第14話 ベンチ

「少し話そうか」そう言って、私の隣に男が座る。そして細身の煙管で紫煙を燻らせた。

「自分のことって、自分じゃ分からないよねえ、お姉さん。」

煙草の煙がどこかへと伸びていく。


眺めていて、ふいに気がついた。

立ち上がり礼を言う。


「私死んでたのね。道案内有難う、そろそろ逝くわ」

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