良い様に使われるウィノ(ウィノside)

ウィノとアラモードが赤い森の近くにやって来た。

見た目はウィノがアラモードを人質にしている形だが

実態はアラモードに命を文字通り握られている形である。

アラモードがその気になればマジックハンドで握りつぶされる。


「参ったな・・・」

「それはこっちの台詞だと言わせて貰おうか」


現在、 赤い森の周囲に陣取った貴族達に取り囲まれている。


「ウィノ!! 貴様!! 婦女子を人質にするとはそこまで堕ちたか!!」


陣取った騎士の一人に糾弾されるウィノ。


「とりあえず、 赤い森に行って」


小声で指示をするアラモード。


「・・・分かった・・・」

「良し、 皆さん!! 彼を刺激しないで下さい!! 私に考えがあります!!」


アラモードが周囲の人間達に叫ぶ。


「しかし・・・!!」

「良いから!!」


怖がる馬を置いてアラモードとウィノは赤い森に入って行った。





赤い森に入って暫くして、 アラモードはマジックハンドを解いた。


「う・・・か、 解放してくれるのか?」

「誰も見ていないしね、 解放してやっても良いけど

この私に協力させる栄誉を与えてやってもいい」

「ふざけるな、 こんな所に居られるか、 俺はこの森から逃げさせて貰う」

「落ち着きなさい、 私の手助けをして私が帝位に付けば恩赦を与えてやっても構わない」

「帝位だと? アンタ第20皇女だろ? 帝位継承権は低いんじゃないのか?」

「あれ? 知らないの? 『ラビー・ストロングを娶った者は次の皇帝になれる』

父上はそう仰った」

「・・・・・」


怪訝そうな顔をするウィノ。


「何よ、 その顔は」

「いや・・・だって・・・皇女って事は女じゃないのか?」

「無論私は女よ、 でもビア帝国は同性婚も認められる様になった

つまり女同士でもOKって事よ」

「・・・・・手助けって何をすれば良い?」

「私の前を歩いて貰う、 この森は何があるか分からないからね」

「・・・・・分かった」


嫌そうな顔をして歩くウィノだった。


「所で貴方の固有魔法は?」

「特に無い、 魔法剣が得意だ」

「・・・・・ふーん」


あからさまに見下すアラモードに内心怒ったがそんな事は気にせずに進む。

進んでいる内に一つの建物を見つけた。

大量の薫製箱に囲まれたその建物はレストラン・スコヴィル。


「・・・どうする?」

「先に入りなさい」

「うぅ・・・」

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