第32話 倍倍返し

彼は着々と資金を用意しているようだった。電話越しだったが、もうその銀行と取引は止めると話していた。お金を返した瞬間に取引をキッパリ止め他の銀行に移すそうだ。前以って伝える事はしないと。

とんでもない大打撃になると電話の相手は口々に言っていた。

もう銀行と揉めたくないから資金は自分で管理するとも話していた。

それは最もな話だった。自分に資産があるのだから、わざわざ借りたり返したりしなくても十分にやっていける。

今までは借りれるのならと、限度額まで借りていただけなのだ。

こうして数ヶ月間いや、それ以上この様な生活が続いた。彼女としては辛かったが、私が助けるのは現実的に不可能であり今は自分自身を成長させる為に時間を使うことにした。

俺が税金を沢山払って皆がより良い生活をして欲しいと彼が言った様に、私は少なくとも自分の周りからでも幸せにしたいと考えて過ごし勉強した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る