第19話、神様の弟子

ぶどうジュースは5樽分できた。

先に圧搾したので、できるのは白ワインだ。


「『発酵!』

こんなもんかな

『熟成!』

おお、いい香りだ」


1樽を神様に奉納する。


「クロノス様のおかげでワインができました。

チーズと唐揚げも作ってきましたのでどうぞお試しください」


-おっ、できたようだぞ。


-どれどれ、おお!これはうまいな。


-ホント、薫りも申し分ないわ。


-贅沢をいえば、この木の器がね…


-では、わしの出番じゃな。


ポワン


『セナンよ』


「あっ、神様」


『そのままでよい。

わしは鍛冶の神ヘファイストスじゃ』


「鍛冶の神様ですか」


『ポットスチルを作りたいんじゃろ。

その手助けに来た』


「僕にも作れるでしょうか」


『そのためにわしが来たんじゃ』


「お願いします」


『まずは素材集めじゃな。

ほれわしにつかまれ』


「はい」


シュン!


「い、今のは瞬間移動ですか」


『そうじゃ。

瞬間移動を使えば、いつでもこの鉱山へ来ることができるぞ』


「ありがとうございます」


『素材を抜き出すときは、こうじゃ』


抽出エクストラクション!:スチール』


『やってみい』


『抽出!:アルミニウム』


「で、できました」


『ワインを飲むのに、木の器じゃ味気ないからのう。

銀のグラスとかあったらいいんじゃが』


抽出エクストラクション!:シルバー』


『金や銅、チタンやほかの金属も採取しておけよ。

宝石もじゃ』


「はい」




『十分に採取できたようじゃな。自分でもどってみい』


「はい。

瞬間移動テレポーテーション!』」


シュン!


「凄いです!」


『よし、では蒸留器ポットスチルじゃな。

物を成形するときはモールドかフォーミングを使う。

こうじゃ』

『成形:フラワー!』


成形フォーミング:ポットスチル!』

「で、できました」


『剣などはフォーミングと研磨で良いのじゃが、刀を作るときはこうじゃ』

『鍛造!』 『研ぎ!』


「おお、凄いです!」


『まあ、わしの弟子になった記念にとっておけ』


「ありがとうございます」


『それから、ブドウを圧搾するときはプレスを使えば一瞬じゃぞ。

ではな、旨いブランデーを待っとるぞ』


「ありがとうございました」


ポワン♡


『次はわたくしの番ですわ。

大地と植物をつかさどる此花昨夜と申します』


「こ、此花咲也姫様」

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