第41話 九相図

 月明りに照らされながら、一人山奥でシャベルをふるう。

あった。以前に埋めた、女の死体。生前の美しい姿が崩れていく様を目の当たりにすると、総毛だつような、形容しがたい興奮に襲われる。


腐りかけたこめかみに口づけをし、耳元で「また来るよ」と囁く。

「待っています」、と返事をするかのように耳から羽虫が飛び出した。

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