戻る者、残る者

「分ける? それは大丈夫なんですか?

傭兵部隊【雷馬】は5人揃ってこそだと思いますが・・・」

「それは俺もそう思う、 だがしかし連絡も無しだと不味いだろ」


雷が溜息を吐く。


「それで誰が帰るの?」

「円と金鬼、森羅に報告するのに一定の立場が必要だからな

リーダーの俺が行けないから副リーダーの円に行って貰う」

「金鬼さんも戻るんですか?」

「うん、 そうだな、 流石にリスクが高過ぎる」


金鬼が呟く。


「巾木議員が亜人との対話をしたいと言うのは立派だとは思う

だがリスクがあるから俺は降りさせて貰う

ラビー嬢が無事なのは分かったから無理したくないからな」

「金、 傭兵が危険を恐れて如何する」

「みっちゃんよぉ、 流石に無茶が過ぎるってぇ

深海戦争の時とは状況が何もかも違うんだぜ?

亜人達の中枢に向かうって言うのは深海戦争での戦場が海中になるようなもんだ

しかも少数で、 ラビー嬢も居ないしキツイだろう」

「私も巾木さんと一緒に行きましょうか?」


ラビーが巾木に尋ねる。


「いや、 そこまで無茶は言わない

安心して下さい、 危なかったら普通に逃げますよ」

「それなら・・・まぁ・・・」


カランコロン。

ツイストと共にやって来る盾の騎士。


「ツイスト殿下」

「や、 やぁ・・・ラビー」

「貴方も帝国に帰還を?」

「君を落とせていないのに帝国に帰る訳無いだろう

今日は公爵殿のお見送りをしようと思ってな」

「いや、 可能性無いですって、 現実見ましょうよ」

「まぁじっくり行くさ、 アラモードちゃんは如何する?」

「私は女同士でも良いと思いますよ?」

「一体何を言っているんだ君は、 そうじゃなくてお見送りはするのかい?」

「そうですね・・・【冥府の門】から帝国に入国するらしいので

【冥府の門】がどんな物がウィノと一緒に見て来ますよ」

「え、 ちょ、 俺も行くの!?」


驚愕するウィノ。


「どうせ暇でしょ」

「一生に一度行けるか行けないかの所だしな行って見るのも良いだろう」

「・・・・・そうですね、 行って見ましょう」

「うむ、 よろしい」


画して、 ラビー、 ゼロ、 巾木一行、 ツイスト、 アラモード、 ウィノ

亜人騎士3人は【冥府の門】に向かうのだった。


「るすばんはまかせるにょー、 お土産もよろしくにょ―」

「はいはい」


でぶ妖精は留守番である。

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