巾木達、強襲される(巾木side)

ゼロの協力によりラビーを助ける為の兵を動かす書状を手に入れた

巾木達は赤い森に馬車で向かっていった。


「それにしてもあのおっさん、 良く協力したよなぁ・・・」


園田が意外そうに言った。


「責任は私が全部負うと言う事で何とか協力して貰いました」

「そうですか・・・!?」


雷が巾木を連れて馬車から飛び出した。

他の面々も大急ぎで馬車から飛び出す。

と同時に馬車は横転した。


「誰だ!?」

「強い魔力が複数移動しているから何となく攻撃しましたが

森羅の傭兵【雷馬】ではありませんか」


横転した馬車の上に立つソーラー。


「・・・貴方は?」

「初めまして、 私はビア帝国第10皇子ソーラ―・ボウル・ビア」

「ライスボールの虐殺の・・・」

「失敬なエルフですね

初対面の人間に対してそんな事を言うとは礼儀を知らないのですか?」

「ライスボールの虐殺・・・って何だ?」


金鬼が尋ねる。


「説明しましょう

私がライスボールに集まった反逆者達を始末した事をライスボールの虐殺と言います」

「良く言うよ、 ライスボール市の市民達も巻き添えにしたじゃないか」

「父上が帝位を得るのに犠牲した民草を考えれば大した事の無い数です

それにライスボール市は反逆者達の支配下にあり

市民達は支配に抵抗しなかった、 ならば市民達も反逆者じゃないですか」

「滅茶苦茶な理論だな・・・それで何故我々を攻撃した?」


雷が尋ねた。


「何となく攻撃した、 と言ったじゃ無いですか

強い魔力を持つ人達が赤い森に向かっているとなれば

同じ狙いと言う可能性もありますし」

「同じ狙い?」

「私の目的はラビー・ストロング公爵令嬢の身柄する事です

彼女を確保して婚姻をする事で次期皇帝の座を掌握する事が私の目的です」

「何だと・・・」


雷達は殺気立つ。

大恩あるラビーをこんな冷酷で無茶苦茶な男の妻にさせてなる物か、 と。


「一つ尋ねたい、 ラビー嬢と婚姻して彼女を幸せにするつもりは有るのか?」


巾木がソーラーに尋ねた。


「無いですね、 私はラビー・ストロング公爵令嬢に興味がありませんから」

「そうか・・・」

「こちらも尋ねますが、 貴方達の目的は?」

「我々の目的はラビー嬢を赤い森から救出する事だ」

「ふむ、 ならば目的は同じじゃないですか、 互いに協力しましょう」

「悪いがラビー嬢をお前の妻にする訳には行かないな」


巾木がソーラーに手を向けた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る