第4話
術式により加速した弾丸は風圧で地面を削り空気を燃やしながら進んでいった。
「粒子の運動エネルギーを高速回転させる術式か、よく出来ている」
大男は生命の泉を取り出し掲げた。
弾丸に貫かれた大男は形を残しておらず完全に消え去っていた。
ただ大地に溢れ落ちた一滴の雫が小さな泉を作り出し大男の体を一から再構築した。
「不死身かよ」
「それは浅はかな結論だね。私は法則に沿って動いている。元より生命は刻まれた設計があり、それを元に作られているのだから」
「なら終わりも定められてるだろうが」
俺は脳を破壊する限り死ぬ事は無いと悟ったため、逃走時間を稼ぐ事が必要だと判断し打ちたくもない弾丸をもう一度を撃ち放った。
そして向き直り最愛の妹を傍に抱えて逃げ出そうとしたが地面を削る一撃は空中で不意に止まった。
「君は賢い、私がどうしてここにいるか理解をしている」
「何年もお前といたからな」
「ただ一つだけ正しておこう。私の狙いは元より君だ」
音で止まった事に気づいた俺は振り返り妹を脇に抱えたままその言葉を鼻で笑い、次なる一手を考えた。
すぐに動いたのは大男の方で一つのキューブ型のホワイトBOXを取り出し落とした。
「私は、一切コードによる術式が使えないため小細工を使用させてもらうよ」
大男はキューブ型のホワイトBOXを落とし世界を構築させた。
展開される白い世界に閉じ込められた俺は一切のF-コードを使用する術式が使えなくなったのを感じた。
一度何らかの方法により止められた弾丸は世界との繋がり完全に断たれたため、その場に落ちた。
その現象を確認し本当に世界との繋がりを切られた事を再認識をして、俺は舌打ちをして、言葉を放った。
「随分と大掛かりな小細工だな」
「あぁ、君のために用意して作らせた最新の技術の応用さ」
大男は笑い、腰から変形型キューブを取り出し走り出した。
「その首をもらおう」
大男だった何かは走りながら変形型キューブをロックを解除し、俺に接近をして接近型刀機E-005を展開させ一撃必殺の首を刈り取る居合の技を使用してきた。
俺はタイミングを合わせて後ろに下がったが膝の痛みに一瞬思考を取られ首を掠められた。そして二刀目の振り翳しをかわせる道理はなく最後の悪あがきとして遠距離型銃機F-045を前にかざした。
ロックを解除して振われる一撃は安易に遠距離型銃機F-045を切り捨て、希望を残す為、首を傾げ、迫り来る死の一撃に俺は目を閉じず、笑いながら見つめていた。
【あまねく奔流は私の罪過を顕し、いにしえの時を讃える、光を我が手、ディカスティスフォード】
白い世界に魔法の詠唱が響き渡り光の粒子が収束され放たれ、二人の隙間の白い世界を両断した。
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俺はすぐさま靴の術式を発動させてその場から飛躍した。
[Fコード権限より、コードF-018の発動を許可します]
俺は発動させたままその場から走り去り、
遠距離型Gから放たれるレーザー砲をかわしながら第二の拠点に向かった。行く道中何体かの人型戦闘機E-000番に襲われたがコインの術式を発動させ破壊をしていった。
ようやくアイツが作った第二拠点に着いた俺はフォードをかざして、生体認証を完了させ中に入っていった。
「あぁ、くそ腕が消し飛んだ」
第二拠点に向かっている時、俺はヘマをして遠距離型Gのレーザーに擦り、片腕を燃やし尽かれ無くしてしまっていた。俺は仕方なくその時はコインを足で蹴り飛ばし術式を発動させ、襲ってきた戦闘型E-000番を破壊した。
止血は傷口を熱で焼かれているため必要はなく俺は不幸中の幸いだと考え、抱えていた妹をフカフカなベットの上に乗っけて、目を瞑り少し休んだ
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