コカトリスを食す

赤い森は超危険地帯である。

それはこの森にある食べ物の殆どが刺激物の上に

広いので食料がなくなるからと言う事である。

ならば食料を大量に持っていれば平気かと問われればそれも違う。

この森には様々な鳥類が生息している、 鳥類は辛さを感じない為

平然と唐辛子を食べるのだ、 また辛さに適合した生物もいるが基本的に

それらの生物も激辛の為、 食用には適さない。


その為、 この森は鳥類の楽園と化している。

当然その鳥類の中には危険とされている者も含まれている。


「と言う訳でコカトリスを狩ったからこれで何か作ってくれ」


頭が剣になっている騎士がコカトリスの死体を持ってやって来た。

血抜きはしているようだ。


「また大物持って来たわねぇ・・・」


剣の騎士は浪費家で騎士団の稼ぎでは足りない為。

偶にこうして狩りをしている。

ラビーに獲物を持って来て解体して貰い食肉として市場に出す。

ラビーに食材を軽く料理して貰うのと解体して貰い

ラビーは手間賃として獲物の一部を分けて貰っている。


「コカトリスねぇ・・・そんなのこの森に居るの?」

「結構レアだな」


コカトリスとは雄鶏とヘビとを合わせたような姿の伝説上の生き物である。

スイーツキングダムの設定では石化する息を吐くらしいのだがあまり見かけないので

良く分からない。


「当然だがちょっと捌いて肺とか内蔵は捨てて置いた」

「え、 捨てたの?」

「そりゃあ肺の中の石化成分で石化したら嫌だろ?」

「そう言う事ね・・・じゃあ捌いて見ますか・・・」


コカトリスの肉を少し食べるラビー。


「生で大丈夫か?」

「平気よ・・・結構脂肪が多いわね」

「冬コカトリスって言うからな」

「スズメも冬スズメは旨いって聞くけどねぇ・・・

と言うか冬もコカトリスって行動するの?」

「ここは一年中赤い実が生るからなぁ・・・食事には困らんだろ」

「それもそうね・・・じゃあ焼き鳥に・・・あ、 駄目だ炭が無かったんだ」


血が出る位、 歯軋りをして悔しがるラビー。


「そこまで悔しがるか? 炭が欲しいなら炭業者紹介しようか?」

「是非ともお願いします!!」

「お、 おう・・・」


少し引く剣の騎士。


「じゃあ今日は・・・そうね、 鳥刺しなんて如何?」

「いやぁ唐揚げにしてくれよ、 鶏料理で一番旨いのは唐揚げだ、 そうだろう?」

「揚げ物は正義、 じゃあカラッと揚げましょうか」


コカトリスが解体され一口大にされカラっと美味しい唐揚げになり

その唐揚げで御飯をお代わりする剣の騎士。


「タルタルソース有るけど、 要る?」

「貰う!!」

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