巾木達、強奪される(巾木side)

「止めて下さいよ」


巾木の手を下げさせるソーラー。


「なっ・・・早・・・」

「貴方魔法使う気だったでしょう、 本当に止して下さいよ」


雷達がソーラーに走り寄るも巾木は打ん殴られてソーラーは消え去った。


「くっ・・・何処に行った!?」

「巾木議員!! 大丈夫ですか!?」

「割りと痛いが心配無い・・・しかし今のは一体・・・」

「密!!」

「もうやってる!!」


密は周囲に探知の魔法を展開して探っている。


「周囲には居ない・・・少なくとも周囲1㎞には居ないな・・・」

「なるほど、 君が斥候か」

「!?」


突如現れたソーラーに振り返る間も無くソーラーは

ナイフで密の左肩に深々とナイフを突き刺し密の首元にナイフを突きつける。


「さてとでは書状を出して貰いましょうか」

「書状!? 何で書状の事を知って居る!?」

「あぁ、 やっぱりそうですか」


雷はしまった、 と思った。


「鎌かけたのか」

「えぇ、 探知の魔法を持っているにしてもこんな少数で探すのは無謀でしょう

ならば大勢を動かす筈、 大勢を動かす為には偉い人、 公爵当たりですかね

彼からの書状が有ると踏んでいました」

「・・・・・分かった、 ならば書状を渡そう、 密を放せ」

「巾木さん、 俺に構わず」

「いや、 密、 ソーラー殿下はその気になれば即座に我々を殺せる筈だ

噂で少し聞いたが殿下の固有魔法は『光の速さで移動出来る』と言う物だと聞いている」

「んな滅茶苦茶な・・・」

「知って居るのならば否定はしませんよ

私は貴方達を皆殺しにして書状を奪っても良いんですが

外交問題になりかねないので貴方達を殺したくないんですよ」

「アンタ、 ウチの身内を傷付けて外交問題にならないとでも!?」


雷が葉を剥き出しにして唸る。


「そちらも魔法を使おうとした、 イーブンだ」


ビア帝国では指を指す、 と言う行為は相手に魔法を放とうとするサイン。

故に指を指されたら相手に殺されても文句は言えないと言う過激な礼儀作法が有る。


「良いから書状を渡す、 だから離せ」

「では書状を見せて頂きたい」


書状を見せる巾木。


「ストロング公爵家の物ですか・・・ではありがたく貰って行きますよ」


巾木から書状をひったくると即座に居なくなるソーラーだった。


「密!! 大丈夫か!?」

「腕が動かない・・・かなりの深手だ・・・」

「しっかりしろ!!」


手当てを受ける密であった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る