第50話 検死

 「うわあああ」

法医学教室から、絶叫が聞こえた。珍しい、死体は慣れているだろうに。


「どうした?」と中を覗くと、執刀していた若手がうずくまっている。

「その焼死体・・・」

「うん?」

「中と表がひっくり返ってる」

焼ける前に開きにして、熱で反ったのか。

そう思い至った瞬間、吐いた。2人で吐き続けた。

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