洗いっこがしたい人生だった

「所でアラモード殿下、 貴女はこれから如何します?」

「如何しますって、 貴女を落とすまで付き纏うわよ、 私はしつこいからね」


紅茶を飲みながら和やかに話すラビーとアラモード。


「ウィノさんは如何します?」

「俺ぇ? 俺は・・・アラモード殿下について行きますよ

もうこうなった以上アラモード殿下を皇帝にしないと俺がヤバい」

「ヤバい? 何をしたのですか?」

「私を人質にしたのよ、 こいつ」

「そ、 そうですか・・・」


気の毒になるラビー。


「とりあえず今日は厄介になるわね」

「泊まるつもりですか?」

「明日には適当に小屋でも建てるからさ」

「・・・分かりました」

「ありがとう」

「・・・一応礼を言っておこう」

「は? え? ウィノ、 アンタまさか泊まるつもり?」


アラモードが問う。


「そのつもりですが」

「ホテルなら兎も角、 この・・・家?

に男女が止まるのは如何な物かと思う」

「いきなり結婚してくれと言うのになんでそんな事を気にするのか」

「いや、 だってアンタとねんごろしたってメリット無いじゃない」

「じゃあ私に野宿しろと? それは酷いのではないのですか?」

「落ち着いて下さい、 ウィノさんが何かしたら私が全力でボコボコにしますので

ウィノさんも泊って行って下さい」

「ならば私も泊って良いですか?」


盾の騎士が尋ねる。


「何故?」

「婦女子を人質にするような奴を店長と一緒にしてはおけない」

「個人的には頭が盾になっている奴と一緒になりたくないんだけど」


アラモードが辛辣な言葉を吐く。


「彼の人間性は私が保障します、 問題有りません」


ラビーがフォローする。


「それならば良しとしようかな、 よろしくね、 えっと・・・お名前は?」

「亜人はほいほい名乗ったりしないんですよ」

「あ、 っそ、 じゃあ良いわ、 所で寝所は有る?」

「それに関してはおでぶちゃんに任せるにょ」


でぶ妖精がにゅ、 と現れた。


「おでぶちゃんが沢山御飯を食べて大きくなりまんまるとしたベットになるにょ」

「・・・・・」


アラモードがでぶ妖精を持ち上げると蔦でグルグル巻きにした。


「ハムぅ・・・」

「このおバカなおでぶちゃんはほっといて、 汗かいたし一緒にお風呂入る?」

「ここのお風呂は小さいので一人しか入れません」

「洗いっことかしたかったのに・・・」

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