第13話、魔王討伐!

「そういえば、スキル消去って、一般的じゃないのか?」


「聞いたことねえよ」


「これも、その婆さんに教わったんだ。

えっと、そこの彼女、鑑定で見ていいか?」


「ステラです。どうぞ見てください」


『鑑定!』

「ああ、確かにヒールとハイヒールがあるな。

ヒールとハイヒールを消してEXヒールにして、キュアもEXキュアにしてやろうか」


「で、できるんですか!」


:ヒール、ハイヒール、キュア、ハイキュア、攻撃力2倍、防御力2倍!』


:EXヒール、EXキュア、、高速移動、無詠唱、EXサンダー!』


「ついでに追加してみた。気に入らなかったら変えるよ」


「…ステータス表示!

ホントに無詠唱や高速移動まで、しかも僧侶系には無理なはずの攻撃魔法まで…」


「ヒールもEXヒールも消費魔力は変わんないからさ、その分とかの方が使えるだろ」


「信じらんねえ…

そのスキル構成なら超一級じゃねえか…」


「ああ、教会のシスターでもトップだろうな。

なあ、俺たちも一緒に連れて行ってくれないか。

足は引っ張らずに、お前の補助に回るからよ」


「お願いします。

私は、教会からの派遣ですから、魔王さえ倒せればいいんです」


こうして、パーティーは一気に8人になった。


「お前ら、何でこんな優雅に飯食ってんだよ。

普通、もっと時間を短縮して、乾パンとか干し肉だろ…」


「大丈夫だよ、からさ」


「魔王が逃げてたまるか!」


「十分休養して、食事もちゃんととる。

無理したって体に悪いだけだ」




「何で、こんな悪路を馬車で走れるんだよ」


「落ち着けって。

こいつにも魔物除けの結界を張ってあるからさ」


「そうそう、私たちは体力を回復させないと、大事なところで役にたてないからさ」


「お前らも、何馴染んでんだよ!」




「よし、こっからは歩きだな」


「こっからって、もう魔王城じゃねえかよ。

俺たちが必至んなって、ここまで来るのにどれだけ苦労したか…」


「泣くなよリーダー。

俺は、よく知ってるからさ」


「4日前のことだよ。

何、昔話にしてんだよ…」


「よし『視覚遮断!』

これで、上級の悪魔にしか見えないから、音は立てるなよ」


「お、おかしいって…」


「シーッ」




『EX結界!』

「これで魔王といえど手を出せないはずだ。

みんな補助魔法だけ頼むな」


「「「はい!」」」


おれだけ結界から飛び出し、魔王軍と魔王を瞬殺した。

一応、証拠品として身ぐるみ剥いで、スッポンポンの状態で燃やしてやった。


「なんだか、魔王軍が気の毒になってきました」


「気の毒なのは、あれだけ苦労してボロボロになった俺たちだとおもわない…ねえ…」


こうして俺たちは帰りも優雅に…、普通に生活しながら帰った。

一応、合同パーティーの戦果という口裏はあわせておく。

勇者には、四天王二人分の装備を譲ってやった。


俺たちも、東国に帰り、国王様に戦果を報告し、魔王の装備一式を献上した。

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