作者が開き直ったようです

 つーか、生徒会長ね。


 ひょっとして、俺が相原さんにあんな目で見られてたのって、生徒会長と俺がとっても仲悪かったからかな。いや、確かに体育祭の騎馬戦で、生徒会長のジャージのズボンをパンツごとずり下げて、皆の前でフルチソにしたのは反省してるよ?

 しかし生徒会長もボクサーパンツ愛用してるとか、ヤリチソじゃないのかって疑問は抱いたが、間違いじゃなかったかも。


 ……あ。


 もし、生徒会長が黒幕だとしたらどうだ。

 例えば、美々も相原さんもこんな祭りは今回で最後にすると言っていた。ついでに生徒会長の任期も夏前で終わりだ。

 おまけにもし、今までも屋上を乱痴気パーティーに使っていたとするなら、鍵の問題が浮上する。だが、生徒会なら屋上のカギを持っていたのかもしれない。


 そして、なにより先ほど美々に暴露されてた、『好きな男のために好きな男以外と交尾できるなんてこんな天国どこにもないわー』という言葉。

 もし相原さんが生徒会長のために乱痴気騒ぎをしていたとするならば……


 ここから導き出される推理をぶつけてみよう。


「相原さん、ひょっとして生徒会長が絡んでたってことは。このパーティーの主催は生徒会じゃないの?」


「……」


 被告人は無言だけど、これは答えをせっつかない。肯定の意味での無言だろうからな。

 何だよ生徒会、学生自治とか偉そうなこと言っておきながら、性と快楽の宴を主宰していたとは。今度から『性と快』に改名しろ。ビックリしすぎてポックリ逝きそうな真相だわ。でもあっさりイクのはソーローな。


「詳しく説明してくんないかな」


「……」


「もう時間の問題とも思うけど?」


 勘弁はしないが観念はしろ、そういう意味を込めて放った俺の言葉に覚悟を決めたよのか、ようやく相原さんが重い口を開いた。軽い尻とユルい股を開いてた過去についての。


「最初は……仲間内だけで、してた。美々を誘ったのもその時。でもある日、恭一郎さんと知り合って……わたしが乱痴気していたってことを恭一郎さんが知ったら、『これを組織化して収益化すれば、かなり儲かる』って提案してきて……」


「……金を集めたの?」


「そう、新たに参加したい一般男子から、だけ。女子に人気がある男子とか、女子は基本的に無料だった」


「……これガチ犯罪じゃね?」


 無条件で有罪三つ、そっと出し。


 呆れた。いくら集めてたかは知らんが。

 そういや、校内で今どきカツアゲの被害が相次ぐという時期があったな。俺もたかられたわ、返り討ちにして暴露したけど。大問題になったから厳しく取り締まりされ、金が足りなくて参加できないやつらも増えただろうし。

 それで生徒会から恨まれてたりしてな、収入減におちいったから。


 はん、逆恨みも甚だしい。逆さになっていいのはアイナメの時だけだ。

 ちなみに、魚へんに69と書いてアイナメと読むからな。漢字、じゃなかった、感字マメ知識だ。かしこくなって思わずビクンビクンしちゃうだろ?

 この話は下品なだけじゃなく、こうやって痴的な話題も増やせるお得なものだ。痴的なレベルアップ。めざせカンスト。


「それから、参加した生徒の人脈を活かして、恭一郎さんが生徒会長になってからは……生徒会室とか、屋上とかで、パーティーを……」


 暴露は止まらない。裁判官はみんな、思ったより事件がでかくなってきてびっくりしているよ。

 なんですかこれは、本当に下手なエロゲよりも悪質だわ。というか少なくとも生徒会室は消毒と消臭が必要じゃねえの? ただ今後、性と快室って呼ばれるのは本決まりで夜露死苦ヨロシク。あとカイチョサンは夜の露となって死ぬくらい苦しめ。


「そんなことをいろいろ企画しているうちに、わたしと恭一郎さんは、恋仲に……」


「……かいちょと恋仲になれたのに、乱痴気に参加してたん?」


「うん……わたし、男子人気が高かったみたいで、わたしが参加するとメンバーが喜ぶから、ぜひ……って」


「……」


 ここでもいただきましたー! 有罪みっつです! チューボーじゃなくて高校生だけどな。


 それ彼氏じゃなくね? 利用されていただけじゃね?

 いやまあ、確かに相原さんがいたなら参加するやつらも多かっただろうけどさ。性欲自慢のゴキブリホイホイ。そして秘密を握られ、粘着シートで身動きが取れなくなると。


「……で、美々は。それに喜んで参加してたのか?」


 満を持して、ここでもう一人の被告人に振る。

 関係ないけど、まんをじして、ってなんかイヤらしいな。性別が女ならみんなマンを持してるけどさ。


「……うん。入学当初は本気で、同じ学年の男子生徒全員を食べるつもりだった。けど、ママが再婚、して……」


「……それが、どうしたんだ?」


「本気で好きな人ができたけど、振り向いてもらえなかったから……快楽に逃げたの」


「心の底からビッチ発言、ありがとう」


 もう有罪しゃもじをあげるのすら億劫になってきたのか、裁判官が無反応。マグロになっていいのはベッドの上だけだってばさ。泳がないと死んじゃうよ?


 そして俺はと言えば、嫌悪感すらも天元突破したよ。おまえらもうゼンラーとして生きろ。俺の思考回路はショート寸前、今すぐに殴りたいのかまだリハーサルなのか、自分でもわからんわ。




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