関わりたくない、でも放っておけない――そんな隠者の物語
- ★★★ Excellent!!!
転生を打診された主人公リッカは、前世の反動から『他者と関わらない生活』を望むように。
そんなリッカの引き篭もり要求に対して、セカイの管理人が出した条件は『月に一度は町の神殿に生活状況を報告しなさい』――かくてニートは保険手当を手放さないために、月一の失業認定に出向く事となります。
ただリッカが他人と距離を置くのは“不感症”ではなく“多感症”ゆえ。
なので面倒事は極力避けたいと願う一方、困っている人や精霊・妖精達を見捨てられず、リッカはついつい手を貸してしまい、それが益々の面倒を呼ぶ事態に……
大丈夫? また精霊達と引き篭もる?
――でも多分、セカイは貴女達を放っておかないと思いますよ?
文章と心情描写がとても丁寧で、いわゆる「めんどくせー」「またやっちゃいました?」系な転生もの等とは違い、“共感し辛さ”や“斜に構えた感”といったものも全く感じられず、とても安心して読めます。
色々な意味で『見ている人はちゃんと見ているんですよ』というお話です。