頼りになる背中(BL)※R18注意

「大丈夫だ…ゆっくり…な」

「う…うん」


現実じゃないみたいだ。俺の下で親父が喘いでいるなんて。



親父は頼りがいがあって優しい人格者だった。母は俺を生んですぐに亡くなってしまったらしい。親父は彼女を溺愛していたそうだが、彼女と引き換えになってしまった俺のことを目の敵にすることなく、真摯に向き合って育ててくれた。だからこそ…


「んあっ…ぐっ…」

「だっ大丈夫か?」

「あぁ…俺のことは気にしなくて…いいからっ」


本来なら排泄が行われる場所で息子を受け止めて、聞いたこともない甘ったるい声を吐き出している親父が。現実だと俺は到底思えなかった。

親父の献身的な愛撫によって固くなった俺のモノから溢れたカウパーが潤滑剤となって腰元にかけて甘い痺れが走る。


「なんでこんな…」


被害者ぶった台詞が喉を通って吐き出されたが、どちらかというと自分は加害者だ。


「だいじょうぶ…だいじょうぶだから…」


ふわりと角ばった手で頬を撫でられる。画面の中で見た女優たちのような快楽に溺れた表情をした親父。今までのような柔和な顔を上書きしていく。それがなんだかいたたまれなくて俺は寝ている親父の腕を掴んでぐっと引き上げた。


「んあっ!」


力なくベッドに戻りそうになる背中を空いた手で抱きかかえる。腕を回した背中はわずかに汗ばんでいた。そのまま勢いに任せて親父を抱きしめる。息を吸う音が耳元で聞こえる。その吸い方も俺の理性をすり減らす要因になっているみたいだった。


「これっ…おくにっ…あっ」


重力に従ってさらに奥に入ったのか親父の声が上ずる。力が籠められないのか、だらりとなっていた腕を俺の首元に回すので精一杯なようだ。

俺も体勢を整えるために親父の背中にもう一度手を回す。

こんなに…小さかったっけ。

子供の頃に追っていた背中は、もっと大きかった気がするのに。今俺が回している背中は、とても小さくて、力を籠めたら壊してしまいそうな気さえしてしまう。


「いっ…あ」

「親父…」


ぐんと突き上げると苦しそうな声と共に肩に汗がぽたりと落ちる。その様子があまりにも淫靡で。


「もう…!」


親父のナカを白で汚してしまったのだった。



(暗転)

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