身の上話

ラビーは騎士達に自分が元々サンライズの婚約者だった事と

自身がサンライズの浮気相手アスパルを殺そうとして国外追放された事

ツイストからビア帝国のフライ皇帝が自分を高く評価していて

自分を娶った者を次期皇帝にすると言う事を話した。


「王子の婚約者って・・・それって凄い事なんですか?」


盾の騎士が尋ねる。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


考え込むラビー。

サンライズは別ルートでは男の中の男だったが

このルートのサンライズは如何しようも無い男である。


「・・・そういえば二人きりで逢瀬を交わした事も贈り物を貰った事も無いですね」

「そのサンライズって王子・・・言っちゃなんですが・・・その・・・」

「どうしようもない?」

「はい」

「私もそう思いますよ」


軽く溜息を吐くラビー。


「店長の実力は見て知って居るがその王子様はどんな事が出来るんだ?」

「・・・・・何ができるんでしょうかね・・・」

「何だかなぁ・・・あまり女性の過去に口出ししたく無いが

何でそんな男と婚約したんですか?」

「幼少期に親が決めた事なので」

「子供の頃から婚約とか気が早いなぁ・・・」

「王妃教育しなくてはいけないので」

「幼少時から勉強するのですか? それはまた・・・」

「勉強は嫌いじゃ無いですし苦では無かったですよ」

「そうですか・・・」


深い事を聞くのは止めよう、 と思った騎士達であった。


「閑話休題、 さっきの話から言うとビア帝国の皇族達がやって来る

と言う事なのか?」

「そうなるでしょうね・・・」

「ビア帝国の皇帝フライと言うと亜人達でも知って居る有名人じゃないか

政敵の頭蓋骨を引っこ抜いて頭に被っているとか

ヘマした自分の手下の生皮引っぺがして本にしているとか色々噂は聞いてるぞ」

「フライ陛下の被っている頭蓋骨は好敵手の物だと聞いていますが・・・

まぁ国内では好き勝手やっていますが外交は上手くやっていますよ

関税やカラメル王国内への入国審査も大人しく受け入れていますし

無茶はしないでしょう」

「なら良いのだが・・・不安だ・・・」

「だな・・・とりあえず店長、 貴女の話を統合して

貴女が皇族からの干渉に対して迷惑なら我々の保護を受ける事が出来るが如何だろうか?」


盾の騎士から提案を受ける。


「いえ、 大丈夫ですよ、 言い寄る男を振り払うのは慣れています」

「それならいいのだが・・・」

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