お願いいたします」
「うむ。
皆の者、久方ぶりであった。そして、異界の神、此花咲也姫、アルテミス。此度の段取り、ご苦労であった」
パチパチパチ
「そして、何よりも今回、このような催しを開催できた功労者セナンクルミよ、お主が神界に対する敬意を広めてくれたおかげで、神界はこのように活性化しつつある。
この場をかりて、お主の功績を称えよう」
パチパチパチ ヒュー
えっ、神様が俺に感謝って…
「この功績に対し、わしからプレゼントを用意した。受け取るがいい」
なんか、神様がのっぺらぼうの等身大人形を持ってきた。
「これは、わしの作った
「は、はい。ありがとうございます」
「礼はまだ早いぞ。こんな人形を貰っても嬉しくはあるまい」
クスクスクス
「この人形はな、魂が入って初めて意味をなす。
ほらこれを入れてやろう」
最高神様が光の玉を投げてきた。そして光は人形に吸い込まれ、ひときわ強く輝いた。
輝きがおさまったとき、俺の腕の中には…
「ニール…」
「セナン…」
ニールがいた。
「な、なんで…」
「いったであろう、その人形は魂を留める人形じゃ。
ニールの魂を入れたからニールの姿になった。それだけじゃよ」
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