3話 動く友人 考える俺


学級委員になってしまった日の帰り道

俺は翔と一緒に帰っている。

なぜなら俺と翔の家の位置は

8方位で表すと南と南西のような感じで

絶妙な距離の遠さなのだ


「憂、お前組んだたのか〜?

2人して俺を嘲笑ってたのか?」


「ちげぇよ…

ほんとにたまたまだ。

それにジャンケンに勝って嬉しそうしてただろお前、それに…

俺はお前の恋を応援してるから心配すんなって」


そう、俺はあいつを…みーのことを

1人の異性ではなく、

長く共にいる相棒だと考えてしまうのだ

向こうはどう考えていたとしても

俺からあいつにアプローチすることはないだろう


「分かったよ…憂

じゃあさ、今度俺とショッピングモールで服買いに行ってくれないか?」


「珍しいな…。

急にどうした?」


「なんかオシャレしたいんだよ

俺もみーからカッコよく見られたいんだ」


「あ〜…なるほどな、

分かった、じゃあ今週の土曜とかどうだ?

部活無いはずだし」


「そうだな…

ついでに俺ランニングシューズ見たいんだよね

長距離走ってたら底削れて来てさぁ〜…」


俺、翔は陸上部に所属していて

俺は短距離

翔は長距離である


大会にもかなり出場いるが、

結果はいつもあと少し届かない形だ


「オーケー、

じゃあ決まりだな!

じゃあこの道曲がらねえと帰んの大変だから行くわ

また明日!〜」


翔のやつオシャレに見られたいとか

言うの初めて見たぞ…

恋とは

自分自身を変えるきっかけになるのかもな…



✄-------------------✄


ガチャッ


「ただいま〜」


「おかえり〜」


「兄ちゃんおかえりなさい!」


ただいまという合図の数秒後

家族の声が聞こえてくる。


「兄ちゃん新しいクラスどうだったぁ〜??

翔くんやみーちゃんいた?」


「おう!どっちもいたぞ〜」


「あらいいじゃなーい…

良かったわねぇ〜」


今、帰ってきた途端に元気いっぱいな

声を聞かせてくれたのは

園崎 陽 (そのさき よう)だ

今は8歳の小学3年生だ


そして今夕食の準備をしながら

話していたのは

母親の園崎 幸(そのさき さち)だ


あと今この場にはいないが

父親の園崎 景 (そのさき けい)もいる

父は普段優しいのだが

勉強に関しては少し厳しく

テストを毎回325点以上取らなければ

お小遣いなしなどの制度がある。

逆に通知表など、成績が良かった場合は

ご飯に連れていってくれる最高の父親だ。


こんな4人家族で毎日を過ごしている。


「ママ、今日の夜食はなぁに〜〜?」


「ふふふ〜今日は家族みんな大好きのハンバーグよ!!」


「やったぁ〜〜」


陽が幸せそうな笑顔で床を転がり回っている


「陽 、転がり回ったら危ないよ

大人しくお兄ちゃんとソファーで座って待っておこう」


「はぁーい

でもやることないからお皿出しとくね!」


我が弟ながら正直なやつだ

まぁ俺も食べたいから手伝うか…


✄--------------✄




ハンバーグはとても美味しかった…










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