お節介な季節。(NL)

「好きだ…」


紅が舞う並木道。白色のワンピースをふわりふわりとさせながら歩くその姿に言葉が溢れ出た。誰にも聞こえないような小さな声だったと思う。前を歩く彼女には聞こえないほどには。


「…?」


突然、白色が動きを止めた。どうしたんだろうかと視線を上げると

道のいっぱいの紅に負けず劣らず美しい朱が映る。

どうやら冷たくもあたたかい、お節介な風は僕の言葉を彼女に届けてしまったみたいだ。

もう一度、今度ははっきりと聞こえるようにと息を吸う。

そんな僕の背中を押すように紅い木々が大きく揺れて、空間をよりいっそう紅く彩った。


(暗転)

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