第396話 これぞラスボスだよ。ファフナーは前座だったんだ
姿を変えながら地上に降りて来たそれは、先程倒したファフナーとは違って漆黒のスケルトンだった。
しかし、ただのスケルトンでないのは明らかで、紫を基調とした豪華なローブを着て手には禍々しいオーラを放つ宝箱のミニチュアが先端に据えられた杖を持っている。
髑髏の上には黄金の冠を付けていることから、アンデッドの王たる存在であることは容易に想像できた。
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名前:なし 種族:ノーライフキング
年齢:なし 性別:雄 Lv:85
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HP:60,000/60,000
MP:200,000/200,000
STR:1,000
VIT:5,000
DEX:6,000
AGI:5,000
INT:7,000
LUK:4,500
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称号:アンデッドキング
二つ名:なし
職業:なし
スキル:<浮遊><配下召喚><配下統率><配下起爆>
<
<
装備:バイオレットメランコリー
ホロウトレジャー
備考:なし
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(これぞラスボスだよ。ファフナーは前座だったんだ)
かつての呪信旅団のリーダーを前座扱いはいかがなものかと思うかもしれないが、今はそれは置いておこう。
ノーライフキングのステータスを閲覧したライトは、ノーライフキングこそヘルが瘴気を操作してこの場に呼び寄せた
能力値は魔法系スキルの攻撃重視とはいえ、総合的に見ればファフナーよりも強い。
称号の”アンデッドキング”は全てのアンデッドの上位種であることを示しており、それが理由で<配下召喚>はあらゆる系統のアンデッドを召喚できる。
しかも、今までのアンデッドが保有していなかった<配下起爆>があるので、召喚したアンデッドはノーライフキングの意思で自由に爆弾にもなり得る。
つまり、MPが尽きない限りノーライフキングは好きなだけ爆弾を召喚できるということだ。
しかも、<
幸い、ライトは【
ライトはヒルダ達にノーライフキングについて知り得た情報を共有した。
それと同時に、ノーライフキングが<配下召喚>を発動した。
「数が多いわ!」
「大丈夫! 【
パァァァッ。
ノーライフキングが召喚したのはデスナイトの軍団だったが、今のライトならば一撃で消滅させるのも容易い。
それゆえ、爆弾にさせる暇を与えずにライトはデスナイトの軍団を消滅させた。
「鬱陶しい。まずは貴様から殺そう」
「【【
ヘイトを早々に稼いだライトに対し、ノーライフキングは煩わしそうに<
しかし、その攻撃は読んでいたのでライトは光の壁を展開して防いだ。
(二重に発動しといて助かった)
ノーライフキングのINTが7,000もあったから、ライトは咄嗟に【
その読みは正しく、1枚目の光の壁は数秒で壊されてしまい、2枚目も<
「ライトに手を出さないで! 【
「ライトを虐めるな! 【
「旦那様への攻撃は私を倒してからにしなさい! 【壱式:
ライトが攻撃されている間に、ノーライフキングの左右と後ろに移動したヒルダ達が一斉に技を発動した。
ところが、ノーライフキングは慌てることなく自身を中心に<配下召喚>を発動する。
それにより、自身の前後左右にフレッシュゴーレム軍団を呼び出して文字通りの肉壁にした。
(ノーライフキングだからこそできる戦法だね)
味方を使い潰す戦略は、仲間ではなく配下を従えるノーライフキングだから躊躇わずにできるものだ。
これを人に置き換えてみたとしたら、ファフナー並みの人でなしと評価されてもおかしくない。
そして、ノーライフキングの前方にいたフレッシュゴーレムはライトに向かって突撃し始めた。
言うまでもなく特攻兵である。
だが、それはライトにとって慌てるようなことではない。
<
この大きな岩は、リビングミノスと戦った時に手に入れた<
何かに使えると思って取っておいたこれは、今こそ使い時だとライトは判断した。
「【【【
3本の光の鎖を捻じって1本の太い鎖にしてから大きな岩に結ぶと、ライトは自分のSTR頼りに大岩をフレイルのように振るった。
ノーライフキングは爆発の射程圏に入った瞬間に起爆する気満々だった。
しかしながら、起爆するほんの一瞬前に大岩がフレッシュゴーレム達に命中してしまい、起爆した時には自分が射程圏に入ってしまっていた。
その結果、自分の仕掛けた攻撃で自分がダメージを受ける羽目になった。
とはいえ、大岩も爆発の射程圏に入っていたため、即席フレイルも1回だけでその役目は終わってしまったのだが。
「隙あり! 【
「無駄だ」
ヒルダが接近して攻撃を仕掛けるが、ノーライフキングは<
「【弐式:
「無駄だ」
ヒルダの攻撃を防いだのと間髪入れずにアンジェラが仕掛けるものの、こちらもノーライフキングが瘴気の壁を創り出して防いでみせた。
そこに、イルミも攻撃の手を緩めず仕掛けた。
「壁はぶち壊すためにあるんだよ! 【
イルミの接近に気づいていたノーライフキングは、イルミが攻撃する前に<
その認識は甘い。
イルミは瘴気の壁を簡単に破り、技を発動したままノーライフキングに攻撃を届かせた。
油断していたノーライフキングは、イルミの【
(やるなら今しかない!)
「【
その瞬間、ライトの体からごっそりMPが抜ける感覚と同時に、5本の光の鎖が渦を描くように回転しながらノーライフキングを追撃するように射出された。
ノーライフキングは立ち上がった瞬間に【
ヒルダとアンジェラもやれる時にダメージを負わせようとしたが、ノーライフキングは誰も近づけさせまいと<配下召喚>で自分の周囲にジャイアントミスト軍団を召喚した。
それらが起爆されるかもしれないと思えば、2人は距離を詰めて攻撃することを諦めるしかない。
現に、ノーライフキングは自分が爆発に巻き込まれないようにジャイアントミスト軍団を拡散させてから<配下起爆>を使った。
爆炎で視界を塞がれてしまい、ヒルダもアンジェラも追撃はできなかった。
目眩ましのつもりかと思って2人が爆炎が消えるのを待っていたその時、爆炎の向こうから無数の刃を模った瘴気が降り注ぎ始めた。
音もなく<
ライトの【
「ライトに感謝だね」
「まったくですね」
ヒルダとアンジェラはライトに感謝した。
<
「起爆なんてさせない! 【
パァァァッ。
ライトが抜群の反応支援でヒルダ達の進路を掃除した。
そうなれば、隙を窺っていたイルミが攻撃を仕掛けないはずがない。
「【
「遅い」
威力の底上げをしてからイルミが攻撃すると、ノーライフキングは<
遅いと言っているものの、ライト以外で自分にダメージを与えているのはイルミだけだったので、ノーライフキングはイルミからの攻撃に十分注意していた。
だが、イルミだけに注意していては他が疎かになるのは当然である。
「そこ! 【
「【参式:
取るに足らないと思っていたヒルダとアンジェラの技を喰らってしまい、ノーライフキングは吹き飛んだ。
吹き飛んだノーライフキングに追撃をしたかった3人だが、その直後にノーライフキングの纏う雰囲気が変わったため深追いはできないと判断した。
実際、ノーライフキングは濃い瘴気を繭のようにして自分を覆い始めており、そこから何が飛び出すかわかったものではなかった。
戦いは第二ラウンドへと続く。
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