第61話 猫
駆けつけた家には、死人のある場所特有の臭いがした。
死体はどこだ。
寝室で男が1人朽ち果てていた。傍に猫。
猫が愛おしそうに腐肉を啜る。こちらに気づくと、猫は金色の瞳で威嚇した。
—何だあの猫は。
前足が艶かしい女の腕になっている。
食らった所から、人間になっているのか
。
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