八王主催料理対決の誘い

ネギ多めで激辛たれを作って油淋鶏を食べるラビー。


「ネギが多いのが良いアクセントになっているわね

これも新メニューに加えるべきかしら」

「美味しいにょ―」


でぶ妖精からも好評である。


カランコローンと来客が来た。


「いらっしゃいませー」

「こんにちは店長」

「こんにちは、 今日も美しいね」


盾の騎士と花瓶の騎士が入店して来た。


「ネギの匂いが強いな」

「ネギ多めのソースで油淋鶏を作ってみましたが如何ですか?」

「じゃあそれ二つで」

「御飯も付けて下さい」

「分かりましたー」


カランコローン。


「いらっしゃいま・・・せ?」


店に入って来たのはマクスウェル。

そして見た事の無い亜人の二人組。

頭がマイクになっている亜人とカメラになっている亜人である。

しかもマクスウェルは真剣な表情である。

服装も何時もの何処かの業界人の様な恰好では無くきちんとしたスーツに

紐ネクタイである。


「店長、 今日は商談が有って来た」

「商談、 ですか?」

「そう、 実は八王がそれぞれ料理人を選出して料理対決をする事になった

定期的にやる事なんだが」

「おい」


花瓶の騎士がマクスウェルとラビーの間に立つ。


「ぶち殺すぞ」

「落ち着け馬鹿」


花瓶の騎士の頭を下げさせる盾の騎士。


「止めてくれるな!! こんな事に店長の手を煩わせる訳には行かない!!」

「落ち着いて下さい、 マクスウェルさん

悪いのですがこの話お断りします」


あっさりと断ったラビー。


「ほう、 何故?」

「この前、 令嬢とやった料理対決はこの店の営業権と私の生存権を賭けた対決で

私が勝つ事にメリットがあったから受けた事です

私がこの話を受けてもメリットが無い」

「メリットなら私に借りを作れる事だが如何だろうか」

「借りを作れるですか・・・」

「亜人の最高権力者の一人に借りを作れるって相当凄い事だと思うよ?」

「おのれ・・・言うに事欠いてっ!!」


花瓶の騎士が怒っているので不審に思ったラビー。


「料理対決って、 一体何なんですか?

余りに情報が少ないですよ」

「マクスウェル様、 私が説明しても良いですか?」


盾の騎士が花瓶の騎士を羽交い絞めにしながら尋ねる。


「まぁ良いだろう、 隠す程の事でも無いしね」

「ありがとうございます、 それでは店長に解説しましょうか」

「よろしくおねがいします」

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