忘れて

忘れて

いつか忘れてしまう存在だから

言葉にしたいんだ

忘れ去られてしまうそんなときに

せめてこの言葉が

僕の詩（こえ）が残るように

今ここに綴る

思いの欠片が残るように

一人で小さな世界を生きていた

自分しかいない世界

他人とのかかわりがない世界

傲慢な思いが肥大していた幼いころ

他人とのかかわりを知った時

僕は本当に一人だって気づいた

年を追うごとに世間を渡るのはうまくなった

でも、その世界は一向に広まることはなく

小さいままに移り変わっても一人は一人のまま

誰かに知ってもらいたいと思いながらも

知られたくないという矛盾をかかえて

それでも何か残したいとここに描くんだ

いつか忘れてしまう存在だから

言葉にしたいんだ

忘れ去られてしまうそんなときに

せめてこの言葉が

僕の詩（こえ）が残るように

今ここに綴る

思いの欠片が残るように

何億といる人間の中の一人

その中でもほんの一握りが回すこの世界

人類という枠の中で生まれて死んでの繰り返しでも

その中には一つとして同じ命はないだから

僕は・・・