もう寝た?

でぶ妖精布団に包まれながら就寝するラビー達4人。

無論男女別々に寝るのだった。


「ねぇ、 寝た?」


でぶ妖精に包まれながら二人で横になるラビーとアラモード。

アラモードがもう寝た?構文を叩き込んで来た。


「いえ、 まだですね」

「寝つき良くないのかな?」

「寝つきが早過ぎるのは気絶している、 と何かで読んだ気がしますが・・・」

「恋バナでもしない?」

「しません」

「えー、 いいじゃん、 男性遍歴とか聞きたいー」

「一応王子の婚約者だったから男性遍歴は真っ新ですよ」

「あー・・・そうじゃなくてさー・・・この子良かったなーとか

小さい頃に好きな男の子、 居たでしょ?

小さな頃の初恋相手の話を聞きたいな」

「・・・・・」


思い出されるのは小さい頃に自分の世話をしていた同い年の執事見習い。

名前は・・・何だっただろうか、 思い出せない。

小さい頃、 自分に良くしていたあの子に抱いていた気持ちは何だっただろうか。

恋心、 だったのだろうか。

とそこまで考えてはと気が付く。

自分は生まれ変わったけどもラビーとして歩んで来た記憶も有る。

それでも『自分』が好きだった子として思い出したのはラビーの幼少時の記憶だ。

自分は何なんだろうか、 そう思った。


「私って何だろう」

「おっと、 話聞いてた?」

「あ、 すみません・・・」

「まぁ気にしないで、 自分の好きな男とかそういうのは自分と密接に関わる

メランコリィになっても仕方ないわ」

「そうですか・・・」

「で?」

「で・・・って何です?」

「初恋の相手よ」

「あー・・・あんまり面白い内容じゃ無いですよ」

「まぁまぁ妻になる女の初恋話はつまらなくても知りたい物よ」

「ははは・・・彼は私が小さい頃に・・・」


こうして修学旅行の様な話は続いたのだった。





一方その頃、 男子陣はと言うと。


「俺さぁ・・・何でこんな事になっちまったんだろうか・・・」


話をしている内に身の上話になり

自身の境遇に号泣するウィノ。


「努力しないからだろ、 学校に行けるだけでもありがたいと思えよ

学費もただじゃないんだぞ」

「辛辣だな・・・」

「俺は学校にすらいけてないがそれなりに良い人生だぞ

ここの店長の料理も旨いし、 騎士団の仲間も良い連中だ

アンタにはそういう仲間とか居ないのか?」

「・・・居る・・・筈だ」

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